レジオネラとは何なのかわかりやすく解説

レジオネラとは、水中や土壌中に広く存在する細菌の一種。

自然界に普通に分布する細菌で、通称「レジオネラ菌」と呼ばれている。
実はレジオネラとは、特定の細菌を表す名前ではなく、正しくは「レジオネラ属に属する細菌の総称」である。

レジオネラは人体に害を及ぼすほどの菌ではないが、大量に発生した場合は、高齢者や基礎疾患を持つ人といった免疫力の低い人に肺炎などの病害を及ぼすことがある。(レジオネラ症)

この細菌の名前は一般的ではなかったが、2018年冬に高齢者施設で起きた肺炎による死亡者発生(清掃されていない加湿器が原因)、2023年の福岡の老舗旅館でのレジオネラ菌大量発生(基準値の最大3700倍)、同年9月末に福岡の温泉施設で発生したレジオネラ菌大量発生(基準値の2300倍)などが次々と各メディアで報道された。

そのため、当時は「レジオネラ」「レジオネラ菌」「○○○○」(○○○○は施設名)といったキーワードが多く検索され、大手検索エンジンで上位にランクインしたことがあり、レジオネラの知名度が高まることとなった。

・レジオネラの増殖条件

レジオネラ菌は、自然界のうち、淡水の水中および水分が多い土壌に広く分布している一般的な菌である。

しかし、以下の条件下において、レジオネラ菌は大きく増殖することがある。

  • 消毒されていない水
  • 入れ替わりの少ない澱んだ水
  • 水温 20℃から50℃前後の水

つまり、給水・給湯設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器、水景施設など、適度な温度かつ水分が多い場所においては、レジオネラ菌が大量に増殖することがある。

故に、温泉施設のような温水を大量に扱う場所では、レジオネラ菌が大量発生する条件が揃っているため、設備や機器の消毒・洗浄を定期的に行うなどの対応策が必要になってくる。

対応策を怠ると、前述のようなレジオネラ大量発生事件の原因となるため、施設側の管理責任は重大である。

 


関連項目

レジオネラ症


 

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