早老症は、文字通り早く老化する病気で、
以下の4種類のタイプがあります。
- プロジェリア症候群
(乳児・幼児から発症する早老症) - ウェルナー症候群
(成人後に発症する早老症) - コケイン症候群
(DNA修復機構の異常による早老症) - ロスモンド・トムソン症候群
(皮膚・骨・目の異常 RECQL4遺伝子の突然変異)
近年では、早老症という言葉が指すのは、プロジェリア症候群のケースが多いです。
というワケで、今回は、プロジェリア症候群の早老症についてわかりやすくまとめてみました。
皆様の参考になれば幸いです。
■プロジェリア症候群の早老症とは
プロジェリア症候群の正式名称は、
ハッチンソン・ギルフォード・プロジェリア症候群
といい、病気を端的に言うと、
幼児のまま老けてしまう病気
のことです。
その老化の早さは凄まじく、通常の人の約10倍もの早さで老化していく症例もあるそうです。
逆の言い方をすれば、普通の人の寿命の1/10も生きられないということになります。
よって、成人する前に老衰で死ぬか、早老症が原因で起こる病気で死ぬかのどちらかのケースで一生を終えるそうです。
プロジェリア症候群の子供の平均寿命は約13歳。
中学1年生くらいで一生を終えることになるのです。
■早老症の原因
早老症の原因は、ズバリ
先天的な染色体の異常
です。
プロジェリア症候群の場合は、ヒト1番染色体の構成塩基が1個だけ入れ替わっているのが特徴。
それが原因でDNAヘリカーゼ酵素が異常化し、その異常化した酵素が染色体を傷つけるため、プロジェリア症候群が発症してしまうそうです。
発症時期は、生後半年~2年くらいの模様。
なお、プロジェリア症候群になる確率は
非常に低く、1/4000000~1/8000000程度。
通常は、まず起こらない病気。
が、両親が近親婚(いとこ同士など)の場合、プロジェリア症候群が発症する可能性があるという見解もあるようです。
■早老症の主な特徴と症状
早老症にかかっている人の主な特徴は以下のとおり。
- 皮膚にシワ
- ハゲ頭
- 全身の発育不全(いわゆる小人症)
- 頭部肥大
- アゴが極端に細くて小さい
- カギ鼻
など、この病気を知っている者なら誰でもわかるほど外見が特徴的。
更に、中年以降の年配者がかかるような以下の病気を発症します。
- 糖尿病
- 動脈硬化
- 白内障
- 骨粗しょう症
- 高コレステロール血症
- 老眼
以上のことから、プロジェリア症候群による早老症は、まさしく
幼児のまま老けてしまう病気
なのです。
特に、動脈硬化による血管障害が非常に深刻。
その所為で、循環器系障害を引き起こしやすく、心臓疾患や脳血管障害を発症することもあり、非常に危険な状態にさらされやすい。
それゆえ、早老症にかかった子供の寿命はとても短いのです。
■早老症の治療方法は?
何とかならないのかと誰もが思うところですが、
現在のところ完全な方法はありません。
先天的な染色体の異常なので、根本的に解決する方法がないのが現状です。
ですので、早老症が原因で起こった疾病症状に対してのみ対処していくしかありません。
しかしながら、近年に早老症の新しい治療法が
発見されていた模様です。↓
https://www.natureasia.com/ja-jp/life-sci/research/17
まだ、完全には確立されてはいないようですが、早老症の治療に光を射すのではないでしょうか?
更なる医学・薬学の発展に期待します。
■まとめ
- 早老症には4種類あるが
主にプロジェリア症候群のことを指す
- プロジェリア症候群は
幼児のまま老けてしまう病気
- 原因はヒト1番染色体の異常
- 普通の人の10倍ほどの速さで老化
- 患者の平均寿命は13歳前後
- 根本的な治療方法は無い
こんなところですね。
早老症は生まれた時から既にかかっている避けがたい難病です。
医学の進歩によって、優れた対症療法が出てきているようですが、かからないようにするには、まさしく神頼みなのが現状です。
遺伝子の異常なしで、まともに生まれてきた人は、今の自分の生に感謝するべきですね。
では、今回はこの辺で。