11月26日はペンの日だったんですね。
ペンの日と聞くと、「初めてペンを製造した記念日かな?」などと思ってしまう人がいるかもしれませんね。
でも、違います。
ペンの日とは、日本ペンクラブが1965年(昭和40年)に制定した記念日です。
日にちは、1935年(昭和10年)の11月26日に日本ペンクラブが創立されたことに由来します。
ペンの日のペンとは、P・E・Nのイニシャルのことで、
- P=Poets(詩人)およびPlaywrights(劇作家)
- E=Essayists(随筆家)およびEditors(編集者)
- N=Novelists(小説家)
という職業を意味しています。
つまりは、ペンをメインに使う職業の人たちのことですね。
なお、ペンの日は、日本記念日協会では正式な記念日として登録されていませんが、サイト内に「ペンの日」が記述されています。
■日本ペンクラブとは?
日本ペンクラブとは、「国際ペン憲章」に基づいて、
- 「文学の普遍的価値の共有」
- 「平和への希求と憎しみの除去」
- 「思想・信条の自由、言論・表現の自由の擁護」
を基本理念として活動している組織だそうです。
初代会長は島崎藤村氏。
教科書にも出てくる有名な詩人・小説家ですね。
国際ペン憲章は以下のとおりです。
P.E.N.憲章は国際大会(複数)で採択された諸決議案を基盤とするものであり、次のように要約されるであろう。
P.E.N.は以下を確認する。
- 文芸著作物(literature)は、国境のないものであり、政治的なあるいは国際的な紛糾にかかわりなく人々の間で共有する価値あるものたるべきである。
- 芸術作品は、汎く人類の相続財産であり、あらゆる場合に、特に戦時において、国家的あるいは政治的な激情によって損われることなく保たれねばならない。
- P.E.N.の会員たちは、諸国間のよき理解と相互の尊敬のためにつねにその持てる限りの影響力を活用すべきである。人種間、階級間、国家間の憎しみを取り除くことに、そして一つの世界に生きる一つの人類という理想を守ることに、最善の努力を払うことを誓う。
- P.E.N.は、各国内およびすべての国の間で思想の交流を妨げてはならないという原則を支持し、会員たちはみずからの属する国や社会、ならびに全世界を通じてそれが可能な限り、表現の自由に対するあらゆる形の抑圧に反対することを誓う。P.E.N.は言論報道の自由を宣言し、平時における専制的な検閲に反対する。P.E.N.は、より高度な政治的経済的秩序への世界が必要としている進歩をなしとげるためには、政府、行政、諸制度に対する自由な批判が不可欠であると信ずる。また自由は自制を伴うものであるが故に、会員たちは政治的個人的な目的のための欺瞞の出版、意図的な虚構、事実の歪曲など言論報道の自由にまつわる悪弊に反対することを誓う
引用元:日本ペンクラブ公式サイト「日本ペンクラブとは」ページ
国際ペンとは、1921年に創立された組織で、文筆家を通して国際間の理解と友情を深め、表現の自由を守ろうと活動している組織です。
「国家間に溝が深まる時でも、国際ペンは友好への掛け橋を閉ざすことのない類まれなる組織である。」
― マリオ・ヴァルガス・リョサ ―
こんなところですね。
日本ペンクラブの理念の「思想・信条の自由、言論・表現の自由の擁護」に関しては、私個人も賛成するところです。
思想の自由と言論・表現の自由によって、様々な素晴らしい娯楽作品が誕生してきましたからね。
確かに、言いたいことを言って表現できる社会は素晴らしいです。
ですが、同時に、
「言うべきではないことを言ってしまえる社会はダメ」
と、私は考えています。
SNSや週刊誌等のメディアで、行き過ぎた言論や表現(誹謗中傷など)、間違った情報を正しいかのように表現して流布するのを見るたびに、
「言論の自由や表現の自由にも、ある程度の制限や罰則を法律で決めた方がいいかも」
と思ってしまいます。
ネットインフラが充実した現代は、あらゆる情報を簡単に流せてしまう社会です。
故に、情報を流す側の人間には、大きな責任があることを自覚すべきですね。
堅苦しい話になってしまいましたね。
では、今回はこの辺で。
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