サマータイム(夏時間)とは、時計を1時間進めることです。
日本では現在、実施されていない制度です。
(一部のグローバル企業では例外的に実施されているケースはあります)
夏は日照時間(太陽が出ている時間)が長いので、1時間分時計を進めて、一日のサイクルを1時間早めるのです。
別名「デイライト・セービング・タイム」
とも言うそうですね。
で、サマータイムの期間はいつからで、時計を1時間進めると具体的にどんな効果が出るのか?
今回は、サマータイムの期間と効果(メリット、デメリットなど)について調べてみました。
皆様のお役に立てれば幸いです。
■サマータイムの期間はいつから?
サマータイムの期間は国によって違います。
時差があることと、日照時間が世界各地によって異なるためです。
サマータイムを実施している国々の期間は以下のとおりです。
- ヨーロッパ諸国(一部の国を除く)
3月最終日曜日午前1時~10月最終日曜日午前1時(UTC基準)
- アメリカ合衆国(一部除く)
3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時(現地時間基準)
- カナダ(一部除く)
3月第2日曜日午前2時~11月第1日曜日午前2時(現地時間基準)
- オーストラリア(一部地域のみ)
10月第1日曜日午前2時~翌年4月第1日曜日午前3時(現地時間基準)
- ニュージーランド(一部除く)
9月最終日曜日午前2時~翌年4月第1日曜日午前3時(現地時間基準)
- メキシコ(一部除く)
4月第1日曜日午前2時~10月最終日曜日午前2時(現地時間基準)
- ブラジル(一部除く)
毎年10月第3日曜日午前0時~翌年2月第3日曜日午前0時(現地時間基準)
こんなところですね。
特に北半球と南半球では、夏と冬が逆転します。
なので、オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルの南半球では10月~翌年2月の間がサマータイムになります。
■サマータイムのメリット
サマータイムのメリットをざっくり書くと
- 照明の節約
- 経済の活性化
- 余暇の充実
以上の3つが挙げられます。
時計を一時間進めただけで、なぜ上記のような効果が出るのか?
どうもいまいち、ピンときませんね・・・。
そこで、もう少し突っ込んで調べてみると、
「なるほどな」
と思えるようになってきました。
その理由は以下のとおりです。
・メリット1 照明の節約
時計を一時間早めても、実際に太陽が出ている時間は変わりません。
つまり、日照時間は同じ。
例えば、サマータイム上では午後5時でも、実時間では午後4時の太陽の高さです。
それはつまり、一時間分長く太陽が出ていることになるワケですね。
逆に言えば、太陽が沈むのが一時間遅くなるとも言えるのです。
太陽が一時間遅く沈むということは、その一時間分は無駄な照明が要らないということ。
例えば、午後5時に終業する職場の場合、サマータイムで一時間ずれているので、実際の太陽の位置は午後4時の高さ。
午後4時は、結構明るいので、その分照明が不要になるワケですね。
まあ、午後4時は夕方。
夕方が明るいか暗いかというのは、天候や人の感じ方によっても違ってくるので、照明器具の使い方は人それぞれ・・・。
必ずしも、照明の節約になるかどうかは微妙な感じかもしれませんけどね。^^;
・メリット2 経済の活性化
時計を一時間早めるということは、その分朝早く起きることになります。
一時間早く会社に行くことになるので、その分、仕事も早く始まります。
会社間の取引が一時間早まるので、その分、モノやマネーや株も早く動くことになるわけです。
それが経済の活性化に繋がるらしいのですが・・。
夏時間を導入した次の日は、全てが一時間早い行動になるワケですが、その次の日以降は結局同じ。
時計を一時間進めようが、一日は24時間サイクルのままで進むのです。
しかも、冬時間制度も存在し、また一時間時計を元に戻すのです。
ですので、年間を通して考えるなら、夏時間で一時間時計を進めたところで、経済が活性化するとは思えない・・・。
また、パソコンやサーバー機器などの時計を変えるのは非常に面倒な作業で、素人にはできません。
