これらの行事は、お盆の期間の始めと終わりに行う儀式です。
迎え火と送り火はいつ行うのか?
一般的には、
- 迎え火=8月13日の午前中
- 送り火=8月16日の夕方ごろ
に行います。
具体的なやり方は、次の項目で解説します。
■迎え火と送り火の具体的なやり方
◆まず準備するもの
- オガラ(麻の木の芯)
- 焙烙(ほうろく)=オガラを乗せるお皿
専用のものが無ければ、市販の小さな素焼きのお皿でOKです。
- 火種(ひだね)
本来は、火種はお寺さんからもらいますが、マッチやライターなどで自分で火をつけてもOKです。現在は、ほとんどの人がそうしていると思います。
いずれも、お盆の時期が近付けば、近所のスーパーやホームセンター、花屋さんなどで売り出されるので、その時に買えばOKです。
◆迎え火の具体的なやり方
- 13日の午前中に、玄関先で、
- 焙烙(お皿)にオガラを乗せる。
- オガラに火をつける。
(火がつきにくい場合は、紙などの燃えやすいものをオガラに混ぜて火をつけるといいでしょう。) - 黙とうする。
(時間は1分弱程度でOKです。) - 水をかけて火を消す。
(オガラが燃え尽きるまで放置してからでもOKです。)
◆送り火の具体的なやり方
- 16日の夕方に、玄関先で、
- 焙烙(お皿)にオガラを乗せる。
- オガラに火をつける。
(火がつきにくい場合は、紙などの燃えやすいものをオガラに混ぜて火をつけるといいでしょう。) - 黙とうする。
(時間は1分弱程度でOKです。) - 水をかけて火を消す。
(オガラが燃え尽きるまで放置してからでもOKです。)
以上、こんなところですね。
基本的に、迎え火と送り火のやり方は同じです。
違うのは、行う日にちと時間帯だけです。
ただし、地域や宗派によってはもっとやり方が複雑で、上記とやり方が異なる場合があります。
中には、迎え火や送り火を焚いた際に、灰になったオガラの上をまたぐという習慣もあります。
またぐことで、来年までの無病息災を願うそうです。
またぎ方は、玄関から外に向かって3回またぐそうです。
いろいろとあるんですね~。
■なぜ8月13日と16日に行うのか?
現在定着している8月のお盆は、新盆と言います。
実は旧暦では、お盆の期間は7月13日~7月16日で、迎え火と送り火は、それぞれ7月13日と7月16日に行われていました。
ところが、1872年(明治5年)に、日本の暦が旧暦から新暦に変わりました。
その際に、旧暦で行われていたお盆の行事も、新暦に合わせて日にちをズラしたのです。
というワケで、現在のお盆の期間は8月13日~8月16日で、迎え火は8月13日、送り火は8月16日に行われるようになったのです。
ちなみに、今でも地域によっては、旧暦のお盆の期間に迎え火と送り火をおこなうところがあります。
旧暦の風習が今でも残っているところがあるのです。
■迎え火と送り火の目的
送り火と迎え火は、
- 迎え火=ご先祖様や故人の霊を自宅へお迎えする儀式。
- 送り火=ご先祖様や故人の霊をあの世へ無事に送り出す儀式。
という目的があります。
迎え火でお迎えした霊を、お盆の期間中、お供え物でもてなします。
で、お盆の終わりの日の夕方に、送り火で帰っていただくというワケです。
つまり、お盆の行事は、
“霊的な意味での親戚の集まるイベント”
と思ってもらってOKだと思います。
現代では、生活様式における様々な分野で文明が進んでいるため、迎え火や送り火などの日本古来の習慣が少しずつ廃れてきています。
せめて、お盆くらいは、日本古来の習慣を守っていきたいものですね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目