人の細胞が短時間でどんどん死んでいく病気
のこと。
具体的には、レンサ球菌が人間の体内に侵入し、1時間で数センチ単位の速さで人間の体内の細胞を破壊していく。
また、レンサ球菌は毒素も出す。
その毒素が、肝臓、腎臓、膵臓、腸などの重要な内臓で発生すると、強度の免疫アレルギー反応が起こり、多臓器不全を起こして死に至る場合もある。
(壊死による多臓器不全もありえる。)
致死率はなんと30%にも及ぶ。
以上のような劇的な症状を見ると、人間の肉体が食われていくように思えることから、レンサ球菌は「人食いバクテリア」の異名を持つ。
そもそもレンサ球菌とは、別名A群レンサ球菌とも呼ばれ、人間の体内(喉や消化管など)に普通に生息している常在細菌である。
(いわゆる扁桃腺炎もレンサ球菌が原因の場合がある。)
それがなぜ、人の細胞組織を直接破壊するような致死率の高い病気を劇的に発症させるのか、その起因については不明である。
つまり、誰でも突然発症する可能性があるということになる。
本来、劇症型溶血性レンサ球菌感染症という言葉は、医者はもちろんのこと、ウィルスや細菌を研究する医学者などの専門家しか使わない(知らない)病名である。
しかし、2017年12月に、国立感染症研究所(NIID)がマスコミに向けて2017年度の劇症型溶血性レンサ球菌感染症の発症者が過去最多になったことを発表した。
そのため、マスコミがこのことを報道したことにより、この、一般的でない病名が世間に知られることとなった。
以上の理由で、当時の検索エンジンのキーワードランキングで上位に入った経緯がある。
・レンサ球菌の主な感染経路
レンサ球菌の主な感染経路は飛沫感染である。
例えば、レンサ球菌が原因で扁桃腺炎になった人が、咳やくしゃみをした際に、他の人にレンサ球菌が感染する可能性がある。
そういう人にはマスクをしてもらうか、近寄らないことが予防策となる。
もちろん、手洗い、うがいなど、日常の基本的な自身の洗浄の習慣も重要となる。
・劇症型溶血性レンサ球菌感染症の治療法
治療法としては以下の方法がある。
- ペニシリン系抗菌薬の大量投与
- 壊死部分の外科的除去と洗浄消毒
- ショック症状への対応
- その他、対症療法
特に、壊死部分の外科的除去と洗浄消毒は重要。
壊死した部分はレンサ球菌の温床と化しているため、外科的手術で除去し、洗浄消毒しないといつまで経っても症状は改善せず、更に進行しかねないのである。
関連項目
エボラ出血熱