SEやその他技術者を動かすことになるので、その分、人件費などのコストがかかります。
大規模なIT企業ほどコストも甚大になるでしょう。
こういう理由もあって、経済の活性化には繋がりにくいんじゃないかなと思うわけです。
ただし、下の余暇の充実で後述しますが、サマータイム導入時の人間活動時間は確実に増えるので、その分、お金を使う人も増えるというのも事実。
ゆえに、マネーフローの面から考えると、経済は一時的に活性化するかもしれませんね。
・メリット3 余暇の充実
時計を一時間進めれば、その日は一時間早く仕事が終わるので、一時間早く帰宅することができますね♪
(※急な残業等の例外は今回省きます)
つまり、その分自由な時間が一時間増えるのです。
「やったー!ラッキー♪(*^▽^*)」
と、思う人もいるかもしれませんが、
それは違います。
前述の経済の活性化で書いたことと同じことを書くことになりますが・・・。
一時間時計を進めるということは、その分早く次の日がやってくるわけです。
一時間早く起床しなくてはならず、一時間早く学校や会社に行かなくてはならなくなるのです。
つまり、結局のところ、
今までと同じなんですwww
一時間得をするのは、
サマータイムを導入したその日だけ。
まあ、その日だけは皆が喜ぶので、ラッキーデーとも言えますけどね。
本当にささやかな喜びだと思います。
■サマータイムのデメリット
・メリット2 経済の活性化のところでも書きましたが、コンピューター関係の時計を調整するのはとても大変なことなのです。
多くのIT系電子機器を所有する企業ほど、時間調整に必要なコストが甚大になります。
余談ですが、時計屋さんは大変です!
“店に飾ってある全部の時計を1時間進めないといけない”
という面倒なケースの店もあるでしょうね。
時計が1000くらいあったらどうするのだろうか・・・?
私が店主なら、
諦めて開き直ります。
客が買ってくれた時計だけ、時間を調整します。
これで解決。( ^ー゜)b・・・?
余談はこのへんにしておきまして・・・。
サマータイムで活動する国の企業が、サマータイムを導入していない国の企業と仕事の取引などのやりとりをしようとします。
そういうケースの場合、両社間の時間の誤差が大きくなるので、商談がまとまりにくくなるということも十分に考えられます。
更には、
- サマータイムを導入すると
交通事故や犯罪が増える。
という見方があります。
太陽が一時間長く出ているので、一時間分、人間の活動時間が増えるといっても過言ではありません。
その分、車を飛ばしてドライブにしゃれ込む輩も増えるし、ドライブの行き先でトラブルが発生する可能性も十分にありえるワケです。
ゆえに、サマータイムを導入すると
“必然的に交通事故や犯罪が増える。”
という見解ですね。
犯罪の発生はともかくとして、交通事故が増えるという点に関しては一理あると言えますね。
特に欧米は、日本以上の車社会。
故に、交通事故が起きる確率は日本よりも大きいと言えます。
■まとめ
- 夏時間は時計を1時間進めること
- 照明の節約には多少なる
- 一時間分の余暇が増え
その分人の活動時間が増える
- 人の活動時間が増え
マネーフローの側面では
経済は活性化する
- ついでに交通事故や犯罪などの
社会的なトラブルも増える
こんなところですね。
サマータイムの導入によって、必ずしも良い効果が出るということではありませんね。
導入に賛否両論があるのもうなずけます。
それに、単純に「面倒くさい」という理由で、サマータイムを導入していない国もたくさんあることも事実です。
日本もその一つ。
実は昔、日本でもサマータイム制が導入されていた時期がありました。
(1948~1952年の約4年間)
しかし、日本列島は縦に長いので、サマータイム制を導入するには、日照時間に差がありすぎることが問題でした。
さらに、周辺のアジア諸国が夏時間を導入していないなどの理由で、サマータイム制は廃止されたのです。
また、1990年代後半以降、度々サマータイム制の導入が国会で検討されてきましたが、同じ理由で結局は導入されていません。
今後、サマータイム制が日本に再び導入される日が来るのでしょうか?
個人的には、導入されないと思います。
やっぱり、面倒くさいので(笑)
では、今回はこの辺で。