RSウイルス感染症とは文字通り、
呼吸器系の器官(気管支、肺など)に
RSウイルスが感染すること
です。
気管支炎や肺炎の原因の一つになっている、
恐ろしいウイルス感染症なのです。
RSウイルス(respiratory syncytial virus)↓
RSウイルスは、主に11月~1月、
つまり晩秋~冬にかけて蔓延します。
その感染力は非常に高く、2歳までの乳児の体内に入り込んだら100%感染します。
故に、乳児がかかる代表的な感染症のひとつになっています。
今回は、そんな恐ろしいRSウイルス感染症の主な症状、治療方法や感染経路などの情報をわかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■RSウイルスの症状
その症状は風邪の症状によく似ています。
- 咳
- 発熱
- 鼻水
などのが出ます。
RSウイルスに感染しても、大抵は1週間前後で回復してしまうので、風邪だと勘違いしたままの人も多いのです。
しかし酷くなると、細気管支炎を発症し、「ぜーぜー」や「ひゅーひゅー」といった、喘息に似た症状まで出てくるようになります。
そうなった場合は、風邪ではなくRSウイルス感染症を疑ったほうがよいでしょう。
まあ、RSウイルス感染症なのかどうかは、病院で検査しないとわかりません。
検査については、インフルエンザと同じ方法で行われますので、病院の込み具合にもよりますが、30分前後で結果が出ます。
とにかく、
- 乳児はRS感染症が重症化しやすい
ので、風邪の症状が出たら、
すぐに病院で診てもらうのが一番です。
もしも重症化してしまうと、
- 肺炎
- 慢性気管支炎
という重病になってしまう可能性もあります。
とにかく、症状が出たら病院へ行くことが大事です。
■乳児や大人への治療方法
治療方法は、乳児・大人に限らず同じで、
- 対症療法
- パリビズマブの投与
の、どちらかになります。
大抵の場合は、各症状に対する対症療法になります。
熱には解熱剤、咳には咳止めなどを処方します。
RSウイルスの撃退は、身体の持つ治癒力に任せるワケですね。
そう聞くと、「自宅でかぜ薬を飲んでいたら、治ってしまった。」というケースがあるのも、まあ、うなづけますね。(苦笑)
一方で、「パリビズマブ」とは、抗ウイルス薬の一つで、RSウイルスの撃退に効果があります。
通常では使いませんが、入院が必要なほど患者の症状が酷い場合に投与されるそうです。
つまり、余程のことがない限り、「パリビズマブ」は使用されません。
余談ですが、
RSウイルスには抗生物質が効きません。
抗生物質は、対病原菌用の薬であって、ウイルスには無効です。
よって、対症療法で対応するか、パリビズマブを投与するしかないのです。
■RSウイルスの感染経路
RSウイルスは人間だけでなく、
チンパンジーや牛、ヤギなどの家畜も感染します。
主な感染経路は、
- 接触感染
- 飛沫感染
の二つです。
接触感染の場合は、感染者の唾や痰、鼻水(またはそれらが付着した玩具など)に触れた手で自身の粘膜を触ったりすることで感染します。
飛沫感染の場合、咳やくしゃみで放出されたRSウイルスを吸い込んだりすることで感染します。
つまり、触れても触れなくても、
- ものすごく感染しやすい
ということです。
ただし、感染してすぐに発症するワケではありません。
潜伏期間が2日~8日と幅があるので、感染原因を特定しにくいという面もあります。
ちなみに、乳児だけでなく、免疫力が低下した老人も発症することがあります。
乳児は免疫力が低いので、RSウイルスに感染しやすいというのもうなずけますね。
■RSウイルスの予防方法
予防法は実は非常に単純です。
- 患者に近づかない
- マスクをつける
- うがいをする
- 手を洗う
風邪やインフルエンザを予防するのとほぼ同じ方法で予防できます。
ただし、感染力が強いのは確かです。
なので、乳幼児が普段使う、おもちゃや哺乳瓶などもちゃんと洗浄しておきましょう。
また、RSウイルスは、イソジンやミルトンなどに含まれる消毒成分や消毒用アルコールなどに弱いので、それらを使用して予防することもできます。
■まとめ
- RSウイルス感染症は
呼吸器系の病気
- 11月~1月にかけて流行する
- 免疫力が低い乳児や老人がかかりやすい
- 症状は咳・発熱・鼻水で
風邪に似ている
- 重症化すると
気管支炎や肺炎の原因になる
- 主な治療方法は
対症療法
パリビズマブ※の投与
(※抗ウイルス剤の一種)
- RSウイルスは感染力が強い
- 感染経路は飛沫感染と接触感染の両方
- RSウイルスの潜伏期間は2~8日
- RSウイルス感染症の主な予防方法は
患者に近づかない
マスク着用
うがい
手を洗う
アルコール消毒
などがある
以上、こんなところですね。
RSウイルスは感染力が強くて蔓延しやすいウイルスです。
しかしながら、
- 患者に近づかない
- マスク、手洗い、うがいをする
- 普段から清潔にする
これら3点に気をつけていれば、予防は十分可能です。
特に乳幼児がいるご家庭の人は清潔を心掛けるべきですね。
では、今回はこの辺で。