硬水と軟水の違いとは何なのかわかりやすく解説

硬水軟水の違いとはなんだろうか?

よく、硬水とか軟水とか、TVCMなどで見かけますよね。

硬水軟水の違いって何なの?」と思う人も多いと思います。

結論から言いますと、に含まれるミネラルマグネシウムカルシウムの量の違いです。

水には硬度と呼ばれる基準があり、WHO(世界保健機関)によって定められています。

■水の硬度

硬度とは、水1L(リットル)あたりに含まれるマグネシウムカルシウムの基準のことで、これら二つのミネラルが含まれる量が多ければ多いほど硬水となります。

WHOによる硬水・軟水の基準は以下のとおりです。

含有量(mg/L) 0~60mg未満 60~120mg未満 120~180mg未満 180mg以上
分類 軟水 軟水(中程度) 硬水 非常な硬水

表が右に行くほど硬度が高まります。

日本国内で市販されているミネラルウォーターは、前述のWHOの基準で硬水・軟水と決められ、表示されています。

↓天然水<南アルプス>の表記

画像では切れて見えませんが、ミネラル含有量は「約30mg/L」と表記されています。
30mg/Lなら、基準では軟水ですね。

ちなみに、上の画像に、原材料が” 鉱水 “と書かれていますね。

これも読み方は硬水と同じで「こうすい」と読みます。

この鉱水に関しては、以下のページで解説しているので、よろしければご覧ください。

鉱水(こうすい)とは何なのかわかりやすく解説
鉱水(こうすい)をわかりやすく言うと、 ポンプなどで汲み上げた 溶存鉱物質(ミネラルなど)を含んだ地下水 のこと。 湧き出ている泉の水ではなく、あくまでも地下に存在する水である。 鉱水は、飲料水として、日本のミネラルウォーターの原材料に使わ

■日本国内の水道水の硬水・軟水

日本の水道水の平均的な硬度は48.9mg/Lだそうです。

つまり、日本全体で見ると” 軟水 “ということになります。

しかしながら、地域によっては硬度が高い硬水の地域もあるそうです。

日本の硬水・軟水の分布図は以下のとおりです。


出典:東京大学 堀まゆみ 特任助教 研究データより

日本の水道水は基本的に軟水ですが、20mg/L以下の軟水は、日本の水道水には存在しないそうです。

青森、山形、奈良、広島の4県が、かなり硬度が低い軟水となっているようですね。

ちなみに、日本の硬水ランキングTOP5は以下のとおりです。
(2021年11月現在)

  • 1位:千葉県「83.4mg/L」
  • 2位:埼玉県「82.8mg/L」
  • 3位:熊本県「72.2mg/L」
  • 4位:沖縄県「68.1mg/L」
  • 5位:東京都「65.8mg/L」

千葉県が1位でしたね。

理由はなんとなく想像できます。

千葉県は、利根川という非常に長い距離の河川の終盤部分を水源にしているからだと思います。
(つまり、ミネラルたっぷり。)

埼玉が2位なのは、埼玉の中を西から東へ大きく横切る荒川を水源にしてるので納得できます。
利根川程ではありませんが、海へ出る前でにそれなりの距離があります。
(つまり、これもミネラル豊富。)

■北米やヨーロッパの水は?

北米やヨーロッパの水は、日本と違って硬水が多いそうです。

それには、地質や地形が関係しているそうです。

北米やヨーロッパなどの広い土地は、比較的なだらかな地形であり、土壌も石灰岩が多く含まれることが多いので、水がゆっくりと流れ、十分なミネラルを含んだ硬水になるそうです。

故に、北米やヨーロッパなどの水は、硬水であることが多いのです。

一方、日本は火山国であり、火成岩を多く含む土壌です。
しかも国土が狭く、急こう配であるので、水が山から海へ短時間で流れてしまいます。

そのため、土壌のミネラル分をあまり吸収できない水が流れてくるため、軟水が多いのです。

■硬水のメリット・デメリット

◆メリット

  • ミネラル補給が手軽。
  • 便秘解消に良いとされる。
    (マグネシウムの整腸効果による副次的効果。)

大量に汗をかいた時など、スポーツドリンクを飲まなくても、硬水を飲めば、ある程度間に合う。

◆デメリット

  • 洗濯に向かない。
    (洗剤の泡立ちが悪いなど。)
  • 洗濯物がゴワゴワになる。
  • シャンプー後の髪がゴワゴワまたはキシキシになる。
  • 飲み過ぎるとお腹が緩くなる。
    (マグネシウムの効果が効きすぎてしまう。)
  • 赤ちゃんには厳しい。
    (胃腸などの消化器官が十分に発達していないため。)

これらのデメリットがあるため、欧米では洗濯にはお湯を使って洗浄力を上げています。

少ないお湯で済むように、ドラム式の洗濯機を使うことが多いのです。

また、洗濯物がゴワゴワにならないように、柔軟剤を入れることで対応しているそうです。
このあたりは、日本でも同じですね。

ちなみに、欧米のシャンプーはアミノ酸系のシャンプーが多い傾向にあります。
これには、髪の毛を柔らかくする効果があるからです。

硬水の影響で髪がキシキシになりやすいため、欧米のシャンプーはアミノ酸系のシャンプーが多いのです。

海外旅行に行って、髪がキシキシになってしまうのが嫌な場合は、日本から持ち込むか、現地でアミノ酸系のシャンプーを求めるといいでしょう。

日本から持ち込む場合は、機内に持ち込まずにカバンに入れて荷物を預けるならOKです。
ただし、シャンプー1本あたり500mlくらいまでと制限があります。

この制限は、行き先の国によって変わる場合があるので、事前に旅行会社や航空会社に問い合わせてみるといいでしょう。

では、今回はこの辺で。

 

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