プレゼントの大きさにもよりますが、クリスマスプレゼントを靴下に入れる習慣がありましたよね?
でも、そもそも、
なぜクリスマスプレゼントを靴下に入れたのか?
気になりませんか?
その理由は、ズバリ、
干してあった靴下に金貨が入ったエピソードがあった
からです。
そう、まだ金貨があった時代なので、かなり古い時代のエピソードが理由になっているんですね。
そのエピソードの主役は、
“聖・ニコラウス”
という実在した人物で、サンタクロースという名前の由来になった人です。
彼は、4世紀ごろのキリスト教の司教であり、当時の小アジア(トルコ)で生まれ、成人後に司教となった彼は、現地でキリスト教の布教活動を行っていました。
ある時、彼の教区で、没落した商人が非常に貧しい生活をおくっていることを知りました。
あまりに貧しいので、三人の娘たちを嫁に出す時の支度金を用意できず、結婚もままならない状態でした。
仕方なく、商人は自分の娘を売り飛ばすことを考える程でした。
そこで聖・ニコラウスは、夜中にコッソリと商人の家の窓(煙突という説もあり)から金貨を投げ入れたのです。
その時、偶然にも、投げ入れた金貨が、家の中に干してあった靴下の中に入ったのです!
翌日、靴下をはいた商人が、中に入っていた金貨を見つけて、大いに喜びました。
それから、金貨が再び商人の家に放り込まれました。
金貨のおかげで、商人は貧しさから解放され、娘も無事に嫁に出すことができました。
しかし商人は、一体誰が金貨をくれたのか気になっていたため、見張っていたのです。
そして、3度目の金貨が放り込まれた時、商人は聖・ニコラウスを見つけ、涙を流しながら土下座をして感謝したそうです。
以上のエピソードが時代を経て変化し、サンタクロースがクリスマスプレゼントを靴下に入れる理由(由来)になっているワケですね。
ちなみに、このエピソードは、14世紀ごろのイタリア・ゴシック期の画家ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノによって、絵画として描かれています。
聖・ニコラウスは空中浮遊が出来たんでしょうか?(笑)
とにかく、この絵では、窓から金貨を投げ入れてますね。
ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノさんは、煙突説は信じなかったようですね。
(単に知らなかっただけかもしれませんが…。)
なお、靴下にプレゼントを入れる習慣は、1955年(昭和30年)頃から始まったと言われています。
元になったエピソードは1700年以上前の話ですが、靴下にプレゼントを入れる習慣自体は、日本では昭和中期ごろという、近年の時代のものだったんですね。
余談ですが、日本でクリスマスを祝うようになった火付け役は、1966年(昭和41年)に放送された「奥さまは魔女」というアメリカのホームドラマです。
このドラマは、放送当時、日本で爆発的な人気を誇っていたため、微笑ましいクリスマスを祝うシーンも着目され、皆が真似るようになったのです。
クリスマスツリーを飾り、大きなプレゼントを準備し、靴下に小さなプレゼントを入れたりすることが、日常的に行われるようになったのです。
当時の娯楽がTV放送くらいしか無かったとはいえ、ドラマの力は偉大ですね~。(笑)
いや、むしろ、テレビ放送の力と言うべきでしょうか。
何しろ、ひとつの社会に文化的な風潮を生み出して、それを長期にわたって定着させてしまったほどですから…。
こんなところですね。
さて今回は、クリスマスに飾られる靴下にプレゼントを入れる理由についてチェックしてみました。
クリスマスシーズンに何気なく飾られている赤白の靴下には、あんな素晴らしいエピソードが隠されていたんですね。
いい勉強になりました♪
現代の日本では、靴下にプレゼントを入れること自体が廃れているようですね。
実際問題として、「入れるの面倒」「そもそもプレゼントが入る大きさじゃない」などの理由がありますので。
(サンタの靴下の形をした袋にお菓子などのプレゼントが入った商品はあります。)
では、今回はこの辺で。
■関連項目