一粒万倍日とは、一つの事が万倍にもなるという意味もつ吉日のことです。
「一粒万倍」という言葉には、「一粒の籾が万倍にも実る稲穂になる」という意味があり、それが転じた日として、非常に縁起の良い吉日とされています。
つまり、物事を始めるにはもってこいの日で、以下のようなことに適しています。
- 入籍
- 結婚式
- 愛の告白
- 宝くじ購入
- 転職
- 起業(開業)
- 銀行口座開設
- 投資
以上のようなことを一粒万倍日に行うと、効果が万倍になると言われているのです。
一方で、悪事を一粒万倍日に行うと、万倍になって返ってくるという恐ろしい言い伝えもあります。
なので、一粒万倍日に限らず、悪いことはしないほうがいいのです。
■一粒万倍日の日取り・決め方(算出方法)
一粒万倍日は、旧暦の干支(えと)※の日によって決めており、それを現代の新暦カレンダーの日付に当てはめています。
(※十干(じっかん 甲・乙・丙・丁・戊・己・庚・辛・壬・癸)と十二支(子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥)の総称)
まず旧暦では、十二支を月に、干支を日付に当てはめており、それぞれの旧暦の月に対応した干支の日を一粒万倍日としています。
◆一粒万倍日の日取り対応表
十二支の月 (旧暦 節切り) |
一粒万倍日 (干支の日) |
新暦の月 (おおよそ) |
子月 | 子日・亥日 | 12月後半~翌1月前半 |
丑月 | 子日・卯日 | 1月後半~2月前半 |
寅月 | 丑日・午日 | 2月後半~3月前半 |
卯月 | 寅日・酉日 | 3月後半~4月前半 |
辰月 | 子日・卯日 | 4月後半~5月前半 |
巳月 | 卯日・辰日 | 5月後半~6月前半 |
午月 | 巳日・午日 | 6月後半~7月前半 |
未月 | 午日・酉日 | 7月後半~8月前半 |
申月 | 子日・未日 | 8月後半~9月前半 |
酉月 | 卯日・申日 | 9月後半~10月前半 |
戌月 | 午日・酉日 | 10月後半~11月前半 |
亥月 | 酉日・戌日 | 11月後半~12月前半 |
例えば、新暦2023年8月7日は一粒万倍日ですが、旧暦の日付※を確認すると6月21日で、その日の干支の日は丁酉(ひのととり)であるため、上の対応表の酉日と合致します。
(※参考サイト様:六曜・月齢・旧暦カレンダー https://www.ajnet.ne.jp/diary_f/?)
つまり、旧暦の月と干支の日を確認すれば、現代の一粒万倍日がわかるというワケです。
ただし、一粒万倍日は旧暦の節切り(二十四節気の日で区切る)によって月が移行するため、一粒万倍日が数日にわたって重なるケースがあります。
例えば、2023年12月は、5~8日の4日間連続で一粒万倍日が並びます。
これは、5日と6日が旧暦の10月(亥月)の23、24日であり、それぞれ丁酉、戊戌ということで亥月の一粒万倍日となります。
しかし、12月7日(旧暦10/25)は二十四節気の大雪であり、旧暦では節切りが発生して次の月(子月)へ移行します。
そのため、子月の一粒万倍日の子日・亥日が当てはまるようになるため、12月7日(旧暦10/25)は己亥、12月8日(旧暦10/26)は庚子なので、一粒万倍日となります。
以上の理由で、4日間という連続で一粒万倍日が発生するのです。
■恐るべき不成就日
不成就日とは、「何事も成就しない日」と言われる不吉な凶日です。
その忌まわしさは凄まじく、「あらゆる吉日をかき消してしまう」と言われています。
故に、一粒万倍日であっても、不成就日(何事も成就しない不吉な日)と重なると意味が無いので、不成就日が重なる日は一粒万倍日として扱われません。
なお、不成就日も一粒万倍日と同じように、旧暦の干支の日が割り当てられています。
対応表は以下のとおり。(いずれも旧暦の月と日付)
◆不成就日の日付対応表
十二支の月(旧暦の月) | 日付(旧暦) |
子月(旧暦11月) | 5日・13日・21日・29日 |
丑月(旧暦12月) | 6日・14日・22日・30日 |
寅月(旧暦1月) | 3日・11日・19日・27日 |
卯月(旧暦2月) | 2日・10日・18日・26日 |
辰月(旧暦3月) | 1日・9日・17日・25日 |
巳月(旧暦4月) | 4日・12日・20日・28日 |
午月(旧暦5月) | 5日・13日・21日・29日 |
未月(旧暦6月) | 6日・14日・22日・30日 |
申月(旧暦7月) | 3日・11日・19日・27日 |
酉月(旧暦8月) | 2日・10日・18日・26日 |
戌月(旧暦9月) | 1日・9日・17日・25日 |
亥月(旧暦10月) | 4日・12日・20日・28日 |
以上、これらの旧暦の日付を新暦の日付に合わせることで、現代の不成就日が判明します。
例えば、新暦2023年8月26日は不成就日ですが、旧暦の日付を確認すると7月11日であり、上の表の申月(7月)の不成就日の11日に当てはまります。
こんなところですね。
一粒万倍日は、実は日本独自のものらしく、天赦日のように中国の占術の農民歴を元にした吉日ではないため、信憑性が低いとされています。
しかしながら、一粒万倍日を吉日として考える人が一定数いるのも事実であり、一粒万倍日に結婚式を挙げたり、一粒万倍日を掲げて宝くじを売る売り場もあるそうです。
「縁起のいいモノにあやかりたい」
という、日本古来の考え方が根強く残っているというワケですね。
信じるか信じないかは、あなた次第です!(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目