■喫茶店の日ってどんな日?
喫茶店の日は、1888年(明治21年)4月13日、東京・下谷上野西黒門町に日本初のコーヒー専門店「可否茶館」(かひさかん)が開店したことにちなんで出来た記念日です。
当時のこの店のコーヒーは、1杯が1銭5厘だったそうです。
(1銭=0.01円 1厘=0.1銭 1円=100銭=1000厘)
1銭5里は、現代の価値に換算すると250円くらい。
明治時代の一般的な月収は9円前後(900銭)、つまり、現代の価値に換算すると18万円くらいなので、少し高い飲み物だったようですね。
ちなみに、コーヒーの販売自体は、1878年の神戸元町の茶商「放香堂(ほうこうどう)」が日本初とされています。
(現在でも存在する茶商です。)
可否茶館は、あくまでも「『コーヒー専門店』としては日本初」という位置づけですね。
なお、日本初の喫茶店は、江戸時代の1735年(享保20年)に、京都東山に売茶翁(ばいさおう)※が開いた煎茶の茶亭「通仙亭」だそうです。
(※江戸時代の僧侶で、還俗後に高遊外とも名乗った。)
もちろん、飲めたのは煎茶で、コーヒーではありません。(笑)
■提唱・制定者は?
喫茶店の日の制定者は不明です。
■日付の理由は?
日付の理由は前述のとおりです。
■日本記念日協会に登録されているの?
喫茶店の日は、日本記念日協会に認定・登録されていません。
■喫茶店に関するメモ
- 日本初の喫茶店は「通仙亭」。
(1735年(享保20年)) - 日本初のコーヒー専門店は「可否茶館」(かひさかん)。
(1888年(明治21年)4月13日~1892年倒産) - 1910年代は西洋のカフェをイメージした洋風喫茶店が流行。
- 1920年代は喫茶店ブーム。
女性による給仕がメインのキャバレー的な風俗喫茶店「カフェー」と、飲食がメインの「純喫茶」に分かれた。 - 「純喫茶」とは、「カフェー」の比較対象としての言葉。
- 太平洋戦争終結から2年後、1947年(昭和22年)ごろから日本で喫茶店が復活し始めた。
(終戦直後は都市部が荒廃していたため、都市基盤の復興が重要視されていた。) - 1950年代はジャズ喫茶など音楽を取り入れた喫茶店が流行。
(レコード喫茶、歌声喫茶、ゴーゴー喫茶、ロカビリー喫茶などが登場。これが後の「ディスコ」「クラブ」の元になった。) - 1960年代末期~1970年代に「純喫茶」ブーム。
店主が自ら作るこだわりのコーヒーが売りのコーヒー店が各地に誕生。
(このスタイルは、現代のカフェにも引き継がれている。バリスタ認定試験を受ける人もいる。) - 1970年代、ゲーム喫茶誕生。
(アーケードゲームのスペースインベーダーなどのゲーム機体を喫茶店内に設置) - 1970年ごろ、日本初の漫画喫茶誕生。
(名古屋市名東区の漫画喫茶「ザ・マガジン」。時間制料金。) - 1995年、インターネットカフェが登場。
- 2000年代~現代は、個人経営の喫茶店が減少傾向にある。
(コンビニの安価コーヒー販売、大手チェーン店のカフェの登場などが原因。)
こんなところですね。
現代では、喫茶店は待ち合わせ場所であり、飲食を楽しむ憩いの場でもあります。
そういえば、個人経営の店を見かけることがほとんどなくなりましたね。
街に出かけても、入る喫茶店は大手チェーン店(スタバ、コメダ、ドトールなど)がほとんど。
それぞれに良さがありますし、そこに行けば満足してしまうので、よほどの人気メニューでもない限り、個人経営の喫茶店に行くことはありませんね。
もちろん、立地条件にもよりますが…。
(あまりに遠いと行く気になれません。)
では、今回はこの辺で。
■関連項目