呼吸器と腎臓がやられる病気
です。
MERSは、Middle East Respiratory Syndrome
の頭文字をとってマーズと呼ばれています。
中東という地域名が名前に出ているとおり、サウジアラビアやバーレーン、イランなどの中東諸国に行った人が現地で感染し、帰国後に発病しています。
この病気は、2012年に初めて確認された新種のウイルス(コロナウイルス)による感染症です。
近年では、欧米諸国や北アフリカ(エジプト、アルジェリアなど)、アジアではマレーシア、フィリピンで発症者が確認されています。
2015年6月には、日本の隣の国、韓国で猛威をふるいました。
重症化すると、肺炎、呼吸困難、腎不全などを引き起こし、時には死亡することがあるかなり危険な病気です。
今回は、このMERSについて調べ、わかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■MERSの原因は?
MERSの原因は、ズバリ、
MERSコロナウイルスです。
このウイルスに感染することによって、MERSを発症します。
潜伏期間は2日~2週間または15日程度です。
MERSコロナウイルスは、中東に生息するラクダの一種のヒトコブラクダが感染源のひとつです。
他の中東の動物にも感染源が広がっている可能性があります。
なので、中東の動物には、
手で直接触らないようにしましょう。
■MERSの主な症状は?
咳、くしゃみ、発熱、下痢など。
要するに風邪に似た症状になります。
ただし、熱は38℃以上の高熱で、咳もかなり酷く出るそうです。
単なる風邪だと思って、かぜ薬で対処しても、風邪ではないので当然治りません。
しかしながら、免疫力の強い人は、軽い症状が出るだけで普通に治ってしまったりするケースもあります。
また、症状が軽いので、MERSと疑わしくても「大丈夫だろう」と、安易に外出してしまう感染者もいます。
これこそが、感染を拡大させる大きな原因のひとつです。
韓国で感染者と死者が増えたのは、患者を一般病棟に入れるという病院側の対処が甘かったこともありますが、感染者自身のモラルの低さこそが感染拡大に拍車をかけていたと言えます。
■MERSの感染経路は?
MERSコロナウイルスの主な感染経路は
- 飛沫感染
- 接触感染
飛沫感染は、感染者の咳やくしゃみを直接または間接的に吸い込んだり飲み込んだりした場合に起こります。
接触感染は、感染者の排泄物や吐しゃ物(ゲロなど)に触れたり、感染者との濃厚なキスなど、かなり重度の接触で感染することがわかっています。
元々、MERS感染者とされる人は、そのほとんどが中東への渡航者なので、感染した渡航者の咳やくしゃみを浴びたり、接触した人以外には感染していない模様。
しかしながら、まだ発見されて間もない新種のウイルスなので、空気感染の可能性も完全には否定できないようです。
(2015年6月5日現在)
■ワクチンはあるの?
2015年6月現在のところ、
ワクチンはありません。
そのため、根本的な治療法は
まだ確立されていません。
よって、治療に関しては、発症した症状に対応した対症療法が病院で施されます。
■予防方法は?
具体的な予防方法は以下の4つです。
- 感染者に近づかないこと
- ウイルス対策マスクを着用すること
- 感染者が使った食器やトイレに触れないこと
- 必ず手を洗うこと
こんなところですね。
まあ、一目見たくらいでは、風邪かMERSかはわかりません。
とにかく、
風邪ひいてる人には近づかない
ことですね。
■どこの病院に行けばいいの?
「もしかして、MERSにかかった?」
と疑わしい場合に、
どこの病院に行けばいいのか?
日本国内でMERS患者を受け入れできる医療施設は、以下の指定医療機関に定められています。
- 特定感染症指定医療機関
- 第一種感染症指定医療機関
- 第二種感染症指定医療機関
これらの医療機関が、各都道府県のどの病院なのかは、厚生労働省のサイト内に記載されています。
下記のリンクをご参照願います。
第二種感染症指定医療機関の指定状況
(平成26年4月1日現在)
■まとめ
- MERSは呼吸器と腎臓がやられる病気
- 重症化すると死ぬ可能性が高い
- 主に飛沫感染&濃厚な接触感染
- ワクチンは無い
(2016年11月29日現在)
- 治療法は対症療法のみ
(2016年11月29日現在)
- かかったら国指定の病院へ行け
- 風邪ひいてる人には近づくな!
以上、こんなところですね。
世の中には恐ろしい病気があるんですね。
特に海外には、想像をはるかに超えたウイルスや病原菌がいる可能性があります。
海外へ行く際には、現地の飲食物や動植物に十分注意する必要がありますね。
では、今回はこの辺で。