“つゆ”と“ばいう”
がありますよね?
もしかして、音読みと訓読み…?
…違いますね。
“ばいう”の場合は、単なる漢字の梅雨の音読みですが、“つゆ”という読み方は訓読みではありません。
何故、梅雨と書いて、
“つゆ”と“ばいう”の読み方の違いがあるのか?
今回は、これら二つの読み方の違いについてチェックしてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■“つゆ”と“ばいう”のちがい
梅雨の漢字の読み方は、“つゆ”と“ばいう”の二種類があります。
まあ、どちらの呼び方をしても間違いではありません。
しかし、“つゆ”と呼ぶときは大体梅雨の漢字二文字の時で、“ばいう”と読むときは、梅雨前線という熟語の時が多いですね。
そういう使い方の違いもありますが、実はもっと明確な違いがあるんです。
それはズバリ、
由来の違い
です。
梅雨を“つゆ”と読むのと、“ばいう”と読むのには、それぞれ違った由来があるのです。
それに、梅雨といっても、梅の味や匂いがするわけじゃありません。
なのに、なぜ“梅雨”と書くのか?
つゆとばいうの読み方の違いも含めて、次の項でわかりやすく説明しますね。
■なぜ「梅」と「雨」で“つゆ”なのか?
梅に雨と書いて“つゆ”と呼ぶのには、以下の二つの由来があります。
- 日本歳時記の表記
- 露と潰ゆの語呂合わせ
日本歳時記とは、1688年江戸時代に書かれた書物で、四季12か月で行う祭事や農事などを記録したもの。
その中に、梅雨を“つゆ”と名づけた という記録があります。
ゆえに、それが梅雨(つゆ)の由来だという説ですね。
もう一つの説は、雨の別の呼び方の“露(つゆ)”ですね。
初夏の雨が降る時期は、梅の実が熟して潰れる時期でもあります。
昔は、潰れるという言葉は「潰ゆ」と書いて“つゆ”発音したそうです。
それが露とこじつけられ、
露と潰ゆの語呂合わせで梅雨(つゆ)と呼ぶようになった
という説です。
日本人は昔から、言葉の語呂合わせをよく行う国民性がありますね。
良くも悪くも、同じ発音の言葉同士を
“こじつける”
ことが好きな民族と言えるでしょうね。(笑)
以上二つの説が、梅に雨と書いて“つゆ”と読む由来と言われています。
しかしながら、どちらの説も
信ぴょう性が高いとは言えない
のが現状です。
なぜかというと、梅雨(つゆ)の由来については、まだまだ未解明の部分が多いとされており、専門の学者間では結論が出ていないからなのです。
というワケで、
梅雨(つゆ)の由来とされる
- 日本歳時記の表記
- 露と潰ゆの語呂合わせ
の二つの説も、それぞれが「一説に過ぎない」ということです。
とりあえず、人に訊かれたら、これら二説を言っておけば、まあ問題ないでしょう。
■梅雨を“ばいう”と読む由来
梅雨(つゆ)の呼び方の由来と同じように、梅雨を“ばいう”と呼ぶ説にも、以下の二つの説があります。
- 梅の実が収穫できる時期
- 黴雨(ばいう)※の変化
※黴=カビ
の二つが有力視されています。
春の終わりから初夏の時期は、梅が実を熟す時期なんですよね。
なので、
その時期に降る雨ということで、梅雨(ばいう)という名前がついた
という説。
もう一つの説、黴雨の変化説の場合は、梅雨の長雨の時期は黴(カビ)が生えやすい時期ということで、黴という字に注目します。
黴は、音読みで“ばい”とも読みます。
それゆえに黴雨(ばいう)と呼ぶようになり、それが梅の実が熟す時期の雨と関連して、
梅雨(ばいう)に変化したという説です。
現在のところ、どちらの説も有力視されているので、どちらの説を人に語っても正解です。
あなたが信ぴょう性を感じる方を語ってあげればよいでしょう。(笑)
ちなみに、ばい菌の“ばい”は、黴の“ばい”のこと。
ばい菌=黴菌
のことなのです。
この“黴”は常用漢字じゃなく、書き方も難しい。
そういう理由もあり、いつしか、“ばい菌”というひらがなを使うようになったのです。
単純でわかりやすい表記を使っているワケですね。
なるほど、納得です。(笑)
さて、ここからは余談ですが…カビだろうと細菌だろうと菌は菌。
人間にとって有害になることがあるんですよね。
だからといって、なんでもかんでも消毒殺菌してしまうと、菌に抵抗する必要が無い環境を自ら作ってしまうことになります。
必要以上の消毒殺菌によって、本来身体に備わっていた菌への抵抗力が必要無くなってしまうので、身体の免疫システムが自然に弱体化してしまうのです。
ゆえに、必要以上の殺菌は、人間自身の免疫力そのものが低下する原因になります。
必要以上の過剰な処置で、かえって病気になりやすくなってしまうのです。
過ぎたるは猶(なお)及ばざるが如し
何事も適度が良いってことですね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目