【これで安心!】今更きけない葬式でのご焼香の作法・手順・やり方

急な葬式や法事などで、いざ焼香することになった時に、

「焼香の作法ってどうやるんだっけ?」
「1回だっけ?3回だっけ?」

などと、現地でパニクッてしまわないために、
焼香の作法や手順など、焼香の基本的なやり方をチェックしました!

皆様の参考になれば幸いです。

■焼香とは?

焼香は、亡くなった方や仏に向けて行われる拝礼の一つであり、香を焚くことです。
具体的には、葬儀や法要の場で細かく砕いた香(抹香)を香炉に落として焚きます。
焼香の目的は、心と体の穢れを取り除き、清浄な心でお参りすることです。

焼香には以下のような意味があります。

・故人や仏様へのお供え
焼香の香りは敬意を表すものとされており、香を焚くことで故人や仏に供える意味があります。

・自身と周りの空間を清浄にするため
お参りの場所は、故人を送り出す場所であり、仏をお迎えする場所でもあります。
焚かれる香りや煙によって、自身と周囲の空間を清める意味があります。

・心を鎮めるため
焼香の香りは心身を清め、真摯な心でお参りすることを助ける効果があります。

焼香は仏教における供養の一つであり、故人や仏に対して感謝と敬意を示すために行われます。
焼香の香りには自らの穢れを落とす効果があり、清らかな心身で故人や仏に対して敬意を捧げる意味が込められています。
また、焼香の煙は故人とのコミュニケーションを取る手段とされ、お別れの儀式や故人の魂を迎える場面で使用されます。

焼香の方法は宗派によって異なりますが、基本的には抹香を数回つまみ香炉に落とす手順があります。
つまむ回数は一般的に1回から3回までで、回数によって異なる意味があります。

焼香は穢れを払い清められた状態で故人を供養するための行為であり、仏教の一環として発展してきました。
焼香の香りは仏の食物とされ、故人や仏に食事を楽しんでもらい、来世での幸福を祈るために焼香されます。

また、焼香は私たちの邪気を祓い、精神と肉体の穢れを取り除くとも言われています。
心と体を清めることで、真摯な気持ちでお参りする作法とも言えます。

◆焼香の順番について

焼香は、基本的に故人に近しい人から順番に行います。
つまり、血縁関係者(遺族)が最優先となります。

故に、血縁関係が無い一般参列者は血縁関係者の後になります。

 

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■葬式での焼香の作法・手順(立礼焼香)

立礼焼香は、椅子から立ち上がり、立ったまま焼香を行うため、立礼焼香と呼ばれます。
比較的広い椅子席の会場や式場で行われることが多い、とても一般的な焼香の仕方です。

◆立礼焼香の作法・手順(遺族の場合のやり方)

1. 焼香の順番がきたら、席を立ち、僧侶に向かって一礼
2. 焼香台の一歩手前まで歩き、参列者に向かって一礼
3. 焼香台まで進み、遺影に向かって一礼
4. 宗派ごとの作法に従って、粉末の香(抹香)をつまみます。
 この際、目の高さにまで摘まんだ指をあげる作法の「おしいただく」がありますが、
 これを行うかどうかは宗派によって異なります。
5. 抹香を香炉の中へ落とします。
6. 宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
7. 1歩下がり、遺影に向かって一礼
8. 僧侶に向かって一礼
9. 少し(2、3歩)下がって参列者に向かって一礼に一礼し、席に戻ります。


◆立礼焼香の作法・手順(一般参列者の場合のやり方)

1. 焼香の順番がきたら、祭壇に進み、遺族に一礼します。
2. 焼香台の一歩手前まで歩き、遺族や祭壇を見て一礼(または合掌)します。
3. 宗派ごとの作法に従って、粉末の香(抹香)をつまみます。
 この際、目の高さにまで摘まんだ指をあげる作法の「おしいただく」がありますが、
 これを行うかどうかは宗派によって異なります。
4. 抹香を香炉の中へ落とします。
5. 宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
6. 改めて遺影に向かって合掌し、一礼します。
7. 僧侶に向かって一礼します。
8. 遺影の方を向いたまま、少し(2、3歩)下がり遺族に一礼し、席に戻ります。

 

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■葬式での焼香の作法・手順(座礼焼香)

座礼焼香は、畳の式場で行われることが多い焼香です。
冠婚葬祭の式場だけではなく、ある程度広い喪主の家で行われることもあります。

基本的には立礼焼香と同じ作法・手順で行われますが、待機時と焼香の際に正座する点が異なります。
また、移動する時は腰を低くして移動します。

1. 焼香の順番が来たら前に進み、焼香台の手前で座って、遺族に一礼します。
2. 仏壇(祭壇)の遺影に向かって一礼します。
3. その後、立ち上がらずに膝で焼香台まで寄り合掌します。
4. 宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
 この際、目の高さにまで摘まんだ指をあげる作法の「おしいただく」がありますが、
 これを行うかどうかは宗派によって異なります。
5. 抹香を香炉の中へ落とします。
6. 宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
7. 焼香が済んだら合掌をします。
8. 仏壇(祭壇)前から下がり、遺族に一礼してから立ち上がって戻ります。

