花筏(はないかだ)│川の水面を流れる美しい桜の花びら

お花見シーズンが終わるころ、
散った桜の花びらが川の水面を流れていきますよね。

美しい花びらが川を流れていく様はとても綺麗なものですが、どこか哀愁を感じます。

この、花びらが川を流れていく様は花筏(はないかだ)と呼ばれ、古来より親しまれています。

今回は、この花筏について、わかりやすくまとめてみました。

皆様の参考になれば幸いです。

 

■俳句の季語の花筏

花筏-はないかだ-春-桜

散った桜の花びらが川面にたまって流れていく花筏は、まさしく春の風物詩といえます。

桜の花が春の季語であるのと同じように、花筏も春の季語です。

俳句の世界では、花筏は確かに春の季語ではありますが、単に春を表す言葉ではありません。

  • 花が散ることを意味する
    盛者必衰の儚さ
  • 終わりは必ずやってくる
    ということの暗示

を表す、奥の深い花言葉なのです。

桜の花は煌びやかで美しいですが、短い期間ですぐに散ってしまいます。

散った花びらが川を流れていく様(さま)にどこか哀愁を感じるのは、そこに盛者必衰の儚さを感じるからです。

そして、どんなことにも必ず終わりがやってくるということを暗示しているのです。

この花筏という花言葉の意味は、平家物語の冒頭にあるフレーズ

諸行無常の響きあり
や、
盛者必衰の理をあらはす

に感じが似ていると思いませんか?

物事は常に変化していて、一つの形に留まらないということ。

政治も経済も四季も人の心も生命も皆同じく変化していくものなのです。

 

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■花筏の言葉の由来と元の意味

なぜ花筏という言葉が生まれたのか?

あなたは疑問に思いませんか?

はてな-?-疑問-女

実はそれは、意外なことに骨壺から来ています。

えっ?!骨壺?!!

そう、骨壺です。

亡くなられた方の骨が入った、あの骨壺のことです。

実は、花筏の言葉の由来をたどると、はるか室町時代にまで遡ります。

当時は、骨壺にを結び付けて、に乗せて川に流す風習がありました。
(現在の京都、滋賀、奈良近辺です。)

川に流した骨壺につけた花がほどけて、川に散っていくことで、死者が成仏すると考えられていたのです。

それこそが、花筏の由来なのです。

そして、花筏の元の意味は、“死者を弔う”という意味があったのです。

そう考えると、川面に流れていく桜の花びらに、より哀愁を感じられますね。

 

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■植物の花筏と花言葉

実は、植物にも“ハナイカダ”があるんです。

これですね↓
花筏-はないかだ-植物-葉

植物のハナイカダは、葉っぱの真ん中に花を咲かせるとても珍しい植物です。

しかも、写真のように、花も緑色なんですね。

なので、知らない人は、葉っぱの一部じゃないか?と思う人がほとんどです。

この、葉っぱと花の位置関係から、花を人葉っぱをイカダに見立てて、ハナイカダと呼ばれています。

これこそが、植物のハナイカダの名前の由来ですね。

ちなみに、ハナイカダの花言葉

  • 嫁の涙
  • 移り気

の二つ。

嫁の涙」の由来については、こんな話があります。

昔、姑にいじめられた嫁は、人里離れた山中で密かに泣いたそうです。

その時に流した涙がハナイカダの葉につき、ハナイカダの花になったそうです。

いわゆる民間伝承ですね。

現代とは違い、昔は、姑による嫁いじめがかなり酷い時代があったようです。

花言葉の「嫁の涙」は、そんな時代を象徴していると言えます。

次に、「移り気」。

筏は、一か所の留まらず、川の流れを利用して動いていくもの。

それが転じて、気が変わりやすい→移り気 という意味を持つようになりました。

しかし、私が思うに、夫がイカダの如く「移り気」だからこそ、浮気に悩んだ妻が涙を流し、嫁の涙」という花言葉が生まれたんじゃないかと考えています。

恥ずかしい-女

姑に見られないよう、山中で涙を流すよりも、私の考えの方がずっと現実的ではないでしょうか。

花言葉だけじゃなく、ハナイカダの別名もヨメノナミダなのですから。

皆さんはどう思いますか?

 

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■花筏が見られる場所

花筏-桜-さくら-花びら

当たり前の話ですが、川沿いに桜が沢山咲いている場所ならどこでも見られます。

桜が散り始める4月上旬くらいが、一番花筏が多くて綺麗だと思います。

愛知県だと以下の場所で花筏を見ることができます。

いずれも、愛知県内の桜の名所です。

是非とも行ってみてくださいね♪

 

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■まとめ

  • 花筏とは桜の花びらが
    川の水面を筏のように流れる
  • 花筏春の季語
    盛者必衰の儚さ
    終わりが来ることの暗示
    を意味している
  • 花筏の言葉の由来
    骨壺に花を付けて筏に乗せて
    川に流した室町時代の風習から
  • 植物のハナイカダもある
  • ハナイカダの花の色は緑色
    葉っぱの中央に花が咲く
  • ハナイカダの花言葉
    嫁の涙」「移り気

 

以上、こんなところですね。

花筏という言葉には、深い意味と意外な由来があったんですね。

また一つ賢くなったような気がします♪

皆さんも、花筏を見かけることがあったら、花筏の意味や由来を思い出してくださいね。

では、今回はこの辺で。

 

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