年末、特に大晦日(おおみそか)のことを年の瀬と言いますよね。
何故、年の瀬と言うのか?
その理由はズバリ、
借金の清算で激しく荒れる時期で
一年で最も越えることが難しい時期だったから
です!
「えっ?!借金??」
「年の瀬と借金がどう関係があるの?」
と、思うであろうあなたに、順序立てて解説していきます。(笑)
実は、年の瀬という言葉が使われるようになったのは江戸時代から。
年の瀬の“瀬”とは、川の瀬のこと。
川の瀬とは、
“ 川の流れが速くて急で渡ることが困難なところ ”
を指します。
それを、一年で最も越えることが難しい時期の12月の年末に当てはめて、
“ 年の瀬 ”
と呼ぶようになったのです。
年の瀬の“瀬”は、川の“瀬”の字を当てはめたことが判りました。
しかし、まだ疑問点が残っています。
何故、江戸時代の年末は
年を越えることが最も難しい時期だったのか?
それは、江戸時代の年末、特に大晦日は、
一年間の借金を総決算する日だったから
です。
江戸時代の町人や武士たちは、実はツケで買い物をしていました。
商品を買う時にお金を払わずに、年末に一括で払うという“ツケ払い”が普通だったのです。
商品を売った側は、ツケの人物と代金を帳簿に記録してまとめ、年末に一気に請求していました。
ツケの一年分は非常に高く膨れ上がっていることが多いため、支払う側は請求額の多さにあたふた(じたばた)します。(笑)
当然、お金が足りずに支払うことが出来ない人や、支払い自体を拒む人も出てくるワケです。
そこで、ツケを取り立てる側と取り立てられる側との間に争いが生じます。
つまり12月下旬、特に年末の大晦日は、借金清算の攻防が激しく行われる時期だったのです。
ツケを払いきれない人はどうなったのか?
- 家、家財道具、年頃の娘などを借金のカタとして取られた。
- 今払える分だけを清算し、残りを高額な利子で次のお盆までに返した。
- とりあえず夜逃げした。
などといったことで先延ばしにして凌いだようです。
ちなみに、時代劇などで見られるヤクザまがいの借金の取り立て屋は、こういった事情から生まれたのです。
大晦日を越えたとしても、ツケを全額支払わない限り、先延ばしになるだけで借金は無くならないのです。
以上が、年末を年の瀬という理由です。
いかがでしたでしょうか?
江戸時代における、様々な借金の清算にまつわるエピソード。
そこから生まれた言葉が、今日まで残っているんですね。
現代でもよく聞く借金時のフレーズ
「ご利用は計画的に」
は、まさに時代を超えて培われた名フレーズというワケですね。(笑)
では、今回はこの辺で。
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