くも膜下出血とは? 前兆から後遺症、予防方法など

くも膜下出血とは、脳卒中の一つで

脳内にできた動脈瘤(血管のこぶ)
破裂して出血する病気

のことです。

くも膜とは、脳を包んでいる膜で、頭蓋骨の内側にあります。

くも膜の内側で起こる出血のため、くも膜下出血と呼びます。

要するに、くも膜下出血とは脳内出血の一種ですね。

脳に直接ダメージが発生する
とても危険な病気です。

くも膜下出血は、働き盛りの40~50代の人に発症しやすい病気です。

そのため、別名「中年殺し」とも呼ばれ、かなり危険視されている病気です。

特に女性が発症しやすく男性の2倍近い確率で発症するのです。

今回は、そんな恐ろしい病のくも膜下出血について調べ、わかりやすくまとめてみました。

皆様の参考になれば幸いです。

 

■くも膜下出血の前兆

悩む女子

くも膜下出血には前兆がないことがほとんどです。

しかし、稀にウォーニングサインと呼ばれる以下のような前兆が出ることがあります。

  • 血圧が激しく変動
  • うなじが凝って固まる
  • めまい
  • 吐き気
  • 頭痛
  • 視覚障害
  • 言語障害

こんなところですね。

一見すると、くも膜下出血とは考えられない症状がありますね。

うなじが凝って固まるなんていうのは、単に筋肉がつっただけなんじゃないかとも思える症状です。

でも、頭痛と下2つの赤字の症状は特徴的。

そもそも、くも膜下出血は脳内の動脈瘤が破裂して起こる病気。

なので、たとえ破裂する前でも、動脈瘤が大きいと、その分、脳を圧迫するワケです。

脳への圧迫によって、頭痛はもちろんのこと、言語障害視覚障害が出るケースもあるということです。

急にろれつが回らなくなったり、モノが歪んで見えたり、二重に見えたり、ブレてかすんだりしたら、脳内の動脈瘤が破裂寸前になっている可能性があります。

もちろん、ほかの病気の可能性もあります。

すぐさま救急車を呼ぶが、
病院へ連れて行ってもらった方が良いでしょう。

 

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■くも膜下出血の症状とステージ

病気-熱-女性

くも膜下出血が発症すると、経過時間と出血量に伴い、様々な症状が出てきます。

それらの症状によって、1~5のステージが医学的に定義されています。

 

・ステージ1

無症状か、または軽度の頭痛が発生。

大した症状ではないので、
頭痛薬などを飲んで放置してしまい、
事態を悪化させる可能性が高いです。

・ステージ2

かなり痛い頭痛が発生。

いわゆる「警告頭痛」と呼ばれる頭痛です。

痛みはかなり酷く、バットで殴られたような想像を絶する痛みです。

この痛みで悶絶、または気絶し、救急車で病院に運ばれるケースがほとんどです。

むしろ、この状態になって、自力で病院に行ける人は稀です。

・ステージ3

傾眠状態、または錯乱状態

意識を失うか、朦朧としておかしな行動をとります。

といっても、狂って暴れるような感じではなく、フラフラ状態なので何事もおぼつかないといった感じです。

すぐに救急車で病院へ運ばないと大変なことになります。

・ステージ4

昏迷状態
身体の反応がほとんどない状態。

身体の一部にマヒが出ることもます。

だが、意外にも意識は少しあり、周囲の状況を一部把握していることがあるそうです。

要するに、意識が少しあるが、完全に自力で体を動かせない状態ですね。

死亡率10%以上に上がり、重篤な後遺症を残す人も20%くらいになります。

・ステージ5

深昏睡(しんこんすい)の状態。

意識障害が出ており、つねっても揺すっても何の反応も示さず、自立呼吸すら危うい致命的な状態

30%以上の高い確率で死に至ります

救急病院に担ぎ込まれる、くも膜下出血の患者は、ステージ5であることが多いのが現状です。

 

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■くも膜下出血の主な原因

くも膜下出血の主な原因は
ズバリ、

動脈硬化

です。

動脈硬化が進行すると、血管のしなやかさが無くなって詰まりやすくなり、動脈瘤の発生原因になります。

そこへ高血圧が加わると、動脈瘤が破れやすくなるワケです。

動脈硬化の原因は主に、

  • 暴飲暴食
  • 喫煙
  • ストレス
  • 女性ホルモンの減少

の4つになります。

要するに、脳内に動脈瘤ができるほど、動脈硬化が進行するような不摂生な生活をおくっていると、くも膜下出血原因になるということです。

また、女性ホルモンには、くも膜下出血の発症を抑える効果があるとの研究結果が出ています。

なので、女性が閉経を迎える40代~50代は、女性ホルモンも併せて減少するので、くも膜下出血発症率が急激に高まるということです。

そう考えると、40~50代の女性の発症率が男性の約二倍というのもうなずけるというものですね。

 

