コンビニやスーパーなどで弁当を買うと、
その中に緑色のギザギザのやつが入ってますよね。
これの名前は“バラン”と言います。
イントネーションは“ラ”にあるので、
発音を文字の大きさで表すと、
バラン
という感じになります。
ちょっと聞きなれない
不思議な感じがしますが、
そう発音します。
今回は、このバランについて色々チェックしてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■何のために入っているのか?
バランは主に
- おかず同士の味移りを防ぐため
- 弁当に彩を添えるため
の2つの理由で入れられています。
つまり、おかずの味が混ざらないための物理的な“仕切り”としての役割と、見栄えを良くするための視覚的な“飾り”としての役割があるんですね。
まあ、飾りとしての役割はともかく、
仕切りとしての役割に関しては、なるほど納得できます。
しかし、それならば、
「バランじゃなくても、透明のビニールか何かで別に良いんじゃないの?」
と思いますよね。
確かにそのとおりです。
ではなぜ、
バランを入れるようになったのか?
それについては、
ちゃんと由来があるのです。
次の項で説明したいと思います。
■バランの由来
元々は、葉蘭(はらん)と呼ばれる
ユリ科の植物がバランの名前の由来です。
昔の寿司職人や料理人は、
寿司や弁当を作る際に、おかずの仕切りとして葉蘭という植物の葉っぱを入れていました。
しかし、葉蘭には、時間が経つと葉っぱのにおいがおかずについたり、欲しい時に手に入らないなどの理由で使いにくい一面もあったのです。
しかし、文明が進んで、
薄いプラスチック材質のモノが社会に普及し始めた時、
ある寿司職人が
「葉蘭の代わりに使えるんじゃないか?」
ということで、
試しに使ってみたのが始まりだそうです。
ただ、そのまま使ってみても
殺風景・・・彩がない。
そこで寿司職人は、
現在のようなギザギザの形に切って、
ビジュアル的にも見れるモノにしたそうです。
そしてその名前を“人造ハラン”と名づけました。
しかし、人造ハランという名前はなじみがなく、発音しにくかったこともあり、いつしかハランのハが濁ってバとなり、“人造バラン”と呼ばれるようになりました。
更に時代を経て、“人造”という言葉が省略され、現在のバランになったというワケです。
“人造”がとれた時点で、
イントネーションもバランがバランに変わりました。
こうして、現在のバランになったのです。
昔から仕切りとして使っていた植物の葉が、プラスチック製の人工の葉にすり変わったんですね。
元々、葉っぱを仕切りとして寿司や弁当に入れる習慣があった事実には、ちょっと驚かされました。
■バラン不要論
前述しましたが、
「バランじゃなくても、透明のビニールか何かで別に良いんじゃないの?」
という意見や、
「どうせ食べたら同じなんだから、仕切りなんて要らないよ」
など、バラン不要論があるのも事実です。
現実的に言って、弁当のおかず同士のにおいや味が移ったところで、おかずそれぞれの本体の味は、ほとんど変わりません。
だから、バランにかかるコストの分、弁当を安くしてほしいとか、別の食材を追加して欲しいなどの要望の声があるのも事実なんです。
しかし、バランを普通に使っている弁当がほとんどで、未だに無くなることはありません。
なぜか?
その理由は、
- 昔からの慣習
- コストが非常に安い
の2つです。
とにかく、
バランはコストが非常に安いのです。
千枚で数百円という、
一枚あたり0.5~0.7円の価格。
工場などが大量に仕入れるバランともなると、一枚あたり0.3円くらいの安さになるらしいです。
そりゃ、やめませんよね・・・。
それに、昔からの伝統ともいえる弁当のバランがなくなるのは、ちょっと寂しい気がします。
なお、弁当にバランを入れるのを仕事にしている人もいます。
ですので、弁当にバランを入れるのやめると、失業する人が出てくる可能性もあるのです。
確かにバランは、物理的には必要なくなってきているかもしれません。
でも、経済的には決して不要なワケではないのです。
バランの多くが、弁当と一緒に捨てられる運命にあります。
しかしながら、プラスチックの資源ごみとしてリサイクルに回すこともできます。
別の製品の一部として生まれ変わるのか、再びバランになるのかはわかりませんが、再利用も可能なんですよね。
バランは、単なる慣習だけで使われているんじゃなく、弁当という食文化の営みに欠かせない重要なポジションにあるのです。
皆様も、弁当を食べる時、
ちょっとだけバランのことを考えてみてくださいね。
では、今回はこの辺で。