小中高を通して、学校の音楽室には共通点があります。
その一つが、
音楽家の肖像画が飾ってある
という点ですね。
ベートーベンをはじめ、バッハ、シューベルト、ドヴォルザーク、モーツァルト、メンデルスゾーンなど、色んなクラッシック音楽家の肖像画が飾ってありますよね。
何故、音楽室には音楽家の肖像画が飾ってあるのか?
その答えはズバリ、
楽器のオマケでついてきたから
です!
「えっ?!オマケだったの??」
「それホント?!?!」
と、多くの方が思うと思います。
嘘やネタのように思えますが、これは、本当のことなんです。
実は、音楽室の肖像画を初めて出版したのは、1955年(昭和30年)頃の株式会社全音楽譜出版社。
当時は音楽の楽譜の出版を主に手掛けていた会社でしたが、新規の事業として学校に楽器を販売することに着手していました。
しかし、当時の楽器の販売に関しては後発組だったため、他の楽器販売の事業者から販売において遅れをとっていました。
当時の社長である島田貞ニ氏は、何とかならないものかと試行錯誤し、ついに起死回生のアイデアを思いつきました。
それこそが、
「楽器を買ってくれたお客様に、オマケとしてクラッシック音楽家の肖像画が入ったカレンダーを配布しよう!」
というサービスのアイデアだったのです。
その肖像画の第一弾は有名なベートーベン。
この人です↓
有名なベートーベンの肖像画が入ったカレンダーは大いにウケました。
特に、楽器の購入者は学校が多かったため、多くの肖像画入りカレンダーが多くの学校に出回ったのです。
で、カレンダーとしての役割を終えた後も、肖像画だけ切り取って音楽室の壁に飾るようになりました。
その後も、有名な音楽家の肖像画のカレンダーを次々とオマケでプレゼントしていました。
そのため、音楽室には多くの肖像画が飾られるようになったのです。
それが当たり前になってきた頃、1967年(昭和42)に、当時の文部省(現 文部科学省)が教材基準の整備を行いました。
その際に、音楽室にクラッシック音楽家の肖像画を飾ることも“基準”として含まれました。
それ以来、日本の全国の小中高の学校の音楽室には、音楽家の肖像画が飾られるようになったのです。
“オマケでもらった肖像画を飾る”
という学校の慣習が、そのまま学校教育の基準のひとつになったんですね!
実に面白い話でした。
小学生の頃、音楽室の妙にリアルな肖像画に子供心に違和感を覚えながらも授業を受けた記憶があります。
その違和感も、ようやく解消されました。(笑)
では、今回はこの辺で。
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