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■くも膜下出血の後遺症

眠り病

致死率が高いくも膜下出血ですが、運よく助かった人でも、後遺症が出ることが多いのが現状です。

くも膜下出血の後遺症として主に以下のようなものがあります。

  • 感覚の愚鈍化としびれ
    感覚障害の一つで、手足の感覚が鈍くなったりしびれたります。
  • 言語能力障害
    会話が困難になり、読書すらも難しくなります。
  • 半身麻痺
    身体の左(右)半身のどちらかに麻痺が出ます。
    併せて歩行困難などの症状が出ます。
  • 人格障害
    感情のコントロールができなくなり、情緒不安定で危険行為を犯し、健全な社会生活が困難になります。
  • 排泄障害
    本人が気づかないうちに、おもらしするようになります。
  • 摂食障害
    喉や舌を動かす筋肉が麻痺するため、物理的に食事が困難になります。
  • 視野狭窄
    文字通り視野が狭くなります。
    どこかにぶつかったり、階段から落ちたり、交通事故に遭う可能性が高くなります。

 

こんなところですね。

人間の思考と行動を司る脳がやられるので、上記のような酷い後遺症が残るのも仕方がないことだと言えます。

ただし、全く救いが無いワケではありません。

半身麻痺に関しては、軽度であればリハビリで回復可能です。

不幸中の幸いですが、命が助かった人の大半は、半身麻痺で済む人がほとんどです。

また、摂食障害に関しては、最悪でも点滴で栄養摂取が可能です。

さらに、排泄障害に関しては、介護用のオムツで対処可能です。

こんな風に、何とか対処できる後遺症もあるのです。

その他の後遺症に関しては、回復が困難であり、日常生活に大いに支障をきたします。

自身の努力だけでなく、周囲の人々からの協力も必要になります。

くも膜下出血は本当に恐ろしい病気ですね。

できることなら、予防することがベストです。

 

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■くも膜下出血の予防方法

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くも膜下出血の根本原因は動脈硬化なので、

  • 動脈硬化になりにくい生活をおくる

ことが、一番の予防方法になります。

例えば、コレステロールの摂取を控えたり、血液がサラサラになるような食材を生かした食事をするようにすればいいのです。

また、高血圧を抑えることも必要です。

70歳以上の高齢者は老化現象で特に高血圧になりやすい傾向があります。

そこで、食生活はもちろんのこと、ストレスを溜めないように生活することも大事です。

まあ、最悪の場合でも、

  • 動脈瘤が破裂しないように処置する

というのも有りです。

そのためには、定期的に人間ドックで脳内の検査をしてもらう必要があります。

動脈瘤が脳内にできているかどうかを確認するためです。

できていなければ問題ないのですが、もしもできてしまっていた場合事前に処置することが可能になります

日本には、頼もしい脳外科医がたくさんいます。

例えば、福島孝徳先生や上山博康先生、加藤庸子先生など。

実績と権威のあるお医者様が日本全国にちゃんといらっしゃるのです。

まあ、高額な手術費用がかかってしまいますが、生命には代えられません。

ある日突然、くも膜下出血で倒れ、そのまま帰らぬ人となってしまうよりは、はるかにマシだと思います。

 

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■くも膜下出血になった芸能人・有名人

くも膜下出血になった芸能人や有名人をわかる範囲で記載しておきます。

青字の方は生還者です。

以下、敬称略

 

米良美一(歌手)

白川澄子(声優)

諏訪美緒(モデル)

原口健二(熊谷市議)

KEIKO(歌手)

田宮五郎(俳優)

吉田栄勝(元アスリート)

木村拓哉(元野球選手)

星野源(俳優・ミュージシャン)

佳那晃子(女優)

小成たか紀(漫画家)

吉村よう(俳優・声優)

村田渚(お笑い芸人)

木原光知子(元水泳選手)

伊藤俊人(俳優)

福田繁雄(グラフィックデザイナー)

天知茂(俳優)

日沢伸哉(放送作家)

Kami(ミュージシャン)

南田洋子(女優)

島村麻里(フリーライター)

金田一春彦(言語学者)

小林恭治(声優)

玉川善治(作詞家)

熊井啓(映画監督)

八木治郎(フリーアナウンサー)

 

こんなところですね。

やはり死亡率は高い模様ですね。

亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。

助かった人は本当に良かったですね。

 

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■まとめ

  • くも膜下出血は急に発症する
    前兆が出ること自体が稀。
  • 根本原因は動脈硬化
    不摂生な食生活を改めよ!
  • ステージは1~5まで
    4~5だと死ぬ可能性大。
  • くも膜下出血の死亡率約30%
    病院に運び込まれた時点で手遅れが多い。
  • 後遺症は半身麻痺がほとんど
    軽度の麻痺で済んだ場合。
  • 助かっただけでも有り難い
    それだけ死にやすい病気ということ。

 

こんなところですね。

健康に生きていることほど、幸せなことはありません。

そういう意味でも、やっぱり人間ドックは大事です。

病院イラスト

定期的に身体を検査して、自分の健康状態を把握し、問題があれば治療に専念しましょう。

もしも、生活習慣の改善のみでくも膜下出血のような大病を回避できるなら、これほど簡単な予防方法はありません。

日々のほんの少しの気遣いが、あなたを健康に導いてくれるのですから。

実践あるのみですね!

では、今回はこの辺で。

 

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