“伯父”または“叔父”
と書きますよね。
また、パソコンやスマホで“おじ”を変換すると、伯父と叔父の両方が出てきます。
どちらも、親戚のおじさんのことを示す漢字なのですが…
皆さんは、
伯父と叔父の漢字の違いってわかりますか?
ごちゃ混ぜになっていて、
実はよく知らずに使っている人が結構多いのも事実。
そこで今回は、伯父と叔父の漢字の違いについて調べ、わかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■伯父と叔父の漢字の意味の違い
伯父と叔父の漢字の違いは、ズバリ、
自分の親の兄か弟か
です。
例えば、あなたの父(母)の兄の方のおじさんは、漢字で“伯父さん”と書きます。
逆に、あなたの父(母)の弟の方のおじさんは、漢字で“叔父さん”と書きます。
どうです?
わかりやすいでしょう?
あなたのお父さんやお母さんの兄弟を、どちらも、“おじさん”と呼びますが、漢字に直すと明確な違いがあるんです。
パソコンやスマホで“おじ”を変換すると、変換候補に伯父と叔父の両方が出てくるので、混同しがちですが、これで両方の違いが分かったと思います。
■伯父と叔父の語源
伯父と叔父の漢字の意味の違いは分かったけど、
そもそも、伯と叔の漢字の語源って何なの?
と、思った方も多いと思います。
説明しましょう!(笑)
伯と叔の漢字の語源は中国にあります。
中国では、兄弟(姉妹)の一番上の年長者を“伯(はく)”と呼びました。
で、それ以外の弟や妹たちを、まとめて“叔(しゅく)”と呼んだのです。
それが日本に伝わり、
伯父や叔父という漢字が生まれたのです。
ただし日本では、伯父という漢字は長男のことだけを指すワケではなく、あくまでも“自分の親の兄”を指す漢字です。
例えば、あなたの父親が4人兄弟の2番目の場合、あなたにとっての“伯父”は、1番目のおじさん1人だけになります。
しかし、3番目の叔父さんの子供(つまり、あなたのいとこ)から見ると、その子にとっての“伯父”は、1番目と2番目の2人が“伯父”に該当するワケです。
このように、中国の伯の漢字と、日本の伯父とは用法が少し違うのです。
伯父と叔父の漢字の意味の違いのところでも書きましたが、
- 自分の親の兄なら伯父
- 自分の親の弟なら叔父
ということなのです。
■伯母と叔母の違いも同じこと
伯父と叔父の違いが分かったなら、
じゃあ、おばさんは漢字でどう書くの?
と思うと同時に、
ここまで来てればピーンと来てる!と思います。(笑)
そう、伯父や叔父の“父”の字を“母”に変えるだけで、“伯母(叔母)さん”になります。
伯母と叔母の漢字の違いの理屈も同じで、
- 自分の親の姉なら伯母
- 自分の親の妹なら叔母
ということになります。
■じゃあ、他人の“おじさん”“おばさん”は?
親戚のおじさんやおばさんを、
“伯父(叔父)さん”“伯母(叔母)さん”と書くのは分かりましたね?
しかし、おじさん、おばさんと呼ぶのは、親戚の人だけではありません。
赤の他人である、中年男性や中年女性のことも、“おじさん”“おばさん”と呼ぶでしょう?
じゃあ、赤の他人の“おじさん”“おばさん”を漢字で書いたらどう書くのか?
その答えはズバリ、
小父さん 小母さん
です!
赤の他人のおじさんおばさんには、小父さん小母さんという漢字をあてるんですね。
この“小”という字を当てる理由は、やはり中国に関係があります。
昔の中国では、老人のおじいさんのことを、漢字で“大父”と書きました。
おじいさんには“大”の字をあてていたのです。
しかし、おじさんの場合は、おじいさん程の歳をとっていないので、大の反対の“小”の字をあてて“小父”と書きました。
それと同じ理由で、おばあさんは“大母”と書き、おばさんを“小母”と書いたというワケですね。
大や小で年齢を表すというセンスは、何かと年功序列で偉い立場を他人に強制してくる、いかにも中国らしいセンスですね。(笑)
■まとめ
- 自分の親の兄なら伯父
- 自分の親の弟なら叔父
- 自分の親の姉なら伯母
- 自分の親の妹なら叔母
- 他人のおじさんは小父さんと書く
- 他人のおばさんは小母さんと書く
- 伯の語源は中国で、兄弟(姉妹)の最年長者の意味
- 叔の語源は中国で、年下の弟や妹という意味。
以上、こんなところですね。
同じおじさん・おばさんでも、漢字で書くと、
- 伯父さん・伯母さん
- 叔父さん・叔母さん
- 小父さん・小母さん
と、ちゃんと書き分けることができるんですね。
私自身も勉強になりました。
他にも“いとこ”の漢字も色々ありますよね?
それについても、詳しく調べてまとめてみようと思います。
では、今回はこの辺で。