裏をかくの意味を簡単に言うと、
- 予想外の方法で
まんまと相手を出し抜くこと
という意味です。
この意味に関しては、
大人の人なら理解していると思います。
しかしながら、
裏をかくの“裏”とは、一体、何の裏なのか?
これについては、あまり深く調べている人はいないと思います。
裏というくらいだから、何らかの物の裏側なんだろうけど・・・。
実際のところ、サッパリ見当がつきません。
そこで今回、“裏”が何で、どんな意味を含んでいるのかを調べてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■裏をかくの“裏”とは何なのか?
その答えは、ズバリ
「鎧(よろい)の裏」
でした!
そう、昔の戦(いくさ)で、武士などが着ていた鎧のことです。
どうしてここで、鎧という言葉が出てくるのか?
それは、「裏をかく」という言葉の語源に理由があったのです。
■裏をかくの語源
そもそも、裏をかくという言葉の語源は、昔の日本の戦争、いわゆる“いくさ”において、
槍や刀が鎧の裏側まで
貫いて通ること
を指すのです。
これなら、鎧を着ていようがいまいが、関係なく相手を倒すことができます。
鎧は命を守る防具であり、身を守るための策の結果の一つです。
鎧=防御策。
鎧を貫くということは、防御策を無効にするということ。
つまり、策を無意味にするということです。
その意味が転じて、現在の「相手を出し抜く」という意味になっているワケですね。
以上のことから、裏をかくの“裏”は「鎧の裏」ということがわかります。
調べてみると、「なるほどな」って思えますね。
■裏をかくの用法
「ちくしょー!裏をかかれたー!」
「●●●は裏をかかれた形になった。」
など、言葉としてはこんな感じで使われてますね。
これらの表現は、小説やドラマの中の台詞、またはゴシップ記事などの中で、割と見ることができます。
いずれも、結果論として“出し抜かれた”という表現になってます。
「裏をかく」具体例を挙げてみると…
AとB、二人の人物がいます。
二人は何かの権利を得るために、じゃんけんで勝敗を決めることにしました。
ふたりは、「最初はグー」と声をかけてから、じゃんけんすることにしました。
しかし、「最初はグー」という条件自体が、もう暗黙の了解で既にじゃんけん勝負になってるんですね。
Aはチョキを出し、Bはパーを出して負けました。
ふたり共、グーを出していませんね(笑)
「最初はグー」とは、文字通り最初にグーを出す儀式的なものですが、ここでパーを出せば、形としてじゃんけんに勝つことができるワケです。
BはAを出し抜くつもりで、パーを出します。
しかし、AはBの考えを完全に読んでいて、チョキを出したのです。
BはAに、出し抜かれたワケですね。(笑)
「裏をかく」とは、こういうことなのです。
余談ですが、“更に高度な最初はグー勝負”になると、普通に二人ともグーを出して、本来の儀式と同化することもあります。
「相手は“パーを出すのを見越してチョキを出す”だろうから、更にその上のグーで勝負!」
と、二人とも考えてしまうワケですね。(笑)
まあ、最初はグーで、そこまで勝負する人はあまりいないと思いますが、悪戯心でパーを出す人はいると思います。
上記の例は、そういう人を出し抜こうと考える人くらいしか思いつかないと思いますね。
…なに、私がそうだと?
ふふふ・・・。
では、今回はこの辺で。