特に悪いことやミスをしたわけでもないのに、夫に対してキツイ感じの態度。
妊娠中でナーバスになっているならともかく、出産後も何故かイライラしている。
一体なぜイライラしているのか?
知りたくありませんか?
その答えはズバリ、
ホルモンバランスの乱れと共同養育ができないせい
です。
「ホルモンバランスってなに?」
「専門用語で言われてもなぁ…」
「共同養育って、具体的にどういうこと?」
などと、困惑する方もいらっしゃると思います。
なので、順序立てて説明させていただきますね。
●イライラの原因その1
ホルモンバランスの乱れ
女性は妊娠すると、胎盤から様々なホルモンが分泌されます。
その中のひとつがエストロゲンです。
大人の方なら、一度くらいは聞いたことがある名前だと思います。
エストロゲンは、お腹の中の赤ちゃんを育てるのに重要な役割を果たすホルモンです。
しかし、そのエストロゲンが、妊娠中のイライラの原因になっているのです。
エストロゲンは出産直前まで分泌量が急激に増え続け、出産直後から一気に分泌量が減ります。
胎児の成長のためのホルモンなので、出産後は分泌量が一気に減るのは、まあ当然ですよね。
そのエストロゲンの分泌量の急激な増減が、妊婦さんのイライラや不安を引き起こすワケです。
つまり、妊娠中に女性がイライラするのは、仕方がない現象なのです。
しかし、出産してしばらくしても、ママさんはイライラや不安な状態が続きます。
その理由は、別のホルモンが分泌されるようになるからです。
そのホルモンとは、オキシトシンです。
オキシトシンは、主に授乳中に脳から分泌されます。
別名「愛情ホルモン」とも呼ばれるホルモンで、赤ちゃんとの絆を深め、愛情深く子育てに専念するようになると言われるホルモンです。
しかし、同時に、オキシトシンは、“攻撃性を増す”という真逆の側面もあるホルモンでもあります。
これは実は、自分の子供を守るために必要な攻撃性なのです。
例えば、野生の子連れ熊。
子連れの熊は大体が雌の母熊で、出産からしばらくの間は、本能的に外敵から子供を守ろうとし、攻撃的になります。
それと同じように、人間の母親も攻撃性が増すのです。
その、オキシトシンによる攻撃性こそが、産後のイライラや不安の原因なのです。
以上のことから、エストロゲンの大きな増減やオキシトシンの分泌によるホルモンバランスの乱れこそが、妊娠中から出産後のイライラや不安の原因のひとつと言えるワケですね。
ただし、エストロゲンやオキシトシンが分泌されたからといって、ママさんたちが年中イライラしているワケではありません。
ママさんたちがイライラする原因は、実はもうひとつあります。
それは、育児環境です。
●イライラの原因その2
共同養育ができない
出産後のイライラの原因は、
実はオキシトシンだけでなく、
育児環境が大きく関わっているのです。
原始時代の人間は、本来は群れで生きる動物だったのです。
その名残りとして、アフリカの原住民などに見られる部族のような集団があります。
そういった部族などの集団では、子供に対する共同養育が行われます。
集団内の子供たちの面倒を、同じ集団内の仲間同士で、みんなで養育するのです。
それは、自分や夫以外に、子供を守り、子育てに協力してくれる仲間が大勢いることを意味します。
なので、出産後にオキシトシンが分泌されて、ママさんの攻撃性が多少増したとしても、大勢の仲間の協力があるため、イライラすることがあまりなく、安心して子育てできるのです。
つまり、原始的ではあれど、子供を育てるための育児環境が理想的だったのです。
しかし、現代の先進国では核家族化が進み、子供の面倒をみてくれる人(守る人)は、自分か夫しかいないことがほとんど。
集団による共同養育ができない状態にあります。
そんな不安な状態で、夫が育児に協力的じゃないと、当然ストレスが溜まり、オキシトシンの影響も重なって、余計にイライラを起こしやすくなるワケです。
以上が、妊娠中から出産後のママさんたちがイライラする理由です。
育児環境、とっても大事ですね。
じゃあ、パパさんたちはどうしたらいいのか?
その答えはズバリ、
- ちゃんとママさんと向き合って会話し、
しっかりと話を聞いてあげること。 - 子育てで、夫がやるべきことをちゃんとやること。
これら2つで、ママさんのイライラは大体解消されます。
核家族化が当たり前になっている今、子育てでは、夫の協力はとても大事です。
しっかりと、家族の絆と幸せを育んでくださいね。
では、今回はこの辺で。