■靴の記念日ってどんな日?
靴の記念日は、記事のタイトルに書かれているとおり、日本初の西洋靴用の工場が開設された日です。
1870年(明治3年)3月15日、当時の東京・京橋区入船町(現・中央区入船3丁目)に「伊勢勝造靴場」※が開設されたことにちなんで出来た記念日です。
(※創設者は実業家・西村勝三氏)
西洋靴自体は、幕末から日本に輸入され始めましたが、当時の日本人の足にはサイズが大きくて合わないことが多かったそうです。
特に輸入した軍靴はサイズが非常に大きいものばかりであり、それを問題視した大村益次郎氏(日本陸軍の創始者)が実業家の西村勝三氏に提案したことにより、伊勢勝造靴場が建設されることになったそうです。
これによって、日本人の足のサイズに合った軍靴が作られるようになったのです。
また、この伊勢勝造靴場を創設した西村勝三氏は、様々な経営難を乗り越えて「日本製靴株式会社」(現・(株)リーガルコーポレーションの前身)を設立しました。
もちろん、それに便乗して、西洋靴を作り始める他の会社も出てきました。
こうして、日本には、日本人の足に合った西洋靴がどんどん広まっていったのです。
現代日本で、靴と呼ばれる履物のほとんどが西洋靴なのは、以上の理由からなのです。
まさしく伊勢勝造靴場は、日本における西洋靴工場の元祖というワケですね。
ちなみに現在、伊勢勝造靴場は存在しません。
かつて伊勢勝造靴場があった場所には、アーバンネット入船ビル(東京都中央区入船3丁目2−10)が建っており、近くの植え込みには「靴業発祥の地」と書かれたモニュメントが設置されています。
■提唱・制定者は?
靴の記念日の制定者は、「日本靴連盟」さんです。
制定年は、1932年(昭和7年)です。
■日付の理由は?
日付が3月15日の理由は前述のとおりです。
■日本記念日協会に登録されているの?
靴の記念日は、日本記念日協会に認定・登録されていません。
こんなところですね。
今でこそ、普通に靴が売られていますが、その元祖が軍靴工場にあったとは知りませんでした。
しかも、工場を作った理由が「輸入軍靴が大きすぎて日本人の足に合わないから」というところにあったのを知って、少し笑えました。
(足が小さいということは背が低いということ。当時の日本人の平均身長は低かったということです。)
「自分たちに合うものを、自分たちで作ってしまう。」
この意思と能力「いい意味でのパクリ」こそが、日本を高度経済成長へと導いたのでしょうね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目