お盆の時期に行う法事で、最もポピュラーな行事はお墓参りですよね。
その際にお墓を掃除するのは当然のこと。
お盆にあの世から帰って来るご先祖様を敬い、キレイなお墓でお迎えするという意味で、お墓の掃除は大事なことです。
しかしながら、実は間違った方法でお墓を掃除をしている人がとても多いのです。
そこで今回は、お墓の正しい掃除方法をご紹介します。
皆様の参考になれば幸いです。
■準備するもの
準備するものは以下のとおりです。
- 雑巾2枚(新品を準備)
- 歯ブラシ1~2本(新品を準備)
- 手桶(水桶)
(大抵は墓地で借りれます。バケツでも可。)
- タオル1枚
(掃除で濡れた手を拭くためのもの。)
こんなところですね。
雑巾と歯ブラシは、必ず新品を用意しましょう。
使い古しの雑巾や歯ブラシをお墓掃除に使うのは、ご先祖様に対して失礼にあたるので×です。
また、線香やお花・お供え物などは、掃除が終わった後に使うモノなので、準備するものの中からは省きました。
また、洗剤やタワシなどの掃除専用具は要りません。
後で詳しく解説しますが、洗剤をかけたり、墓石をタワシでこすると、墓石のコーティングが落ちたり、墓石に細かい傷がついてしまいます。
(墓石のシミ汚れや苔が生える原因になる。)
なので、洗剤やタワシの使用は厳禁です。
■お墓の正しい掃除方法(手順)
- 雑巾を水入りの桶につけて、水分をしぼります。
- 石碑(名前の入ったメインの墓石)のてっぺんから、順番に下へと丁寧に雑巾で水拭きしていきます。
下の図の①②③の順に拭いていきます。
(注意!墓石に水を直接大量にかけてはダメです!)
- 雑巾が汚れたら、桶で洗って、また同じように続きから水拭きします。
- 名前の掘られた部分は、
歯ブラシを使って汚れをかき出します。
(雑巾と組み合わせて汚れをふき取ると効果的です。)
- 石碑をキレイにしたら、同じように、水鉢や花立・香炉などもキレイに水拭きます。
上の図の④⑤⑥です。
(⑥の香炉や⑤の花立は外側だけキレイにすればOKです。)
- 一通り汚れを拭きとったら、
もう一枚の使ってない雑巾で墓石を乾拭きします。
(残っている汚れや水分を拭きとる感じです。)
以上、こんなところですね。
お掃除のポイントは、ズバリ、
- 墓石に直接水を大量にかけない
ところにあります。
墓石に直接水を大量にかけてしまうと、拝石の下のカロート(骨壺を入れる場所)にまで水がしみ込んでしまい、骨壺にカビが生えてしまう可能性があります。
なので、墓石に直接水をたくさんかけるのはやめましょう。
なお、お墓の種類・規模や宗派によっては、石碑や水鉢・香炉の他に、
- 石灯篭
- 墓誌
(故人の戒名や生年月日・没年などが掘られた石) - 塔婆立
(卒塔婆を立てるための石)
などの装飾石が飾られていることがあります。
その場合は、それらの装飾品も併せて、墓石を掃除する必要があります。
■【注意!】墓石はタワシや洗剤で洗うな!
準備するものの項目で少し触れましたが、
墓石はタワシや洗剤で洗ってはいけません。
なぜなら、最近の墓石にはコーティングがされているのです。
このコーティングは、墓石が風雨に晒されたりして、自然の汚れがついたり、墓石自体が劣化するのを防いでくれます。
しかし、タワシや洗剤でゴシゴシこすって墓石を洗うと、コーティングが取れてしまうだけでなく、墓石にシミ汚れが出来たり、小さな傷までついてしまうのです。
また、小さな傷にカビやコケが張り付いて育ち、
「次の年に墓参りに来てみたらコケだらけになっていた!」
なんてことになりかねません。
なので、雑巾などの布でコーティングが取れない程度に汚れを優しく拭き取るのが一番なのです。
ちなみに、墓石専用の洗剤もあります。
どうしても墓石を洗剤でキレイにしたかったら、墓石専用の洗剤を使うといいでしょう。
これなら、墓石のコーティングをはがすようなことなく、墓石をキレイに洗うことができます。
とにかく、タワシのような、墓石に傷をつけるような道具だけは使ってはいけません!
■まとめ
- 準備するものは、
雑巾2枚・歯ブラシ1~2本・手桶・タオル1枚
(雑巾と歯ブラシは新品を用意する。手桶は現地で借りれる。)
- 墓石を洗う際は、墓石に直接水を大量にかけるな!
(水が骨壺にまで浸透し、カビが生える可能性あり!)
- 墓石は水をつけた雑巾で丁寧に汚れを拭き取り、
残った水分を乾いた雑巾で拭き取る。
- 墓石を洗う時は、
タワシや洗剤で強くこすってはいけない!
(墓石のコーティングが落ち、墓石に傷がつく。)
(墓石にシミ汚れやカビ・コケが生える原因になる。)
- 墓石専用の洗剤なら使っても良い。
(コーティングがはがれにくく墓石も傷つかない。)
以上、こんなところですね。
お墓の掃除は、ご先祖様への感謝の気持ちです。
例えば、自分の部屋や家をキレイに掃除してもらえたら、すごく嬉しいでしょう?
お墓も、それと同じことなのです。
逆に、掃除してくれたとしても、自分の家や部屋を水でべたべたにされたり、壁を傷つけられたり、物を壊されたりしたら嫌でしょう?
お墓も、それと同じことなのです。
くれぐれも、墓石を傷つけないように、優しい気持ちでキレイにしてあげましょうね。(=´▽`=)
では、今回はこの辺で。
■関連項目