クリスマスにプレゼントをくれるサンタクロース。
その名前は、恐らく世界中で最も知られている名前のひとつだと思います。
でも、そのサンタクロースさんの名前の由来ってご存知ですか?
実は、サンタさんの名前は、オランダの民間伝承に登場する、
“シンタクラース”(Sinterklaas)
という人物名から来ています。
シンタクラースはオランダ語発音なので、英語では“サンタクロース”という読み方になります。
単に、オランダ語か英語かの違いですね。
そして、そのシンタクラースの元になったと言われる人物がいます。
それはズバリ、“聖・ニコラウス”という人物です。
↓この人です。
この方は、過去に実在した人物で、3世紀(西暦270年)頃のローマ帝国リュキア属州のパタラの町出身の男性。
後にリキュアのミラという町で大司教(大主教)を務めたため、「ミラのニコラウス」と呼ばれていました。
また、西暦1087年に、彼の亡骸(聖遺物)がイタリアのバーリに移されたため、「バーリのニコラウス」とも呼ばれています。
「靴下にクリスマスプレゼントを入れる」という風習の元になったエピソードがあった人物なのです。
英国オックスフォード大学の研究者らが、聖・ニコラオスのものとされる遺骨の年代測定を行ったところ、死亡時期がサンタクロース伝説と一致したと報道されています。※
(※AFP●BBnews)
■ニコラウスの表記の違い
聖・ニコラウスの素晴らしいエピソードは、教会を通じてヨーロッパ全土やロシア方面に広がり、聖・ニコラウスの名前は有名になりました。
もちろん、国によって言語が違うので、国によっては、ニコラウスの名前の呼び方が変わります。
- 英語 – ニコラス(Nicholas)
- オランダ語 – ニコラース(Nicolaas)
- ギリシア語 – ニコラオス(Νικόλαος)
- ラテン語・ドイツ語 – ニコラウス(Nicolaus, Nikolaus)
- イタリア語・フランス語・セルビア語 – ニコラ(Nicola, Nicolas, Nikola)
- イタリア語 – ニコロ(Nicolò, Niccolò)
- スペイン語 – ニコラス(Nicolás)
- ポーランド語 – ミコワイ(Mikołaj)
- チェコ語 – ミクラーシュ(Mikuláš)
- リトアニア語 – ミカロユス(Mikalojus)
- ロシア語・ブルガリア語 – ニコライ(Николай)
- ウクライナ語 – ミコライ、ムィコライ(Миколай)
- トルコ語 – ニコラオス(Nikolaos)
(出典:Wikipedia)
ちなみに、聖・ニコラウスの“聖”は、英語だとsaint(セイント)ですが、オランダ語だと“Sint(シントゥ)”と書きます。
聖・ニコラウスの名前をオランダ語表記にすると、“Sint-Nicolaas(シントゥ・ニコラース)”となります。
つまり、オランダのシンタクラース(Sinterklaas)は、この“Sint-Nicolaas(シントゥ・ニコラース)”の呼び方が、時代を経て変化したものと考えることができます。
以下、私的考察。
シントゥ・ニコラース
↓
シントニコラース
(続けて読むことで“ゥ”の長母音が省略)
↓
シントコラース
(“ニ”が省略)
↓
シンタコラース
(ヨーロッパ間での言語の影響で“ト”が“タ”に変化)
↓
シンタクラース
(同じ理由で“コ”が“ク”に変化)
こんなところですね。
個人的には、ヨーロッパ間の言語の流通によって発音が少しずつ変わっていったんじゃないかと考えています。
まあ、呼び方に関しては諸説あるそうですので、その旨、ご了承願います。
とにかく、サンタクロースの名前の由来はオランダのシンタクラースであり、その元になっている人物は「聖・ニコラウス」ということです。
それだけは覚えておいてくださいね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目