- 政治的または思想的理由で人を殺すこと
- 人を殺した犯人が誰だかわからないこと
- 急所を狙って一撃で人を殺すこと
本項では、それぞれを順に解説する。
・1.政治的または思想的理由で人を殺すこと
1は、暗殺の基本的な定義。
ニュースメディアなどに、「●●氏、暗殺か」などという見出しが出ていたら、大抵は1の意味を指している。
殺害の動機が、恨みや妬みなどの個人的、感情的な理由ではなく、あくまでも
考え方が大きく違うことが殺害の理由
になっている。
例えば、AとBの組織(集団)があるとする。
AとBはライバル的存在で、
社会的なあらゆる面で対立している。
このままだと、一方または双方の組織(集団)のあり方や行動理念が成り立たないので、暗殺という非人道的手段で、ライバル組織(集団)内の特定の人物を排除する。
そうすることによって、対立する組織(集団)の弱体化と沈静化、さらには解散・消滅を狙う。
ただし、1の意味の暗殺の場合、首謀者は個人的な恨みは無いかもしれないが、実行犯は恨みを持っている可能性がある。
首謀者は、プロの暗殺者を雇い、証拠を一切残さないのだが…
逆に暗殺の対象者に恨みを持っている人物を探し出して巧みに焚き付け、暗殺を実行させる場合もある。
そういうケースの場合は暗殺ではなく、
表向きは「恨みによる犯行」になるワケだ。
そうすることによって、組織の関与をにおわせず、世間に対して暗殺とは思わせない。
もちろん、実行犯は
別のプロの殺し屋によって始末されるワケだ。
当然、首謀者は名前すら挙がらない。
挙がったとしても、
証拠は一切ないことがほとんど。
黒いうわさのみが世間に蔓延するだけ。
・2.人を殺した犯人が誰だかわからないこと
この意味の場合は、
物証や目撃証言が何もなく、
誰が犯人か見当もつかないこと。
凶器はもちろんのこと、足跡や体液、毛髪すらも残しておらず、人間関係のトラブルも一切ない。
目撃者は誰もおらず、不審な音や声を聞いた者もいない。
防犯カメラにも映っていない。
以上のようなことから、捜査が完全に行き詰っており、“迷宮入りしている”、または“しかかっている”場合を指す。
決して、捜査の途中だから、まだ分からないという意味ではない。
ただ、こういうケースの場合、殺し方がある意味スマートで、一撃で心臓や眉間を刺したり打ち抜いたりしているので、プロの仕業だと見受けられることがほとんど。
プロの仕業と分かっても、
どうすることもできない・・・。
2の意味は、
そんな状態の暗殺を指している。
3.急所を狙って一撃で人を殺すこと
現実の世界の暗殺というのは、プロが行うことがほとんど。
有名どころでは、暗殺を専門に行うプロの殺し屋のことをアサシンと呼ぶこともある。
映画のタイトルにも出てきたことがある。
彼(彼女)らの殺害方法は、
- 人間の急所を一撃で貫通または破壊
- 物証や目撃情報を一切残さない
といったケースが多いので、
暗殺が2や3のように
- 誰がやったかわからない
- 急所を狙って一撃で人を殺す
という意味として
認識されることもあるワケだ。
それが転じて、RPGやシミュレーションゲームなどの架空の世界で行われる
- 攻撃手段のひとつとしての暗殺
として登場してきたと言える。
よくゲームをする人は、1や2の意味よりも、3の意味の方をよく知っているかもしれない。
この手段で攻撃されたキャラクターは、回避または防ぐ手段が無い限り、即死または退場してしまう。
すごく卑怯な攻撃手段と言えるが、自分が使えたなら、とてつもなく好都合。
まともに戦ったらとても勝てない相手を、暗殺であっさりと倒せたら、これ程楽なことはないからだ。
でも、それが許されるのは架空の世界のみ。
現実の世界での暗殺は
間違いなく意図的な殺人であり、
罪深い犯罪なのである。