丁度、梅雨の時期に咲く花が紫陽花(あじさい)ですよね。
(現在では温室栽培などで5月頃でも出荷されていますが…。)
その紫陽花ですが、大きく分けると、
- 赤系(薄赤、ピンク等)
- 青系(紫、青紫、バイオレット等)
- 白系
の3つに分類することができます。
そこで疑問。
どうして赤・青・白の色の違いが出るのか?
今回は、紫陽花の色の違いについて色々とチェックしてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■紫陽花の色の違いの理由
紫陽花の花の色に違いが出るのは、
実は土にヒミツがあります!
土とは、紫陽花の根っこの部分の深い位置にある土です。
その土が酸性の場合、紫陽花の花は青くなります。
逆に、土がアルカリ性や中性だと、赤系の色になるのです。
このことから、紫陽花は酸性以外の土で育てると、赤系の色の花が咲くということになります。
つまり、紫陽花の花は、デフォルトでは赤系の花なんですね。
土の酸性度が高まって、初めて青系の花を咲かせるようになるってことですね。
さて、紫陽花の花の色の違いは、土の性質で差が出ることがわかりました。
ここで疑問。
どうして酸性だと青い花になるのか?
それについては、次の項目で説明します。
■なぜ酸性だと紫陽花が青くなるの?
中性やアルカリ性の土の場合、紫陽花の花の色に影響はなく、赤い花を咲かせます。
しかし、酸性の土の場合、土の中に含まれるアルミニウム※が土の酸の影響を受けて溶け出している状態になるのです。
※全ての土の中には、微量ですがアルミニウムが含まれています。
その溶け出したアルミニウムを、紫陽花が養分や水分と一緒に根っこから吸収してしまうんですね。
実は、紫陽花の花が赤いのは、花びらにアントシアニンという赤系の色をした色素があるからです。
このアントシアニンが、根っこから吸収されて取り込まれたアルミニウムと化学反応を起こして結合します。
アントシアニンは、アルミニウムと結合すると青くなる性質があるのです。
その結果、青い紫陽花の花が咲くのです。
故に、酸性の土の場合、紫陽花の花は青くなるのです。
■青系の紫陽花が多いワケ
実は、紫陽花の花は、素の赤系よりも青系の方が多いのです。
一体なぜなのか?
それは、
日本は雨が多いから
です。
他の国々と比べて、雨が多い日本の土壌は酸性であることが多いのです。
雨でアルカリ性の成分が、水とともに流れ出てしまうのです。
雨が多い梅雨の時期は、なおさらですね。
となると、そこで疑問!
だったら何故、赤系の紫陽花もそこそこ多く咲いているのか?
それは、紫陽花を管理している人が、
“意図的に土の酸性度を下げている”
からです。
土の酸性度が下がれば、必然的に紫陽花は赤い花を咲かせます。
そこで、石灰などのアルカリ性の物質を土に混ぜて土の酸性度を下げるのです。
そうすることで、中性ないし弱アルカリ性の土を意図的に作り出し、紫陽花が赤い花を咲かせるように意図的に仕向けるワケですね。
梅雨の時期の公園などで、赤と青の素晴らしい花のハーモニーを見せてくれる紫陽花。
それには、紫陽花を愛する人間の儚い想いが込められているんですね。
■白い紫陽花の花は?
紫陽花の中には、赤系でも青系でもない、白い紫陽花があります。
なぜ、白い紫陽花が咲くのか?
その答えは“品種改良”です。
白い紫陽花の花は、品種改良によって作られた、アントシアニンを持たないタイプの紫陽花なのです。
確かに、赤い色素のアントシアニンがなければ、土が酸性であろうがなかろうが、青にも赤にもなりませんね。
人間の力は細かいところで偉大ですね。(;´-`)
■紫陽花の花言葉は?
色の違いを調べるついでに、紫陽花の花言葉もチェックしてみました♪
紫陽花の花言葉は以下のとおり。
- 移り気
- 忍耐
- 冷淡
- 元気な女性
- 強い絆
- 高慢
良い意味も悪い意味もありますね。
「移り気」は、
花の色が日にちとともに、だんだん薄くなっていくから。
「忍耐」は、
他の花と比べて長い期間咲くから。
「冷淡」は青い花の色のイメージから。
「元気な女性」は、
長く咲き生命力があるということと、花=女性のイメージの合体から。
「強い絆」は、
多くの小さな花びらで一つの花を形作っているから。
「高慢」は、
青い花のイメージ「冷淡」が派生してついたイメージ。
こんなところですね。
花言葉は、複数あったとしても、それぞれが近いイメージのものがつけられているのが普通です。
しかし、紫陽花に関しては、真逆のイメージの言葉がつけられていて感慨深いですね。
■まとめ
- 赤と青の紫陽花の色の違いは
土が酸性かアルカリ性かで決まる
- 紫陽花は元々赤い花
- 紫陽花が青くなるのは
花の中のアントシアニンに
土の養分に含まれるアルミニウムが結合するから
- 白い紫陽花は品種改良で
元々アントシアニンがない花
- 紫陽花の花言葉は
移り気 忍耐 冷淡
元気な女性 強い絆 高慢
こんなところですね。
こうしてチェックしてみると、花の色の決まり方や花言葉に着目するのも、そこそこ面白いですね。
知識欲が刺激されて、かなり満足できました♪
では、今回はこの辺で。
■関連項目