記事タイトルにも書かれていますが、干支のさるは漢字で“申”と書きます。
普通、さるは漢字で“猿”と書きますよね?
ではなぜ、
干支ではさるを“申”と書くのか?
今回は、猿と申に関する話を書こうと思います。
皆様の参考になれば幸いです。
■干支でさるを“申”と書くワケ
干支でさるを“申”と書くのは、
12の方角の9番目にあたる申に、
覚えやすくするために猿(さる)の字を当てはめた
からです。
古代中国において、無学な庶民に干支十二支を覚えさせるのに動物の名前を当てはめることは都合が良かったと言われています。
それが理由で、さるを“申”と書くようになったワケですね。
ただし、申年の場合は、酉や戌などと違って、漢字の成り立ちや意味による因果関係がなく、無作為的に猿の“さる”という読みが当てはめられたそうです。
実際に、申という漢字は“しん”と読み、雷の原字です。
また、雷は天、すなわち神の象徴でもありました。
つまり申=神であり、猿との因果関係はありません。
なので、申に“さる”という動物の読みを当てはめたのは無作為的ということになります。
覚えやすくするためとはいえ、意外とアバウトだったんですね。(笑)
ちなみに、申が干支で9番目なのは、
鶏(酉)が、犬猿の仲と言われる猿と犬の仲裁に入った
からだと言われています。
それ故に、申は干支では9番目なのです。
(結果的に犬は11番目となり、猿と鶏に出し抜かれたことになりますがw)
さて、もうひとつ疑問が残っています。
そもそも、9番目の方角って何よ?
って、理由を知らない人は思いますよね?
理由を知らない人は、次の項目を要チェックです!(笑)
■12の方角と名前について
そもそも昔の方角というのは、古代中国から伝わったものでした。
その方角は全部で12あります。
太古の昔、中国では木星の運行によって方角を決めていました。
木星は、約12年で天球を一周します。
つまり、1年ごとに一つの方角を決め、それを12作ることによって、一周分の方角を決めたのです。
で、それが日本に伝わったのです。
古代中国の習わしこそが、12の方角の由来というワケですね。
で、方角の名前は、
干支に登場する動物の名前を12の方角に対して北から時計回りに順番に当てはめたもの
なのです。
ちなみに、干支の方角を東西南北にあてはめると、
卯=東
酉=西
午=南
子=北
となりますが、厳密にはもっと広い方角をカバーしています。
(例えば、子は北北西~北北東くらいまで)
なお、申の方角は大体西南西~南西の間くらいです。
■干支と昔の時刻
さて、ここまで読んだら、
ピーンと来た人も多いと思います♪
そう、昔の時刻です。
昔の時刻も干支十二支で書いていました。
1日24時間を12の刻で表したのです。
つまり、一刻ごとに2時間。
ただし、0時から始まるのではなく、23時から始まります。
対応させると、以下のようになります。
子=23時~1時
丑=1時~3時
寅=3時~5時
卯=5時~7時
辰=7時~9時
巳=9時~11時
午=11時~13時
未=13時~15時
申=15時~17時
酉=17時~19時
戌=19時~21時
亥=21時~23時
「草木も眠る丑三つ時」は、丑(1時~3時)の間を4分割した3つ目の時間帯、午前2時~2時半を指します。
なるほど、確かに深夜ですね。
現代はともかく、人工的な照明が道路などに無い当時は、月が出ていない限り真っ暗な時間。
とても静かな時間帯ですね。
誰が言い出したか知りませんが、上手く表現したものです。
■干支・方角・時刻対応表
干支と方角と時刻の対応表を作りました。
これさえ見れば一目瞭然ですね♪
ちょっと見えにくいですが、
中の緑色の円の中に時刻が書いてあります。
(24時間表記)
干支の方角に関しては、指す範囲が少しアバウトです。
例えば、卯の方角は東ですが、東北東から東南東の間も含まれているのです。
まあ、方位磁針が無かった時代なので、「大体、この方角」という感覚だったのでしょうね。(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目