普段来ている服は、デザイン・色彩ともに西洋化、多様化の一途をたどっていますが、昔ながらの日本古来の着物がまだまだ着られているのも事実。
そこで疑問がひとつ。
着物のことを呉服ということがありますよね?
じゃあ、着物と呉服の違いは何なのか?
気になりませんか?
今回は、着物と呉服の違いについてチェックしてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■着物と呉服の違い
着物と呉服はどう違うのか?
その答えはズバリ、
- 着物=足首まで裾があり最後に帯を締める和服
- 呉服=絹の生地
なのです!
そう、呉服とは絹の生地のことであって、実は着物のことを指してるワケではなかったのです!
つまり、着物と呉服は、
イメージが混同されて定着してしまったのです。
ではなぜ、
着物と呉服が混同されてしまっているのか?
それを説明するには、
呉服の由来から説明する必要があります。
■呉服の由来
呉服とは、実は古代中国の呉の国が由来となっています。
呉の国の身分の高い人たちは、絹でできた服を着ていました。
その絹が、弥生時代の日本に伝わったのです。
当時の日本には、綿と麻の生地しかなかったため、美しい絹の生地は大変貴重な生地として扱われました。
もちろん、非常に高価だったため、一部の身分の高い高貴な人たちしか扱うことができず、庶民が絹の生地を使って服を作ることはできませんでした。
で、当時の日本では、
布の生地のことを服(はとり)と呼んでいました。
ここまで来たら、もうお分かりですね。^^
呉から来た絹の生地
↓
呉から来た服(はとり)
↓
呉服
となったワケです。
以上が呉服の由来です。
では、そろそろ本題に!
なぜ、着物と呉服が混同されてしまっているのか?
その理由は、江戸時代にあります。
■着物と呉服の混同の理由
着物と呉服が混同されるようになった理由は、江戸時代の呉服屋にあります。
前項目で呉服の由来について書きましたね。
江戸時代の呉服屋とは、絹の生地を扱う問屋だったのです。
(当時のアパレル企業のようなもの)
もちろん、絹の生地は高価なため、それを買ったり扱ったりできるのは、豪商、上級武士、公家など高貴な身分の人たちばかりでした。
つまり、庶民は絹を知らなかった。
そんな呉服屋が、ある画期的なサービスを始めました。
それが、着物の仕立てだったのです。
当時は、着物の仕立ては、ほとんどの場合、庶民が自分でやっていました。
(もちろん、専門の仕立て職人もいました。)
単に絹の生地を売るだけではなく、専門の仕立て職人を雇い、絹の生地で出来た着物を仕立てて、お客様に振る舞ったというワケです。
呉服屋に入っていった客が、普通の生地で出来た着物とは、明らかに違う色つやと輝きを持つ着物を着て出てくる。
そんな姿を見た庶民は、
呉服の本当の意味を知らないので、
どんな着物なんだろう?
と、様々な想像をしたのです。
そして、呉服屋から出てくる人が着る綺麗な着物を呉服と呼ぶようになったのです。
このことが、着物と呉服を混同するルーツとなったのです。
その後、呉服屋でも普通に着物が売られるようになったので、着物と呉服が混同されたまま、現代にまで伝わっているというワケですね。
以上が、着物と呉服が混同されている理由です。
いかがでしたか?
意外でしたね!
今まで呉服は着物の一種だと思っていましたが、まさか、呉服の本当の意味は絹の生地だったとは夢にも思いませんでした。
思わぬところに知らない知識がある。
雑学は本当に面白いですね♪
では、今回はこの辺で。