レジオネラ症とは、レジオネラ属の細菌が原因で引き起こされる肺炎の一種である。
レジオネラ症の主な症状は風邪に似ており、咳、息切れ、高熱、筋肉の痛み、頭痛といった諸症状が現れる。
また、それに起因する形で、吐き気、嘔吐、下痢の症状が出ることもある。
これらの症状は、感染後2日~10日後に現れる。
結局のところ、肺炎を引き起こすため、レジオネラ症のことを「レジオネラ肺炎」と呼ぶこともある。
重症化すると死亡することもあるため、免疫力が低い高齢者や基礎疾患を持つ人は注意が必要である。
レジオネラ症かどうかを判断するには、病院で検査を受けないと判らないため、結局は病院で診てもらうしかない。
◆診断と治療
レジオネラ症の診断は、血液検査や喀痰検査で行う。
レジオネラ症の治療は、抗生物質を使用する。
重症化した患者の場合は、入院治療が必要になることもある。
・レジオネラの感染経路
レジオネラの感染は、主にレジオネラ菌に汚染された水しぶき、噴射水、散布霧から産生される微粒子(エアロゾル)を吸い込むことで起こる。
レジオネラ菌は、20℃~50℃の間の温度で増殖することが判明している。
つまり、温泉施設などの比較的温度が高い水やお湯を扱う施設では、レジオネラ菌が増殖しやすい環境にあると言える。
しかも、それらの施設では、給水・給湯設備、冷却塔水、循環式浴槽、加湿器といった設備が常設されており、しかもエアロゾルが発生しやすい傾向にあるため、レジオネラ菌を含めた細菌への対策が必要になる。
・レジオネラの感染対策
レジオネラの主な感染対策は以下のとおり。
- 水道水をこまめに交換する
- 加湿器を清潔に保つ
- 冷却塔の水を定期的に交換する
- 浴槽を清潔に保つ
- 風呂に入る前にシャワーを浴びる
- 冷却塔の周りに立ち入らない
施設側が、これらの対策を怠ると、2023年に福岡や福井の温泉施設で発生した「レジオネラ菌大量発生事件」のような事件を引き起こすことになりかねない。
・レジオネラ症の予防策
レジオネラ症は、以下の方法で予防することができる。
- 水道水を煮沸して使用する。
- プールや温泉に入る前に、シャワーを浴びる。
- 加湿器をこまめに清掃し、水をこまめに交換する。
レジオネラ症は、重症化すると死亡することもある危険な病気である。
故に、上記のような予防策を守ることで、感染を予防する必要がある。
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