よくNHKの紅白や歌謡祭、夏フェスなどのイベントで、最後に演じる人や披露する人を“トリ”と言いますよね?
このトリの意味は、ズバリ、
- 最後にシメる人
です。
この意味に関しては、皆さんもよくご存じだと思います。(笑)
でも、ここからが本題。
なぜトリと言うのか?
あなたは知っていますか?
なぜトリと言うのかを説明するには、
トリという言葉の語源(ルーツ)にさかのぼらないといけません。
■トリの語源(ルーツ)
実は、トリの語源は寄席(よせ)にあります。
寄席とは、講談、浪曲、落語、漫才などを行う場所のこと。
この寄席で様々な興行が行われるワケですが、演芸などにおいて最も実力がある人が、各興行の最後に演じているのです。
この、最後に演じる人を「取り」と言いました。
この「取り」は取締役の取りと同じ意味で、他の出演者の取り分(出演料)を取り決める役割があったのです。
ちなみに、他の出演者の取り分のことを「割り」と言います。
興行収益が「取り」によって分割されて渡されるからです。
以上の「取り(トリ)」という呼び方と、「最後に演じて(興行を)シメる」という役割が、そのまま現代にまで使い続けられているというワケですね。
現代の芸能界では、最後の「トリ」に選ばれるということは、それだけ重要視されているということ。
つまり、NHKの紅白や、歌番組のスペシャル、夏フェスなどの大イベントで、トリを演じるということは、
- 自分が(色んな意味で)一番実力がある
ということになるため、芸能人にとっては非常に名誉なことなのです。
音楽のスペシャル番組や夏フェスなどのトリをそれとなく調べてみてください。
大体が、「あ~、なるほどね」とうなづける実力派です。
(もちろん、例外もありますがw)
■【余談】紅白のトリと大トリの違い
NHKの紅白にはトリと大トリがありますよね。
このトリと大トリの違いは、
- 紅(白)組の最後に歌う人
- 番組の最後に歌う人
にあります。
例えば、先行が白組の場合、
- 白組の最後に歌う人がトリ。
- 紅組の最後に歌う人が大トリ。
ということになります。
逆に、先行が紅組の場合、
- 紅組の最後に歌う人がトリ。
- 白組の最後に歌う人が大トリ。
になるのです。
要するに、後攻のトリの人が大トリになるワケですね。
ここまで読んで、ピンときた人もいると思いますが、大トリとは、紅白歌合戦のような複数のチームで競い合うモノで使われる言葉です。
トリよりも後に作られた言葉なんですよね。
なので、普通の寄席で使われる言葉ではありません。
つまり、大トリという言葉は、NHKの紅白歌合戦がキッカケで生まれたのです。
こうして調べてみると、中々面白いですね。
雑学が一つ増えました。(笑)
紅白を見る時にこれを語れば、家族の団らんに色を添えることができるかもしれませんね。
では、今回はこの辺で。