非常口の緑色の人には、実は名前がある。

ビルなどの大きな建物の非常口や、
大きな駅の地下通路などでよく見かける“非常口”と書かれた緑の標識について。

↓こういうの

この標識、真ん中にがいますよね?

この非常口の標識の人、実は名前があるのです!

「え?誰?」
「名前なんてあるんだ!」
「単なる絵だと思ってた」

と思う方が多いと思います。

単なる標識の一部である、このドアから出ていく人物に名前があるなんて、聞いただけでも驚きですよね?

じゃあ、名前はなんていうのか?

答えは“ ピクトさん ”。

この人は、標識の制作業界では“ピクトさん”と呼ばれているのです。

■ピクトさんの名前の由来

「ピクトさん?じゃあ、外国の人がモデルなの?」

と思う人もいるかもしれませんね?

確かに英語っぽい名前ではありますが、外国人をモデルにしたわけじゃありません。

この名前の“ピクト”とは、実はピクトグラムという言葉に由来します。

ピクトグラムとは、文字の代わりにを使って何らかの情報警告を示すための視覚記号のことを言います。

例えば、公衆トイレの男女のマーク、車いすのサイン、道路標識の右折(左折)禁止や侵入禁止など、身近なところに多くのピクトグラムがあります。

また、ピクトグラムは、国や言語の壁を超えて情報を視覚的に伝達できる手段として、国際レベルで用いられている重要なコミュニケーション方法です。

ドミニカ共和国の非常口の標識↓

非常口の標識の人物は、ピストグラムとして描かれた人物であるため、“ ピクトさん ”と名付けられたのです。

■ピクトさんの名付け親

非常口の人物をピクトさんと名付けたのは、当時の著作家の内海慶一氏です。

2003年に内海氏は、「日本ピクトさん学会」という組織的なものを立ち上げてしまう程、感銘を受けたそうです。

もちろん、学会の会長は内海氏です。

公式サイトはこちらから。

■非常口の標識は国際規格

ピクトさんという名前はともかく、緑色の非常口の標識は、実はISO(国際標準化機構)によって規格が定められています。

非常口のISO規格が定められたのは1987年と、意外と歴史があるのです。

デザインは日本人のものが選ばれました。

公募で集まった約3000点の中から、太田幸夫氏、小谷松敏文氏らの案が採用されたそうです。

誰が見ても非常口または出口と分かるデザインと色は秀逸ですよね!

内海氏が感銘を受けたのも分かる気がします。

また、日本では、非常口を示す文字やピクトグラムのデザインは、ISOの規格と同様に、総務省消防庁の消防法施行規則に基づく「誘導灯及び誘導標識の基準」で定められています。

多くのテナントが入る巨大なビルや駅の地下街など、不特定多数の人の出入りがある建物内には、必ず非常口と避難ルートを構築し、基準に基づいた非常口の標識を分かりやすい場所に設置・表示する義務があるそうです。

■何故グリーンなの?

非常口の標識の色は何故グリーンなのか?

実はグリーンの反対の色(補色 ほしょく)だからです。

赤には火災や災害など非常事態のイメージがあり、その反対の色のグリーンを使うことで、視覚的に安全性アピールしているのです。

それ故に、非常口の標識の色はグリーンに定められているのです。

なるほど納得ですね!

普段見慣れている非常口の標識ですが、
調べてみると、色んな情報やエピソードが詰まっていることがわかりました。

それにしても、ピクトさんとは、実に可愛らしいネーミングセンスですね♪

あなたも、非常口の標識を見かけることがあったら、いつも無言のメッセージを見る人に投げかけているピクトさんのことを思いだしてくださいね。

名前を忘れたら、またここに来て覚えていってくださいな。(笑)

では、今回はこの辺で。

 

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