この病気をわかりやすく言うと、筋肉がとても弱くなる病気です。
少し専門的な言い方をすると、
非進行性の筋原性疾患(筋疾患)の一種です。
主に赤ちゃんや乳児が発症します。
政府から難病指定されており、
場合によっては死に至るケースもある危険な病気です。
今回は先天性ミオパチーについて、わかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■先天性ミオパチーの具体的な症状
冒頭でも書きましたが、
この病気は筋肉がとても弱くなる病気です。
筋肉が弱くなって緊張力も無くなるので、具体的な症状は外見に出ます。
赤ちゃんの全身がぐにゃぐにゃになります。
先天性ミオパチーを発症した赤ちゃんが、ぐにゃぐにゃ赤ちゃんと呼ばれるのは、このためなのです。
稀に、大人でも発症することがあるようです。
ただ、ぐにゃぐにゃになるワケではなく、呼吸筋の筋力低下などによる呼吸不全など、見た目の症状が異なるようです。
幸いなことに、先天性ミオパチーは特定の症状は出ますが、進行する病気ではないそうです。
有名どころの筋ジストロフィーも先天性ミオパチーと同じく筋疾患の一種で、似たような症状が現れることがありますが、筋ジストロフィーは進行性なので、先天性ミオパチーよりも悪性で致命的です。
ちなみに、先天性ミオパチーは英語表記だと
congenital myopathy
と書きます。
■先天性ミオパチーの原因
原因はズバリ、遺伝子の異常です。
病名にあるように、先天性(生まれつき)のものなので、原因を取り除く方法はありません。
それゆえ、根本的な治療方法は現在ありません。
現時点では、専門医による対症療法が行われているようです。
主に、理学療法による身体機能の維持ですね。
具体的には、運動やマッサージなどのリハビリや、低周波の電気を流す電気療法などを施します。
■先天性ミオパチーの種類
先天性ミオパチーの種類は、細かく分けると数百種類にも及ぶそうですが、
代表的なものは以下の5種類に分けられるそうです。
- 先天性筋線維型不均等症
- セントラルコア病
- ネマリンミオパチー
- マルチコア病
- ミオチュブラーミオパチー
それぞれ5種類において、乳児重症型、良性先天型、成人型の3つのタイプの症状の現れ方をするそうです。
各3タイプについては次項で。
■先天性ミオパチーのタイプと患者の寿命
乳児重症型
非常に重いタイプの先天性ミオパチー。
全身の筋力が著しく低下するため、食事はおろか呼吸すらままならない。
そのため、人工呼吸器と点滴による経管栄養補給が必要。
高確率で1歳以下で死亡する。
ミオチュブラーミオパチーに多い。
良性先天型
最も多い先天性ミオパチーのタイプ。
大抵のぐにゃぐにゃ赤ちゃんはこのタイプ。
筋力低下による軽度の呼吸不全と、運動機能の発達の遅れ、背骨の側弯、顔の表情が乏しいなどの症状が出る。
知能に関する発達障害は出ない。
基本的に一般人と同じ寿命。
ネマリンミオパチー・先天性筋線維型不均等症・マルチコア病・セントラルコア病に多い。
成人型
非常に稀なケース。
極めて軽度の良性先天型の患者が成人になってから症状が顕著になるタイプ。
顕著になる原因が多岐にわたることもあり、他の病気と間違われて特定が難しいとされている。
寿命はまちまち。
こんなところですね。
良性先天型については、一般の人と寿命が変わらないので、その寿命はバラバラです。
しかしながら、乳児重症型は命に関わるほど筋力低下症状が酷いので、ほぼ絶望的のようです。
■先天性ミオパチーの検査と診断
診断には、筋生検と呼ばれる専門の検査と筋肉組織のサンプルを採取する必要があるそうです。
基本的に、ぐにゃぐにゃ赤ちゃんとして生まれてきた場合は初見で判るので、素早い対応が可能です。
しかし、幼児くらいから症状が現れた場合は、本当に先天性ミオパチーかどうかは判断がつかないそうです。
そういう意味でも検査と診断が必要です。
診てもらう病院は、
小児科か小児神経を専門とする医療機関です。
まずは、最寄の小児科に診てもらうのが一番ですね。
■まとめ
先天性ミオパチーについてまとめると
以下のとおりです。
- 原因は遺伝子の異常
- 赤ちゃんと乳児に発生しやすい
- 病気そのものは進行しない
- ほとんどの場合は良性先天型
- 乳児重症型の場合、ほぼ助からない
- 非常に稀だが、大人でもなる(良性)
以上