刺身(さしみ)は、お寿司などのネタとして、あまりにも有名ですよね。
そんな、普段何気なく使っている“刺身(さしみ)”という言葉。
よく、考えてみてください。
刺身とは、魚の切り身のこと。
なのに、
なぜ切り身なのに“刺身”と言うのか?
不思議ですよね?
切り身を刺身という由来は、実は二つあります。
- 魚の切り身に
その魚の背びれを刺す
という習慣があった
- “切る”という言葉は縁起が悪いので
使うことを嫌った(江戸時代)
こんなところですね。
昔の料理人は、魚の背びれを身に刺すことによって、どの魚の切り身か、わかるようにしていたのです。
例えば、鯛の切り身だったら、鯛の背びれを切り身に刺しておいて、鯛の切り身だとわかるようにしていたワケです。
当時の料理人が、魚の判別のためにやっていたことなんですね。
故に、魚の切り身を“刺身”と言うのです。
確かに、魚の背びれは、種類によっては外見が特徴的ですからね。
メモ用紙や筆記用具が一般には無かった当時、魚の判別用の目印として背びれを使ったというのは、なるほど納得できます。(笑)
以上が、刺身という言葉の由来です。
ちなみに、刺身という言葉は、既に室町時代※から使われています。
非常に歴史ある言葉だったんですね。
(※室町時代の官吏・中原康冨(1400~1457)が書いた日記「康冨記」の中で使われていた事が確認されている。)
現代では、背びれを刺して判別するという習慣が無くなって、“刺身”という言葉だけが残っている状態なんですね。
そう考えると、私たちが普段食べている刺身にも歴史があって、なんだか感慨深いものを感じますね。
では、今回はこの辺で。