 

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■葬式での焼香の作法・手順(回し焼香)

回し焼香は、小型の焼香炉を参列者で回して焼香を行う方法です。
受け取った焼香炉を自分の前に置き、焼香が終われば次の人に回していきます。

回し焼香は、喪主の和式の部屋など、会場が狭いところで行われる方法です。

1. 香炉が回ってきたら、軽く礼をして受け取ります。
2. 香炉を自分の前に置き、仏壇(祭壇)に向かって合掌します。
3. 宗派ごとの作法に従って、抹香をつまみます。
 この際、目の高さにまで摘まんだ指をあげる作法の「おしいただく」がありますが、
 これを行うかどうかは宗派によって異なります。
4. 宗派ごとの作法に従って、1回~3回繰り返します。
5. 合掌してから一礼します。
6. 次の人に香炉を回します。
 自分が最後の場合は、指定の場所または仏壇(祭壇)に焼香炉を戻します。

 

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■線香で焼香を行う場合の作法

基本的に焼香は、粉状の抹香で行われますが、
宗派によっては、細長い棒状の線香を使って焼香を行うこともあります。

作法は、通常の焼香とほとんど同じですが、線香の扱い方が異なります。

1. 焼香の順番がきたら、祭壇に進み、遺族(参列者)に一礼します。
2. 焼香台の一歩手前まで歩き、遺族や祭壇を見て一礼(または合掌)します。
3. 数珠を持っていれば左手に掛け、右手で線香を取ります。
 本数は宗派によって異なりますが、普通1~3本を取ります。
4. 複数本ならば一度に線香に火をつけ、左手で仰いで火をおさめる。
 注意!息を吹きかけて消さない事。(不浄な行為)
5. 他の線香に付かないように、1本ずつ離して立てる。
6. 改めて遺影に向かって合掌し、一礼します。
7. 僧侶に向かって一礼します。
8. 遺影の方を向いたまま、少し(2、3歩)下がり遺族(参列者)に一礼し、席に戻ります。

 

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■数珠の持ち方についての作法

数珠は、必ず必要なワケではありませんが、
出来る限り持っておいた方が良いと思われます。

焼香時、数珠は左手(利き腕の逆の手)に持ちます。
その際、数珠についている毛のような房が下になるように持ちます。

 

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■焼香の回数や作法を間違えた場合

焼香時の回数や作法を間違えても大丈夫です。
要は「故人を思う気持ちが重要」だからです。

故人の遺影、遺族、僧侶に対して、ちゃんと礼をしていれば、他の作法を多少間違えても問題ありません。

たとえ、焼香の回数が間違っていたとしても、一般参列者の場合なら許されると思います。
しかしながら、自分が遺族の場合は、後で他の遺族から注意やお叱りを受ける場合があります。

基本的に、事前に喪主の宗派と作法をチェックしておくことが重要ですが、
どうしても焼香の回数が分からない場合は、3回やるといいでしょう。

また、「おしいただき」をやるかどうかわからない場合は、焼香の回数分やった方がいいでしょう。
「やらない」よりは「やった方が良い」という感覚でいいと思います。

 

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■宗派別・焼香の回数と「おしいただき」

焼香の回数と「おしいただき」をするかどうかについて、宗派別にまとめて表にしました。
参考までにどうぞ。

宗派名 焼香の回数 おしいただきの回数
浄土宗 特に規定なし 焼香の回数分行う
浄土真宗 1回のみ 行わない
天台宗 特に規定なし 特に規定なし
真言宗 3回行う 3回行う
曹洞宗 2回行う 1回目時のみ行う
臨済宗 1回行う 1回行う(やらなくても可)
日蓮宗 1回または3回行う 焼香の回数分行う
日蓮正宗 3回または1回行う 焼香の回数分行う

曹洞宗に関しては、「焼香が2回とおしいただきが1回目のみ」と他とは回数と作法が違うため注意が必要です。
 

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■葬式時の服装

◆基本的な服装

葬式時の服装は、基本的に「黒のフォーマル」です。

ネクタイも黒です。

一般参列者で、急な出先などから駆け付けるなど、時間的に黒のフォーマルが用意できない場合は、普通のスーツでも構いません。

◆学生の場合

学生の場合は、学校の制服でも構いません。

ただし、大学生のように特定の制服が無い学生の場合は、
黒のフォーマルを事前に準備しておくことをお勧めします。

 


 

こんなところですね。

基本的に、焼香の回数がわからない場合は3回やると覚えておけば、ほぼ間違いないでしょう。
(ただし、曹洞宗に関しては、焼香が2回なので事前のチェックが必要です。)

あとは礼儀です。

遺影、遺族、僧侶に対してきちっと礼をしておけば、多少の作法の間違いは許されます。

本当に大切なことは、故人への思いやりなのです。

葬儀や通夜、法事などでは、故人に対する思いやりの心を忘れないように振舞いましょう。

では、今回はこの辺で。

 

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■関連項目

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