蚊に刺されたら、単に痒くなるだけではありません。
蚊は様々な病原菌やウイルスを保菌していることが多いのです。
蚊が持ってくる大抵の病原菌やウイルスは人に無害か軽微な害なので、刺されても痒かっただけで、病気が発生せず気付かないままで済んでいることがほんとんどです。
人の免疫力さまさまですね♪
しかし安心はできません。
蚊の中にはデング熱などの、ちょっと危険なウィルスや、マラリアといったかなり危険なウィルスを媒介する種類もいるのです。
蚊による感染症の中でも死亡する例があるものもあります。
今回は、蚊が原因で発症する病気についてチェックしました。
皆様の参考になれば幸いです。
■デング熱
2014年に再び日本で感染が拡大した熱病ですね。
デングウィルスが原因の病気です。
媒介する蚊は、ネッタイシマカ、ヒトスジシマカ。
症状は風邪に似ているとのこと。
高熱が出るだけで2~3日で治ってしまうことがほとんどなので、デング熱と気付かずに、自然に治ってしまっている人も多いと思います。
ただし、体力が無い老人や免疫力が低い赤ちゃんや乳児が感染すると危険です。
また、デングウィルスには4種類あって、一つのデングウィルスに感染している時に別のタイプのデングウィルスに感染すると、症状が大幅に悪化し、意識混濁の後に死に至るケースもあります。
現在のところ、デング熱のワクチンや予防接種はありません。
しかも、開発すらされていません。
理由は以下のとおり。
- 患者の症状が軽い場合がほとんど。
- 対症療法で治療可能。
- 流行期間が短い。
- ワクチン等の開発期間は(数年)かかる。
- 開発費用が莫大。
以上の理由から、時間的にも経済的にも割に合わないので開発されないのです。
ですので、現状の予防策は蚊に刺されないことだけです。
しかし、対処療法はあります。
蚊に刺された後に高熱が出たら、デング熱かもしれません。
まずは病院へ。
■マラリア
非常に恐ろしい病気で、マラリア原虫と呼ばれる単細胞生物が病原体です。
デング熱とは比べ物にならないほど症状が酷く、頭痛・高熱・吐き気などを長期間引き起こします。
治療が遅れると死に至る可能性が高いので、病院で抗マラリア剤などを処方してもらいましょう。
マラリア用のワクチン自体は海外では開発され、2020年現在、アフリカの一部地域でマラリアワクチンの接種が始まりました。
世界的には、まだ完全な実用化にまでは至っていないようです。
日本でもマラリアワクチンを開発中だそうです。
■日本脳炎
日本脳炎ウィルスが原因の病気です。
家畜伝染病の一つで、豚や馬などの家畜が感染するが、その感染した家畜をコダカアカエイカという蚊が刺し、ウィルスに感染して媒介します。
そのコダカアカエイカに人が刺されると、日本脳炎を発症する可能性が出てきます。
しかし、発症率が極めて低い。
1%弱という低確率なので、日本脳炎にかかる人はほとんどいないそうです。
それに、日本では日本脳炎の予防接種が義務付けられているので、小さい頃にワクチンを受けなかった人以外は、ほとんど大丈夫です。
しかし万が一、日本脳炎を発症してしまったら対処療法しかありません。
発症した場合の死亡率は20%程度ですが、治ったとしても脳に重大な後遺症が残る可能性大です。
発症者のほとんどの人が、まともな人間として生活できなくなります。
病気を治すというよりも、発症自体を抑えるという予防の手段しかない、非常に恐ろしい病気ですね。
■ウエストナイル熱
日本脳炎の海外バージョン。
蚊だけでなく鳥も媒介宿主になっている。
蚊よりも長距離を飛んでいける鳥が媒介宿主となっているので、ウェストナイル熱の分布は、アフリカ~南ヨーロッパ~西インドなどの広範囲にわたっています。
このウィルスに感染しても発症率は20%程度と低め。
発症しても高熱や吐き気、発疹が出来る程度で済むことがほとんど。
ただし、重度発症するとウェストナイル脳炎となり、日本脳炎の様な酷い結末を迎えることになる。
2020年現在、人間用のワクチンは存在しません。
発症したら、治療は対処療法しかありません。
ただし、馬用のワクチンは存在するようです。
■チクングニア熱
デング熱に似たタイプのウィルス性伝染病。
媒介する蚊も、デング熱と同じでネッタイシマカとヒトスジシマカ。
40℃以上の高熱が出ることがあるそうです。
特に、間接が非常に痛むことが特徴。
熱が下がっても、間接が痛いまま、2年程苦しめられるケースもあるそうです。
ワクチンは開発されたようですが、資金提供が打ち切られたため、実用化にまで至らなかったとのこと。
しかし、発熱用の対症療法が有効であることと、この病気による関節痛には、クロロキン(抗マラリア剤の一種)が効くので、専用のワクチンが無くても何とかなっている模様。
■ジカ熱
ネッタイシマ蚊を媒介して、ジカウイルスが人間に感染することで発症する病気です。
詳細はこちら(別サイト)
こんなところですね。
今回は、蚊から感染する危険な病気について書きました。
しかし、実際に病院に行かないと、どんな病気なのかは素人ではわかりません。
病気にかかってからでは遅いことだってあります。
私達が普段からできることは、蚊に刺されないようにすることだけです。
蚊に刺されない方法については、こちらのページで紹介しています。
是非とも参考にしてみてくださいね。
では、今回はこの辺で。
■関連項目