記事タイトルにも書かれていますが、干支の“いぬ”は漢字で“戌”と書きます。
普通、“いぬ”は漢字で“犬”と書きますよね?
ではなぜ、
干支では“いぬ”を“戌”と書くのか?
そんなあなたの疑問に答えるため、
今回は、“いぬ”と“戌”に関する話を書きました。
皆様の参考になれば幸いです。
■干支で“いぬ”を“戌”と書くワケ
干支で“いぬ”を“戌”と書くのは、
12の方角の11番目にあたる戌(いぬ)に
覚えやすくするために犬(いぬ)の字を当てはめた
からです。
実は戌(じゅつ)という漢字は、古代中国では訓読みが“いぬ”であったため、覚えやすいように、同じ“いぬ”と読む犬の漢字を当てはめたのです。
それが理由で、“いぬ”を“戌”と書くようになったワケですね。
また、古代中国において、無学な庶民に干支十二支を覚えさせるのに動物の名前を当てはめることは都合が良かったとも言われています。
ちなみに、犬が干支の11番目に来る理由は、以下の二つがあるとされています。
- 猿(申)とは犬猿の仲であり、
鳥(酉)が仲裁に入ったため、11番目になった。
- 気になる物の臭いをクンクンかいだりして、
犬は寄り道するため、遅れて11番目になった。
1の説が通説ですが、個人的には2の説の方が説得力があるように思えます。
寄り道が多ければ、当然、遅れますよね?(笑)
なにはともあれ、犬は干支では11番目なのです。
しかし、疑問がひとつ残ります。
そもそも、“11番目の方角”って何よ?
って、理由を知らない人は思いますよね?
理由を知らない人は、こちらの項目を要チェックです!(笑)
■戌年に安産祈願を行う理由
戌年に、犬にまつわる神社などで、安産祈願を行う習慣があります。
どうして戌年に安産祈願するのか?
その理由は、ズバリ、
- 犬は安産だから
です。
犬は他の動物と比べて安産型なものが多く、しかも子供をたくさん産みます。
なので、それにあやかろうということで、戌年に安産祈願を行う人が増えるのです。
要するに、安産と子宝の願掛けですね。
(本当に犬が安産型なのかどうかは、獣医さんや犬専門の動物学者の研究結果を聞かないとハッキリしたことはわかりませんがw)
気持ちはよくわかります。(=´▽`=)
■12の方角と名前について
そもそも昔の方角というのは、古代中国から伝わったものでした。
その方角は全部で12あります。
太古の昔、中国では木星の運行によって方角を決めていました。
木星は、約12年で天球を一周します。
つまり、1年ごとに一つの方角を決め、それを12作ることによって、一周分の方角を決めたのです。
で、それが日本に伝わったのです。
古代中国の習わしこそが、12の方角の由来というワケですね。
で、方角の名前は、
干支に登場する動物の名前を
12の方角に対して
北から時計回りに順番に当てはめたもの
なのです。
ちなみに、干支の方角を東西南北にあてはめると、
卯=東
酉=西
午=南
子=北
となりますが、厳密にはもっと広い方角をカバーしています。
(例えば、子は北北西~北北東くらいまで)
なお、戌の方角は大体西北西~北西の間くらいです。
■干支と昔の時刻
さて、ここまで読んだら、ピーンと来た人も多いと思います♪
そう、昔の時刻です。
昔の時刻も干支十二支で書いていました。
当時は、1日24時間を12の刻で表していたのです。
つまり、一刻ごとに2時間。
ただし、0時から始まるのではなく、23時から始まります。
現代の時間と対応させると、以下のようになります。
子=23時~1時
丑=1時~3時
寅=3時~5時
卯=5時~7時
辰=7時~9時
巳=9時~11時
午=11時~13時
未=13時~15時
申=15時~17時
酉=17時~19時
戌=19時~21時
亥=21時~23時
こんなところですね。
例えば、時代小説や時代劇などに登場する言葉に、
「草木も眠る丑三つ時」
というフレーズがあります。
この丑三つ時とは、
丑(午前1時~3時)の間を4分割した3つ目の時間帯
を指します。
具体的な時間は、午前2時~2時半です。
なるほど、確かに深夜ですね。
現代はともかく、人工的な照明が道路などに無い当時は、月が出ていない限り真っ暗な時間。
とても静かな時間帯ですね。
誰が言い出したか知りませんが、上手く表現したものです。
■干支・方角・時刻対応表
干支と方角と時刻の対応表を作りました。
これさえ見れば一目瞭然ですね♪
ちょっと見えにくいですが、
中の緑色の円の中に時刻が書いてあります。
(24時間表記)
干支の方角に関しては、指す範囲が少しアバウトです。
例えば、卯の方角は東ですが、東北東から東南東の間も含まれているのです。
まあ、方位磁針が無かった時代なので、「大体、この方角」という感覚だったのでしょうね。(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目