一見、どちらも同じ緑茶と思われますが、
これら二つのお茶の違いってわかりますか?
実は意外な違いがあります。
といっても、“字が違う”とか“値段が安いか低いか”などという、
誰でもわかるような違いのことではありません。(笑)
今回は、緑茶と玉露の違いと、
使用されている茶葉などについて記載しました。
皆様の参考になれば幸いです。
■緑茶と玉露の意外な違い
緑茶と玉露の違いはズバリ、
栽培方法です!
「え?違う種類の植物を使ってるからじゃないの?」
と思った人も結構いると思いますが、実は、緑茶と玉露に使われる植物は同じで、カメリアシネンシスという植物の葉っぱから作られます。
緑茶の場合は、時期が来るとそのまま収穫されますが、玉露の場合、収穫の約20日前から、黒い幕で葉っぱを覆うのです。
葉っぱを覆うことで日光を遮ると、玉露用の葉っぱとして収穫できるのです。
つまり、緑茶よりもひと手間かかっているワケですね。
それが、値段の違いに出てきます。
でも、玉露が高い理由はそれだけじゃありません!
味にも違いが出るんです。
なぜ、味にも違いが出るのかは、次の項目で解説します。
■何故味の違いができるのか?
前の項目で、玉露は黒い幕で覆うことで日光を遮って作られることがわかりました。
では何故、日光を遮ると
緑茶と玉露の味の違いができるのか?
それは、日光を遮ることで、お茶の葉の本来の味が変化しなくなるからです。
実は、お茶の葉っぱにはテアニンと呼ばれる旨味成分(ほんのり甘い味)が含まれています。
しかし、テアニンは長期間直射日光に当たると、葉っぱの中でカテキン(渋い味)に変化します。
緑茶は、収穫まで日光に晒されているため、テアニンの大部分がカテキンに変化した状態で収穫されます。
一方、玉露の場合は、収穫までの20日間、黒い幕で直射日光を遮られるため、テアニンが緑茶よりも多く残っています。
黒い幕は、直射日光に含まれる紫外線を吸収しやすいため、普通の幕よりも効果が高いのです。
だから、玉露は緑茶よりも口当たりが良いのです。
以上の理由で、緑茶は安くて渋みが強く、玉露は高くて口当たりが良いという違いができるワケですね。
日本茶を飲みなれていない外国人の方には、緑茶と玉露の味の違いまではわからないかもしれません。
しかし、前述の通り、手間と味の違いがあるからこそ、玉露は緑茶よりも価格が高いのです。
この記事を読んでもらって、
そのあたりを理解してもらえれたらいいですね。
■緑茶に含まれるカテキンでガン予防
緑茶に含まれているカテキンは、味は渋いものの、健康番組などでも紹介されているように、様々な健康効果があることが発見されています。
代表的な健康効果は以下のとおり。
- 高血圧予防
- 肥満予防
- 抗酸化作用
- 虫歯予防
- がん予防
- 消臭効果
- 整腸作用
- アレルギー予防
- 血糖値上昇抑制
- 認知症予防
中でも、がん予防の効果もあることが発見されて注目されている成分です。
国立がん研究センターの調査によると、毎日5杯以上の緑茶を飲んでいる人は、そうでない人よりも、
- 胃がんになる確率が約21%も低い
- 前立腺がんになる確率が約11%も低い
ことが報告されています。
なぜ、カテキンががん細胞に効くのか?
それは、カテキンががん細胞に触れると、がん細胞が自滅するからです。
(カテキンの成分が、がん細胞の自滅のシグナルとなるらしい。)
がん死亡率が低い市区町村の中に、お茶の名産地である静岡県の掛川市、藤枝市、磐田市などが含まれていることでもわかりますね。
でも、毎日5杯飲むとしても、いつ飲めば効果的なのか?
それを知りたいところですよね。
答えはズバリ、食後です。
食後は、活性酸素が多く体内に発生します。
活性酸素はがん発生の原因の一つです。
緑茶には抗酸化作用があり、がん発生の原因の活性酸素をかなり減らしてくれます。
なので、食後に緑茶を飲めば、そのままがん予防につながるというワケですね♪
渋くても身体に良いのが緑茶。
「良薬は口に苦し」という諺(ことわざ)がありますが、緑茶はまさに、その諺どおりということになりますね。
■実は7種のお茶は全部同じ葉っぱだった!
今やコンビニやスーパーで普通に売られている
以下のお茶、
- 緑茶
- ウーロン茶
- 紅茶
- ほうじ茶
- 玄米茶
- ジャスミン茶
- プーアル茶
実は、これらのお茶は全て、
同じお茶の木から作られています!!
「え?違う植物じゃないの?!」
と思う人がほとんどだと思いますが、実は、原料のお茶の木は同じなんです。
そう、前の文章でチョロッと出ましたが、カメリアシネンシスという植物の葉っぱから作られます。
じゃあ、なぜ味や風味に違いがあるのか?
その答えは、発酵時間と加工の2点が違うからです。
◆発酵時間によって味が変わるお茶
- 緑茶
(発酵無し) - ウーロン茶
(約12時間発酵させる) - 紅茶
(約13~18時間発酵させる) - プーアル茶
(約1~2ヶ月間こうじ菌で発酵させた後、1~2年熟成させる)
(緑茶はそもそも発酵させないのですが、発酵時間0ということで例に挙げました。)
◆加工によって味が変わるお茶
- ほうじ茶
(ほうじ機を使って200℃で炒る) - 玄米茶
(緑茶の中に炒った玄米を入れて加工する)
- ジャスミン茶
(緑茶とジャスミンの花を交互に重ねて香りをつける)
(香りをつけたらジャスミンの花だけをとる)
- プーアル茶
(発酵させた後、1~2年熟成させる)
発酵時間と加工の違いによって、7種ものお茶の味を出すことができるワケですね!
7種のお茶はそれぞれ、全く別の茶の葉を使っていると思っていましたが、実は全部緑茶の葉から違う味のお茶を作っていたんですね。
目からウロコ!
大したものです。
■まとめ
- 緑茶と玉露の違いは栽培方法にあった
(茶の葉は同じでカメリアシネンシスから作られている) - 玉露は収穫の20日前に黒い幕で覆って日光を遮る
(日光を遮ることでテアニンのカテキンへの変化を防ぐ) - 緑茶のカテキンにはがん予防の効果がある
(カテキンにはがん細胞の自滅を促す作用あり) - 緑茶・ウーロン茶・紅茶・ほうじ茶
・玄米茶・ジャスミン茶・プーアル茶
7種の茶は全部緑茶の葉で作られている!
(発酵時間と加工の違いで味を変えている)
以上、こんなところですね。
日常的に飲んでいるお茶のほとんどが、実は緑茶の葉で作られていたことには驚きました!
ひょっとしたら、他の食べ物や飲み物の中にも、原料が同じものがあるかもしれませんね。
日常の中にも知らないことがあると、とても興味をひかれて面白いですね♪
では、今回はこの辺で。