エイプリルフールは日本で言うと四月バカ。
今や知らない人はいないと思いますが…
一年で唯一、
「嘘をついていい日」
ということになっています。
もちろん、常識の範囲内で。
そういう特別な日なので、
大勢の人が様々なジョークやネタを使って人を騙してからかいます。
あなたも身に覚えがある筈です(笑)
今回は、そんなエイプリルフールについて、
- なぜ4月1日なのか?
- なぜ嘘をついて騙すようになったのか?
など、エイプリルフール(4月バカ)の起源について色々とチェックしてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■4月1日になった理由
エイプリルフールが4月1日になった理由は、
1年の始まりの日が1月1日になったから
です。
元々、4月1日はエイプリルフールの日ではなく、キリストの復活祭の期間中(3月下旬~4月下旬)のキリの良い日であり、1年の始まりの日でもあったのです。
ところが、16世紀のフランスのヴァロア朝時代に、当時のフランス国王のシャルル9世(生1550~没1574)が、
「1年の始まりの日を1月1日に統一する。」
と言い出したのです。
この人です↓
そんなことを言い出した背景には、以下のような流れがありました。
- 紀元前1世紀ごろの古代ローマで
1年の始まりの日を1月1日に制定。
↓ - 9世紀ごろのローマのカトリック教会が
1年の始まりの日をキリスト教の祝日に制定。
(キリスト教の勢力が非常に高まった時代。)
↓ - フランスはキリスト教の信仰国だったため、それを実行。
↓ - しかし、キリスト教の祝日は複数ある。
そのため、フランス国内の地域によって、12月25日(クリスマス)、4月1日(復活祭の期間中のキリの良い日)、3月25日(聖母マリアのキリスト受胎告知の日)など、1年の始まりの日がバラバラな状態になってしまった。
↓ - そんなバラバラの状態が500年以上も続いたため、時のフランス国王であるシャルル9世が元々の1月1日に戻して統一しようということにした。
以上の理由で、1年の始まりの日は1月1日に統一されたのです。
しかし、500年以上も続いた1年の始まりの日を、急に1月1日に統一されても、ついていけない人たちがいました。
当時は現代のようなインターネットは無く、情報伝達経路の大半が口伝や御触れであったため、地方の地域に住む人たちの中には、1年の始まりの日が1月1日になったことを知らないまま暮らしている人たちも大勢いたのです。
また、知っても頑なに“キリスト教の祝日”を1年の始まりの日として暮らす人たちもいました。
そんな、時代遅れの人たちを、復活祭や受胎告知の日に近い、キリの良い4月1日にからかうようになったのです。
それこそが「エイプリルフールの起源」というワケです。
■元々は時代遅れの人たちをからかう日だった
元々4月1日は、
1年の始まりの日が変わったことを知らない時代遅れの人たちをバカにしてからかう日でした。
ここでいう“時代遅れの人”とは、
“単に知らなかった人たち”
だけでなく、
“知っていても、昔の1年の始まりの日を守り続ける頑固な人たち”
も指しています。
どちらにしろ、時代の変化についていけない人たちを、4月1日にバカにしてからかっていたのです。
これこそが四月バカの起源ですね。
その、バカにしてからかう過程では、嘘をついて騙すやり方が多かったのです。
たとえば、4月1日に新年の日のプレゼントあげるといって、箱の中に、
「バーカ!新年の最初の日は今日じゃないよ!」
と書かれたメモだけ入れておく、など。
とにかく、4月1日を1年の始まりの日と思っている人を嘘で騙してからかっていたのです。
そのため、嘘をついて騙すという行為自体が独り歩きし、次第に人々に浸透・定着していきました。
そして時代を経た結果、
4月1日の「エイプリルフール」の風習だけが現代まで残ったというワケですね。
■起源は諸説ある
ここまで色々と解説してきましたが…
実はエイプリルフール(四月バカ)の起源は諸説あるそうです。
専門家※の話によると、エイプリルフールの起源を調べれば調べる程、諸説が多く出てくるため、情報が錯綜してしまい、どれが本当なのか分からない状態になってしまうとのこと。
(※早稲田大学教育学部教授(当時)の堀越宏一 氏)
まさしく「エイプリルフール」の状態になってしまうそうです。(笑)
例を一部挙げると、
- 悪魔祓い説
- インドの僧説
- うお座説
- カモメだまされる説
- 古代ローマの祭説
- 魚にだまされた説
(当時のフランスでは「4月1日は漁の解禁日」だが魚が全く釣れないので“だまされた”ということになった。) - 4月の魚(サバ)説
(フランスの「4月はサバが“バカみたいに”たくさん釣れる」という嘘にだまされる。) - 春の天気はきまぐれ説
- ユダの誕生日説
- ユダの命日説
- ロレーヌ地方発祥説
など、挙げるとキリがないそうです。
これじゃあ迷いますよね?
なので、今回いろいろと解説してきた説は、
“有力だけど確実ではない”
“あくまでも説のひとつ”
といったところです。
いろんな説がありますので、
「俺の方が正しい」「あんたが間違ってる」
などとケンカしないようにお願いします。(笑)
■過去に国レベルで行われた嘘
個人的な嘘やジョークにとどまらず、広域(国レベル)で行われた嘘もありました。
ウィットなジョークが光る、ユーモアの本場イギリスでは、かつて、実際に公共放送のBBCにおいて以下のような嘘ニュースが流されました。
“スパゲッティがなる木を発見!(1957年4月1日)”
“空飛ぶ新種のペンギンが南極で発見された!(2008年4月1日)”
スパゲッティのなる木に関しては、実際に問い合わせが殺到したとのこと。
(当時のBBCの担当者は「スパゲッティの小枝をトマトソース缶に差して祈ってください」と答えたらしい。)
また、空飛ぶペンギンの場合は映像(非常に精巧に作られたCG合成映像)が実際に放送され、実際にニュースを見た人は「本物じゃないか?」と勘違いしたそうです。
国レベルでエイプリルフールをやってしまうなんて、なんともまあ、ユーモラスかつ、やることが壮大ですよね。(笑)
空飛ぶペンギンに関しては、当時最先端のCG技術を駆使して作られた映像なので、「時代遅れの人たちをからかう日」というエイプリルフールの元の意味と矛盾しないと思います。
さすがイギリス!
なにはともあれ、
エイプリルフールは嘘やジョークを楽しむ日。
決して“人を騙して陥れてもいい日”ではありません。
法的に許されませんので。
“節度を持った、ユーモラスな嘘”にとどめておきましょうね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目