デング熱を簡単に言うと、
デングウィルスに感染して
発症するウイルス性感染症
です。
↓デングウイルス
デングウィルスは、ネッタイシマカやヒトスジシマカなどの藪蚊(ヤブカ)を媒介して感染します。
その点では、ジカ熱と同じですね。
デング熱は発展途上国に多い病気。
実際のところ、デング熱はどんな病気で、どんな予防対策や治療法があるのか?
今回は、そんな疑問に答えるべく、デング熱について調べ、わかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■デング熱の潜伏期間と症状
デング熱の潜伏期間は、
約4日~7日。
遅くても一週間程度で
症状が出てきます。
主な症状は
- 頭痛
- 発熱(40℃以上の高熱)
- 筋肉痛
- 関節痛
- 皮膚の発疹
- 下痢
- 吐き気
など。
特に発熱が特徴的で、
40℃以上の高熱が出る可能性が高いです。
しかし、いずれの症状も、
重度の風邪やはしかに似た症状なので、
血液検査等をしない限り、
デング熱だと断定するのは難しいそうです。
また、体力のある人は、
デング熱だと気付かないまま
自然に治癒してしまう場合もあります。
■デング熱の死亡率
全世界で年間1億人近くが感染し、そのうちの0.5%(約50万人程)が入院するレベルの症状が出ています。
また、感染者1億人のうち、0.025%(25000人)ほどが死に至るそうです。
つまり、
デング熱による致死率は
非常に低い
ということです。
入院が必要なほどの重度の症状が出た患者でも、適切な治療を受ければ、ほぼ死ぬことはありません。
ただし、粘膜出血や意識混濁など重度発症した患者の場合は、致死率が3割ほど高まるそうです。
■ワクチンなど予防薬はあるのか?
デングウイルスに対するワクチンは
残念ながらありません。
しかし、未認可ながら、デングウイルスに効果があるワクチンがフランスの製薬会社「サノフィ」によって開発されました。
近い将来、WHOの認可を得られれば、デングワクチンとして世界中の医療機関に広まることでしょう。
■デングウィルスの感染経路
ページの冒頭でも書きましたが、
デングウィルスはネッタイシマカやヒトスジシマカなどの藪蚊(ヤブカ)を媒介して感染します。
具体的には以下のとおり。
1.デングウイルスに感染した藪蚊Aが
人A(未感染)を刺す。
↓
2.人Aがデングウイルスに感染。
↓
3.人A(感染)を別の藪蚊B(未感染)が刺す。
↓
4.藪蚊Bがデングウイルスに感染。
↓
5.藪蚊A(感染)・藪蚊B(感染)が、
人を次々と刺す。
あとは、2~5の繰り返し。
こうしてデング熱が爆発的に流行するのです。
デングウイルスの感染力は強く、一度刺されただけで即感染します。
また、デングウィルスに感染した人が他人に輸血を行ったりしても感染します。
ちなみに、蚊自身はデングウィルスに感染しても全く害がありません。
一生感染したまま生涯を終えるそうです。
自身は無害で人には有害。
困ったものですね・・・。
日本では数十年発生していませんでしたが、2014年8月、実に69年ぶりに国内感染が明らかになりました。
海外渡航していない女性がデング熱を発症したからです。
でも、私が思うに、実際にはデング熱を発症していた人は報告数よりももっと多かったんじゃないかと思います。
デング熱になったとしても、風邪か何かだと思い込んで、放置している人が多かっただけで。
何しろ、
藪蚊に刺されただけで感染する
んですからね。
潜在患者や、元潜在患者はかなり多いと思いますよ?
■顧みられない病気
デング熱は「顧みられない病気」の一種とWHOから指定されています。
顧みられない病気とは、
先進国では滅多に流行しない病気のうち、治療のための薬を開発しても採算が合わないため、製薬会社が積極的に乗り出さない病気のこと。
製薬会社が積極的に乗り出さない理由として、
デング熱にかかっても、
“自然に治ってしまう人が多い”。
ということ。
そういう現実があるから、ワクチンや専用の薬が作られないことの原因の一つとなっています。
まあ、デング熱に関しては、フランスの製薬会社が、臨床実験とはいえ、デングウイルスのワクチンの開発に成功しています。
デング熱が発生する地域の人たちにとっては喜ばしい朗報ですよね。
■予防方法と治療方法
予防方法はズバリ、
蚊に刺されないこと
これしかありません。
ワクチンや予防接種もありませんから。
でも、治療方法はあります。
- 経口補水療法
- 静脈点滴
- 輸血
などです。
いわゆる対症療法ですね。
一見、普通の治療法ですが、
これらの方法は有効な対症法です。
点滴や輸血は、救急車を呼ぶか病院に行かないとできませんが、経口補水療法は自宅でも可能です。
ちなみに、経口補水療法とは、食塩とブドウ糖などを水で溶かしたものをデング熱発症者に飲ませる方法です。
レシピは以下のとおり
ブドウ糖13.5g+塩二水和物2.9g+食塩2.6g+塩化カリウム1.5g
(水1リットルあたり)
自分で作れればいいのですが、ブドウ糖は多分一般家庭には無いと思います。
そこで、市販されている経口補水液を買えばいいと思います。
OS-1(オーエスワン)という経口補水液です。
大塚製薬が発売しています。
スポーツドリンクの代わりにもなりますので、汗をよくかく人、または発熱や下痢で脱水症状が酷い人は、これを飲んで水分補給すればいいと思います。
1本当たり170円弱で買えますので、自分でレシピをそろえて作るよりも安上がりだと思います。
それに、デング熱じゃなくても、別のことでも使える利用価値が高いドリンクですので、買っておけば、いざと言うとき安心ですよ。
■まとめ
- デング熱は藪蚊を媒介して
人間に感染する
- 主な症状は頭痛・発熱・発疹
・吐き気・筋肉痛など
風邪やはしかに似ている
- WHOに認可された
デングウイルスワクチンは無い
(未認可のものはある)
- デング熱はWHOから
顧みられない病気に指定されている
- 治療方法は対症療法しかない
(2016年現在)
- 予防方法はただ一つ
“蚊に刺されるな!”
以上、こんなところですね。
日本から発症する病気ではなく、あくまでも外国からの感染拡大なので、蚊に刺されないようにすれば解決です。
万が一、蚊に刺されて発熱したら、すぐに病院で診てもらえば大丈夫です。
今なら、大抵の病院で適切な治療を受けられます。
では、今回はこの辺で。