現在では学校でも職場でもシャープペンシルが主流となっていますが、そんな今でも鉛筆は現役で使われていますね。
鉛筆には様々な形がありますが、一番多いのが六角形です。
なぜ、六角形の鉛筆が多いのか?
その答えはズバリ、
六角形だと持ちやすくて回しやすいから
です!
「円の方が持ちやすくない?」
「え?三角形や四角形だってそんなに変わらないじゃん!」
などと思う方もいらっしゃると思います。
ですが、鉛筆の持ちやすさと回しやすさを両立させた理想的な形こそが六角形なのです。
なぜ、六角形が理想的な形なのか?
基本的に、鉛筆などの筆記用具を使う時、親指・人差し指・中指の3本で握って持ちます。
そもそも六角形は、三角形を円状に6つ組み合わせた形です。
つまり、3の倍数で出来た形。
3本指で鉛筆を持つ時、
六角形のうちの3つの面を握ることになります。
上の絵のように、3つの面から力が加わります。
なので、握る力が分散しにくく、最も持ちやすくてキレイな字が書けるのです。
故に、六角形こそが鉛筆の理想的な形なのです。
しかし、中には
「3の倍数の形でいいのなら、三角形でも九角形でも十二角形でもいいんじゃないの?」
と思う人もいるかもしれませんね。
(九角形や十二角形の鉛筆なんて、そもそも日本では見られませんが…)
でも、三角形だとフィットするものの、回転させにくいです。
鉛筆を使っていると、芯が削れていきます。
なので、一定の方向だけ使っていると、芯が削れて形が変わり、書きにくくなるという事態が発生します。
そこで、人は無意識的に鉛筆を回転させて持ち替えます。
(追記:この行為をフィット・ターン・フィット理論と呼ぶそうです。大阪経済大学教授(2019年当時):西山豊 氏の理論)
その時、形状が三角形や四角形だと回しにくいのです。
また、九角形や十二角形だったら、落とした時に円の鉛筆と同じくらい転がりやすいのです。
(それに、素直に円の鉛筆を作ればいいと思います。)
以上のことから、持ちやすさと回しやすさを兼ね備えた六角形こそが鉛筆にふさわしい形ということになります。
故に、鉛筆は六角形が多いのです。
わかりましたか?
ちなみに、六角形は円や四角形よりも強度が強く、自然界でも見られる形状です。
例えば、ミツバチやアシナガバチなどの蜂の巣の形も六角形です。
(六角形は強度が高いため、蜂の子を守り育てるのに最適な形です。)
また、円状のものを積み上げ、上から圧力をかけてプレスすると、
中の方の円の形が(一時的に)六角形に変わります。
つまり、力が均等に分散しやすく、
それなりの強度が保てる形こそが六角形なのです。
六角形は、物理法則に基づいた理想的な形というワケですね。
では、今回はこの辺で。