葬式や法事に出席する際には、
香典袋(不祝儀袋)を準備することになります。
よく、葬式や法事に出席される経験豊かな方にとっては、書き方を知っているのは当たりまえなので、大体問題ないと思います。
しかしながら、あまり出席したことが無い方は、いざ出席することになったとき、
「どう書けばいいの?」
と困惑する方もいらっしゃると思います。
そこで今回は、香典袋や熨斗(のし)紙の書き方についてチェックしました。
よく知らない方はもちろん、
よく知っている方も、再確認する意味で読んでもらえれば幸いです。
■香典袋の書き方
香典袋の書き方は、
- 外袋上段に
“表書き” - 外袋下段に
“会葬者名のフルネーム” - 中袋の表面に
“金額” - 中袋の裏面に
“会葬者の〒と住所とフルネーム”
と、4か所にそれぞれの書き方があります。
具体的には、下の各画像の位置に書き込みます。
【注意!】表書きは様々な書き方がありますので、事前にチェックが必要です。
こんなところですね。
表書きや中袋の金額の書き方などの詳細は、各解説をご覧ください。
●1.表書きの書き方
表書きの書き方は、
- 四十九日より前か後か
- 宗教または宗派の違い
によって、以下のように書き方が異なります。
- 御霊前
(四十九日より前。日本の多くの宗派や宗教で通じます。)
(ただし、浄土真宗では御霊前ではなく御仏前を使います。)
- 御仏前
(四十九日より後。主に仏教(仏式)で使われます。)
(ただし、浄土真宗では四十九日より前でも御仏前を使います。) - 御香典
(四十九日より前。日本国内では宗派に関係なく通じるとても無難な表書きです。) - 御香料
(主に仏教(仏式)で使われますが、宗派がわからない場合にも使うと無難です。) - 御供物料
(主に一周忌以降で、お供え物の代わりに現金を包む時に使います。) - 御神前
(主に神道で使われます。) - 御玉串料
(主に神道で使われます。) - 御榊料
(主に神道で使われます。) - 御花料
(主にキリスト教で使われます。)
こんなところですね。
葬式の時は確実に四十九日前になるので、大抵の場合は御霊前でOKです。
しかし、宗派を調べても本当にわからない場合は、御香典か御香料と書くと無難です。
●2.会葬者名の書き方
会葬者とは、香典を持って葬式や法事に出席する人のことです。
あなたが出席するなら、あなたの名前を書きます。
必ずフルネームで書くこと。
名字だけだと、誰だが判らない場合があります。
(例えば、鈴木や佐藤などの苗字だけでは、多すぎて本当に誰だがわかりません。)
ただし、特別なケースで香典を出す場合は、以下のような書き方をします。
◆会社の部署の連名で出す場合
※●●部一同が真ん中に来るようにします。
◆社長の名前で出す場合
※社長の名前が真ん中に来るように調整します。
代表取締役社長の肩書は、小さく書いて社長名の上に小さく書いてもいいですし、会社名の横に改行して、社長名の右側に書くのもありです。
◆夫の代わりに妻が出席する場合
出張などの急用で夫が葬式に出席できず、妻が代わりに会葬する場合に書きます。
◆夫婦連名で出す場合
本来は、夫婦で会葬する場合は連名にする必要がありませんが、妻が故人と縁が深い関係にあった場合、妻の名前も加えて連名で書きます。
例えば、妻の父親の葬式で、妻の母が喪主となる葬式に出席する場合など。
●3.中袋表面の書き方
中袋の表面には金額を書きます。
金額の書き方は、主に旧漢字を用います。
例としては、
- 金五仟圓也
- 金壱萬圓也
- 金参萬圓也
- 金五萬圓也
といった書き方になります。
しかしながら、必ず旧漢字で書かなければならないということではありません。
普通の漢字で書いてもかまわないでしょう。
金額は基本的に頭数が奇数です。
また、四=死・九=苦という不吉なイメージがある数字の金額は、非常に縁起が悪いので使わないほうが良いでしょう。
●4.中袋の裏側の書き方
中袋の裏側には郵便番号(〒)と住所と名前を書きます。
夫婦連名の場合は連名で名前を書きます。
社長の名前で出す場合は、
会社の住所+肩書+社長名を書きます。
住所は会社の住所でよろしいと思いますが、故人と社長の関係が深い場合は、社長の個人宅の住所を書いてもいいと思います。
会社の部署の連名で出す場合は、
会社の住所+部署名一同を書きます。
住所は会社の住所でよろしいと思います。
ただし、袋の裏に書く名前は“●●部一同”で構いませんが、金額の内訳と出した人たちのフルネームと住所等が書かれた明細書のようなメモを、お金と一緒に入れておくと、喪主側の人が後でお礼をするのに便利になります。
・明細メモの例
○○株式会社 ●●部一同
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
鈴木次郎 五千円
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
山田義男 五千円
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
高木志穂 五千円
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
田中宏一 五千円
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
池田 勝 五千円
〒○○○-○○○○
住所:○○県○○市○○町
加藤瀧二 五千円
※上の例は横書きですが、
縦書きで書くのが正解です。
(まあ、中に入れるメモなので、あまり縦書きに拘る必要は無いかもしれませんが、気にする人もいるということを覚えておいてください。)
■中袋が無いタイプの香典袋の書き方
香典袋には、中袋が無い封筒タイプのものもあります。
中袋がないタイプのものでも、
基本的に表面の書き方は同じです。
違うのは、裏面に〒と住所と金額を書くという点です。
氏名は既に表面に書いてあるので省略します。
氏名の代わりに金額を旧字体で書くと考えるとわかりやすいと思います。
■のし紙の書き方
のし紙とは、お供え物が入った箱を包む紙のことで、水引が印刷されています。
(水引がついた高級なものもあります。)
のし紙にも表書きの書き方があります。
最も一般的なものは、
「御供」(ごくう)です。
名前の書き方は香典袋と同じです。
三回忌以降の場合は黄白または青白の水引のものを使います。
(地域や宗派によっては、一周忌でも使うことがあります。)
●香典返しや引出物の場合
香典返しや引出物(お供え物のお返しの品)の場合、
表書きは、
- 志(こころざし)
- 粗供養(そくよう)
- 満中陰志(まんちゅういんし)
(三十五日または四十九日の法要時に使用)
と書きます。
のし紙は一周忌までは黒白水引で、
三回忌以降は黄白または青白水引のものを使います。
時期によって水引の色を選ぶ点は、お供え物の時とほぼ同じです。
名前の書き方も同じで、フルネームを書きます。
以上、こんなところですね。
子供の頃は準備する必要が無かった香典やお供えですが、大人になって初めて香典袋やのし紙の書き方などに、細かい作法や決まりがあることを知る人が多いと思います。
知らなかった人は、良い機会ですので、ここで覚えていってくださいね。
まあ、忘れても、またこのページを読んで参考にすればいいのですが、覚えているに越したことはありませんよね。(笑)
では、今回はこの辺で。
■関連項目