ユビキタス(英:ubiquitous)をわかりやすく言うと、
どこにでもある
という意味。
元々は、「(神は)遍在する」を意味するラテン語「ubique」に由来する。
その意味が、コンピューター科学の概念として派生し、
「あらゆる場所で、インターネットと繋がった機器を利用できる環境。」
という意味の言葉となっており、いわゆる「ユビキタスコンピューティング」や「ユビキタスネットワーク」とほぼ同義の概念(または、それらの略語)となっている。
また、その概念を「いつでも・どこでも・何でも・誰でも」と範囲を拡大し、自治体規模、または国家規模にまで発展させたものを「ユビキタスネット社会」といい、2004年より当時の総務省によって策定・実施されたu-Japan政策の指標となった。
ユビキタスネット社会の実現には、IoTの拡大充実と、大容量高速通信・低遅延・数百万人同時接続を可能とする、5Gレベルのネットインフラの完備が欠かせない。
つまり、5Gこそがユビキタスネット社会実現の要ということになる。
・コンピューター科学としてのユビキタス
コンピューター科学の概念として、初めて「ユビキタス」が使われたのは1988年。
当時のゼロックス社(米)のPARC※(パロアルト研究センター)マーク・ワイザー氏が、研究プログラム名に使ったことが最初とされている。
(※Xerox Palo Alto Research Center)
そして、1990年代においてユビキタスの概念が研究され、
「どこにいても状況に応じて利用者の便宜を図ってくれる環境を、コンピューターやICタグによる広範囲なネットワーク構築によって実現しよう」
という、2000年代に提唱された概念に近いものとなった。
また、日本においては、国産OS「TRON」の開発者である東京大学の坂村健教授(当時)が「どこでもコンピュータ」環境の実現として、「ユビキタスコンピューティング」社会を提唱したことも知られている。
関連項目