ライム病をわかりやすく言うと、
マダニに刺されて赤く腫れる病気
です。
写真で見ると、こんな感じです。↓
しかし、重症化すると
ただ腫れるだけじゃなく、
もっとヒドイことになります。
今回は、恐るべきライム病について、
原因・症状から治療・予防までチェックし、
わかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■ライム病の原因
ライム病の原因は、
ボレリア菌と呼ばれる細菌です。
↓ボレリア菌
ボレリア菌は、実はマダニの体内に住んでいます。
つまり、マダニに感染しています。
そのマダニが人間を刺すことで、初めて人間がボレリア菌に感染するのです。
“マダニに刺されて感染する”
という意味では、
SFTSウイルス感染症と同じですね。
といっても、マダニ全部がボレリア菌を持っているわけではなく、以下のマダニに咬まれることで感染するそうです。
- スカプラリス・マダニ(北米)
- リシナス・マダニ(欧州)
- シュルツェ・マダニ(日本)
- イクソデス・マダニ(その他)
↓シュルツェマダニ
日本でライム病にかかる人は、
シュルツェ・マダニに刺された人です。
といっても、マダニは小さいので、刺したマダニがシュルツェマダニかどうかまでは、その場で判断するのは難しいのが現状です。
■ライム病の症状
冒頭でも写真付きで少し書きましたが、
ライム病の症状は、
皮膚が赤く腫れあがる
というものです。
しかし、それだけでは済みません。
症状が悪化すると、
以下のような症状が出てきます。
- 筋肉痛
- 関節炎
- 発熱
- 悪寒
- 倦怠感
これらの症状を見ると、
インフルエンザに似た症状と言えます。
さらに悪化すると、
それらの症状が慢性化し、
- 歩行困難
- 角膜炎
- 脳脊髄炎
を引き起こしてしまうことになります。
実に恐ろしいですね。
しかしながら、ボレリア菌に感染したマダニに刺されても、ライム病を発病しない人もいます。
その確率は25%。
つまり、
免疫力が高い人は
感染しても発病しないことがある
のです。
ちなみに、ライム病にかかっているかどうかは、病院で検査してもらわないとわかりません。
なので、前述のような症状が出てきたら、すぐに病院で診てもらったほうが良いでしょう。
■ライム病の治療
ライム病の基本的な治療は対症療法です。
発熱には解熱剤、筋肉痛には痛み止めなど、症状に合わせた処置を施します。
ただし、ライム病が重症化した患者の治療には、
- 抗菌薬
- ワクチン※
を投与することもあります。
※ライム病のワクチンは米国で認可されていますが、日本では認可されていません。
ライム病に使われる抗菌薬は、
症状によって異なります。
主に以下の表のものが主流です。
引用元:「IDWR:感染症の話 ライム病」
ちなみに、抗菌薬とは、
抗生物質や人工合成された化学物質の薬の総称です。
抗菌薬は抗生物質そのものを指すワケではないので、誤解のないように。
■ライム病はうつるの?
ライム病は、人から人にうつるのか、
やっぱり気になりますよね?
ご安心を。
- ライム病は他人にうつりません
つまり、二次感染はありません。
ただし、ボレリア菌に感染した人の血液を直接輸血した場合は感染の可能性があります。
まあ、そんな医療ミスに匹敵するような事態は、日本ではありえませんけどね。
余談ですが、ライム病の“ライム”の由来は、USAのコネチカット州にある都市、「ライム」および「オールドライム」。
1975年に、両都市で初めて発病者が確認されたことから、ライム病と名づけられたのです。
■ライム病にかからないための予防法
ライム病の予防法は至って単純です。
- マダニに刺されなければいい
ただこれだけです。
そもそもマダニは、家に住むイエダニとは違って、自然の中で生息する虫です。
主に草むらや藪などに住んでいます。
ですので、
- 草むらや藪に入らないのが
一番のライム病予防方法
というワケですね。
どうしても、草むらや藪に入る必要がある時は、長袖の服を着て肌の露出を減らすか、虫よけスプレーなどの防虫剤を肌に塗っておきましょう。
詳細はこちらのページをご覧ください。
■まとめ
- ライム病は皮膚が赤く腫れあがる病気
- 悪化するとインフルエンザに似た症状が出る
- ライム病の原因はボレリア菌
- 特定のマダニに刺されることで
ボレリア菌に感染する
- ライム病かどうかは
病院で検査しないとわからない
- ライム病が重症化すると歩行困難になり
抗菌薬やワクチンが必要になる
- ボレリア菌に感染しても
ライム病を発症しない人もいる
- 最も有効な予防方法は
マダニに刺されない事
以上、こんなところですね。
まあとにかく、マダニに刺されないように、防虫・虫よけ対策もしっかりと準備してから出かけましょうね。
それに、マダニにだけじゃなく、蚊、蜂、アブ、ムカデなど、虫に刺されるとロクなことになりません。
そういう生き物がいる場所には近づかないのが無難なのです。
では、今回はこの辺で。
■関連項目