幽霊の日【7月26日】

◆7月26日は「幽霊の日」

■幽霊の日ってどんな日?

幽霊の日とは、1825年(文政8年)の7月26日に、鶴屋南北作の「東海道四谷怪談」が江戸・中村座で初演されたことに因んで作られた記念日です。


(画・歌川国芳 1848年)

四谷怪談は、日本では最も有名で定番な怪談です。

大まかなストーリーは、夫の伊右衛門に毒殺された「お岩さん」が幽霊になって化けて出て、自分を裏切った夫を呪い殺すという話です。

当時、この演劇を見た人々は、さぞかし怖かったことでしょうね。

四谷怪談は、あまりに人気かつ定番中の定番の怪談なので、現代に至るまでに、舞台演劇、映画、テレビドラマなどの複数のプラットフォームやメディア等で制作・上演されてきたため、様々なバリエーションの作品が登場しています。 

「女性が化けて出る」という現代ホラーでは定番な設定も、四谷怪談がルーツと言っても過言ではないでしょう。

■提唱・制定者は?

幽霊の日の制定者は不明です。

■日付の理由は?

日付の理由は前述のとおりです。

■日本記念日協会に登録されているの?

幽霊の日は、日本記念日協会に認定・登録されていません。

■日本の幽霊に足が無いのは四谷怪談がルーツ?

実は、「日本の幽霊には足が無い」という設定も、四谷怪談が起源だと言われています。

お岩の幽霊役を演じる際に、着物で足を完全に隠して演じたところから、「幽霊には足が無い」と評判が立ち、それが後の浮世絵師などに影響を与えたと考えられているようです。

四谷怪談よりも、番町皿屋敷の怪談の方が先ですが、番町皿屋敷のお菊の幽霊の絵が描かれたのは、四谷怪談の初上演よりも後なので、やはり、四谷怪談の影響を受けたと考えても矛盾は無いと思われます。


(画・月岡芳年 1890年)

参考:Wikipedia , 『渡る世間は「間違い」だらけ』 (1995年 河出書房 刊)


 

こんなところですね。

四谷怪談は、子供の頃にTV放送で見たことがあるのですが、個人的には、怖いのはお岩さんではなく、伊右衛門がお岩さんを殺す時の惨殺シーンの方が怖かったですね。

化けて出たお岩さんは、怖いといよりも「不気味」な感じでした。

さて、四谷怪談の「女性が化けて出る」という設定は、後の日本のあらゆるホラー系作品の設定に影響を与えています。

呪怨の「伽椰子」やリングの「貞子」も、元をただせば「お岩さん」がルーツということになりますね。
(まあ呪怨の場合は、女性以外も普通に化けて出てますが…。)

ただ、日本特有の「幽霊には足が無い」という設定だけは引き継がれていないようです。

足があった方が撮影しやすいというのもあったのでしょうが、個人的には、「足があった方がより人間に近く、リアリティがあるので余計に怖く感じる」という理由があったからなのではないかと考えています。

まあ、ホラー映画の怖さは、幽霊の不気味さよりも、それらを取り巻く演出による効果が大きいと思いますけどね。

つまり、演出は映画の良し悪しを決定づけてしまう重要なポイントということですね。

では、今回はこの辺で。

 

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