天恩日(てんおんにち)とは、暦注下段の「七箇の善日(ななこのぜんにち)」と呼ばれる7つの吉日の一つです。
この日は「すべての人が天の恩恵を受ける日」とされており、万事が成長しやすく、徳を得やすいと言われ、結婚式や入籍などの慶事に向いている日とされています。
七箇の善日の中では天赦日に匹敵する大吉日とも言われています。
■天恩日の起源・由来
天恩日の起源は明確ではありませんが、江戸時代まで遡り、宝暦暦(ほうりゃくれき)という、かつて日本で使われていた太陰太陽暦(旧暦)の暦法の中にある吉日の1つと考えられています。
そもそも、天恩日は暦注下段の「七箇の善日(ななこのぜんにち)」のうちのひとつであり、歴注下段は古代中国の農民歴を基に作られているため、「母倉日の起源は古代中国の農民歴」と言っても過言ではないでしょう。
また、「天照大神が天の岩戸から出て、地上に光をもたらした」という神話に由来しているという説があるようです。
■天恩日にすると良いこと
天恩日には、「天の恩恵を受ける」という意味があるので、あらゆる物事に吉とされています。
その中でも、特に慶事(結婚・出産・落成祝い・開店祝い・就任祝いなど)を行うことが良いとされています。
具体的には以下のとおり。
- 結婚式、入籍
- 出産
- 建築、落成祝い
- 昇進、就任祝い
- 開業・開店祝い
■天恩日に運気を更に上げる方法
吉日の天恩日に以下のことをすると、運気が更に高まるそうです。
- 神社参拝
- 感謝の気持ちを持つ
- 善行を積む
- 身だしなみを整える
- 心身を清める
■天恩日の決め方
天恩日は干支の日によって決まっており、60ある干支の組み合わせのうち、15の日が天恩日となります。
また、これらの干支の日は5日ずつ連続しています。
詳細は以下のとおり。
◆干支日の1日~5日
※太字は月徳日(つきとくにち)と重なる日
- 甲子日
- 乙丑日
- 丙寅日
- 丁卯日
- 戊辰日
◆干支日の16日~20日
※太字は月徳日(つきとくにち)と重なる日
- 己卯日
- 庚辰日
- 辛巳日
- 壬午日
- 癸未日
◆干支日の46日~50日
※太字は月徳日(つきとくにち)と重なる日
- 己酉日
- 庚戌日
- 辛亥日
- 壬子日
- 癸丑日
上記のように連続で5日間続くため、他の吉日と重なる可能性が高いです。
特に、月徳日※と重なることが多いです。
(※つきとくにち(がつとくにち)。七箇の善日のひとつで、家の建築関連に吉の日。)
■天恩日にしてはいけないこと
天恩日に「してはいけないこと」は限定的ですが存在します。
それは「凶事」です。
凶事とは、死去、病気、けが、事故、事件、天災など、人を不幸に陥れる出来事を指します。
特に死、または死を招く悲惨な出来事をさすことが多いのが凶事という言葉です。
お通夜や葬儀も凶事に連なる行事ですが、弔事として重要ですので、天恩日を避けられない場合は実施せざるを得ないでしょう。
また、凶事以外でも以下の点に注意する必要があります。
1. 凶日と重なる場合
天恩日が他の凶日と重なった場合は、その凶日の影響を受ける可能性があります。
特に、以下のような凶日は注意が必要です。
- 仏滅: 結婚式や葬儀などを避ける
- 不成就日: 物事が上手くいかない可能性がある
- 赤口: 刃傷沙汰や争いを避ける
これらの凶日と重なる場合は、天恩日の吉運が弱まると考えられます。
重要なイベントを行う場合は、他の吉日を選ぶことをおすすめします。
2. 夜間の行動
天恩日であっても、夜間は吉凶が逆転するという考え方があります。
そのため、夜間の行動には注意が必要です。
具体的には以下のような行動を避けることをおすすめします。
- 夜間の外出
- 喧嘩や口論
- 賭博
- 悪行
当たり前ですが、「夜間の外出」以外は、一般常識的に「やるべきではない」行動です。
3. 法に触れることや犯罪行為
当たり前ですが、天恩日であっても、法に触れることや犯罪行為は絶対に許されません。
このような行為は、天恩日の吉運を損なうだけでなく、社会的に大きなトラブルを引き起こす可能性があります。
4. 周囲への配慮を忘れない
天恩日は自分自身にとって吉日であっても、周囲の人にとって吉日とは限りません。
常に周囲への配慮を忘れずに、思いやりを持って行動しましょう。
■天恩日と他の吉日の組み合わせ
天恩日は、他の吉日と重なることもあります。
特に、以下のような組み合わせは最強の開運日と言われています。
- 天恩日 + 天赦日 + 一粒万倍日
- 天恩日 + 天赦日
- 天恩日 + 一粒万倍日
他にも、以下の組み合わせになる日は大吉日です。
- 天恩日 + 寅の日
- 天恩日 + 己巳の日
- 天恩日 + 天恩日
- 天恩日 + 大安
- 天恩日 + 月徳日
これらの吉日が重なる日は、より強力なパワーが期待できますので、ぜひ積極的に行動しましょう。
こんなところですね。
天恩日は、天の恩恵を受けられる非常に縁起が良い日です。
天恩日の恩恵を最大限に受けるためには、神社への参拝、善行、感謝の気持ちを持つことなど、心身ともに清々しく過ごすことが大切です。
天恩日にふさわしい行動をすることで、より多くの恩恵を受けられるでしょう。
信じるか信じないかは、あなた次第です!(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目
■参考サイト様
七箇の善日とは?天赦日・天恩日・母倉日・月徳日・天恩日・神吉日・鬼宿日の意味や過ごし方
天恩日とは?しても良いこと・避けること・他の日と重なった場合も解説
縁起の悪い日(六曜や七箇の善日などの暦注下段)の解説