2025年の干支は、巳(み)年ですね。
巳は、蛇(へび)のことを言います。
記事タイトルにも書かれていますが、干支の“み”は漢字で“巳”と書きます。
“み”はヘビのことであり、通常は漢字で“蛇”と書きますよね?
ではなぜ、
干支では“蛇”を“巳”と書くのか?
そんなあなたの疑問に答えるため、
今回は、“蛇”と“巳”に関する話をチェックしました。
皆様の参考になれば幸いです。
■干支で蛇を“巳”と書くワケ
干支で、蛇を表す漢字を“巳”と書くのは、
12の方角の6番目にあたる巳(み)に
覚えやすくするために蛇(へび)の意味を当てはめた
からです。
古代中国において、無学な庶民に干支十二支を覚えさせるのに、動物の名前を当てはめることは都合が良かったと言われています。
そういった理由から、12の方角や時刻を表す十二支に動物の名前の読みを当てはめて使うようになったというワケです。
また、漢字の巳には、「植物に種子ができ始める時期」という意味があります。
つまり、生命が満ち溢れるというイメージにがあります。
そこに、脱皮を繰り返して成長して大きくなっていく蛇の生命力をあてはめるのは、都合が良かったのではないでしょうか。
更に個人的な見解ですが、漢字の巳という字は、何となく「蛇の頭」みたいに思えませんか?
故に、方角を表す“巳”に、動物のヘビの意味合いを当てはめるのは、都合が良かったのではないでしょうか。
◆干支十二支で巳が6番目に来る理由
巳(蛇)が干支の6番目に来る理由は、辰(龍)に順位をゆずったからです。
のんびりと空を飛んでいた龍は、地上を上手く進んできた蛇と同着でした。
しかし、古代中国では「龍は蛇が修行で進化(神格化)したもの」と考えられていました。
故に、「蛇は神格化した龍を重んじて順位を譲ったため、6番目となった。」と考えられています。
干支の兎のエピソードはこんなところですね。
しかし、まだ疑問がひとつ残ります。
そもそも、“6番目の方角”って何よ?
って、理由を知らない人は思いますよね?
理由を知らない人は、こちらの項目を要チェックです!(笑)
■巳の語源は「包」の中の“已”と同じ
漢字の“巳”は、音読みでは「し」。訓読みは「み」です。
語源由来辞典によると、巳の原字は「包」(ほう)の中の字と同じです。
「巳」は、頭と体ができかけた胎児を描いたもので、子宮が胎児をつつむさまを表す「包」の中と同じである。
そのため、十二支の「巳」は、植物に種子ができはじめる時期と考えられる。
『漢書 律暦志』では「止む」の意味の「已」とし、草木の成長が極限に達して次の生命が作られはじめる時期と解釈している。
引用元:語源由来辞典
■12の方角と名前について
そもそも昔の方角というのは、
古代中国から伝わったものでした。
その方角は全部で12あります。
太古の昔、中国では木星の運行によって方角を決めていました。
木星は、約12年で天球を一周します。
つまり、1年ごとに一つの方角を決め、それを12作ることによって、一周分の方角を決めたのです。
で、それが日本に伝わったのです。
古代中国の習わしこそが、12の方角の由来というワケですね。
で、方角の名前は、
「干支に登場する動物の名前を12の方角に対して北から時計回りに順番に当てはめたもの」
なのです。
ちなみに、干支の方角を東西南北にあてはめると、
卯=東
酉=西
午=南
子=北
となりますが、厳密にはもっと広い方角をカバーしています。
(例えば、子は北北西~北北東くらいまで)
なお、卯の方角は、大体東北東~東南東の間くらいです。
■干支と昔の時刻
さて、ここまで読んだら、ピーンと来た人も多いと思います♪
そう、昔の時刻です。
昔の時刻も干支十二支で書いていました。
当時は、1日24時間を12の刻で表していたのです。
つまり、一刻ごとに2時間。
ただし、0時から始まるのではなく、23時から始まります。
干支の時間を現代の時間と対応させると、以下のようになります。
子=0時(23時~1時)
丑=2時(1時~3時)
寅=4時(3時~5時)
卯=6時(5時~7時)
辰=8時(7時~9時)
巳=10時(9時~11時)
午=12時(11時~13時)
未=14時(13時~15時)
申=16時(15時~17時)
酉=18時(17時~19時)
戌=20時(19時~21時)
亥=22時(21時~23時)
こんなところですね。
例えば、巳二つ時と言うと、
「巳(午前9時~11時)の間を4分割した2つ目の時間帯」
を意味します。
具体的には、午前9時半~10時の時間帯になります。
完全に朝で、ほとんどの場合は仕事が既に始まっている時間帯ですね。
■干支・方角・時刻対応表
干支と方角と時刻の対応表を作りました。
これさえ見れば一目瞭然ですね♪
ちょっと見えにくいですが、中の緑色の円の中に時刻が書いてあります。
(24時間表記)
干支の方角に関しては、指す範囲が少しアバウトです。
例えば、辰の方角は東南東ですが、東南東から南東の間も含まれているのです。
まあ、方位磁針が無かった時代なので、
「大体、この方角」
という感覚だったのでしょうね。(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目