モノがインターネットにつながる仕組みや技術
のこと。
英語の” Internet of Things “の略称である。
ここでいう”モノ“とは、家電、医療機器、自動車、建物の空調システム、道路の監視カメラなど、社会一般に普及しているモノを指す。
これらのモノは、かつてはインターネットに繋がることなく、個々で独立して使用または機能させる単一の機器だったが、IoTによってインターネットに繋がることによって、それらの有する(発する)情報を集めて、管理・制御することが可能になった。
それによって、離れた場所にあるPCやスマホなどの端末から、これらのモノを遠隔操作することも可能になった。
また、AI(人工知能)と組み合わせることによって、集めたデータを元に、自動認識や自動制御までも可能となった。
例えば、会社勤務の合間に、スマホで自宅のエアコンのスイッチを入れたり、温度調整したり、電気ポットや炊飯器を帰宅直後に沸かせたり米が炊けるように調整したりすることも可能になった。
(お米の炊き具合をAIが調整してくれるのもある。)
また、企業のサービス例として、電気メーターがインターネットに接続されれば、そのデータを電力会社がサーバーで管理・チェックすることで、電力使用量や使用する時間帯を割り出し、発電・送電量を調整することも可能になる。
更には、企業のサービス機能が、そのまま家庭内のモノとして入り込むケースもある。
例えばスマートスピーカー。
Amazon EchoやGoogle Homeなどが有名である。
スマートスピーカーは、スマホなどの端末に組み込まれたクラウド型AIの機能を発展、特化させた設置型スマホと言える。
住人はスマートスピーカー(のAI)に話しかけるだけで、インターネットで買い物をしたり、部屋の明かりやテレビ、エアコンを点けたり消したりできる。
(もちろん、事前に設定が必要であるが…。)
他には、スマホを使ってドローンを制御したり、自動車をスマホで操作し、乗らずに駐車を行ったりも可能となった。
自動車の自動運転もIoTの発展形のひとつと言える。
以上のように、IoTの発達によって、さまざまな分野のさまざまなモノがインターネットに繋がり、管理と制御が可能となったのである。
よって、IoTは情報化社会を更に発展させた技術と言っても過言ではない。
IoTを更に発展させ、自治体または国家規模にまで拡大すると、ユビキタス社会の実現も可能となる。
しかしながら、IoTには、大きく分けると課題が3つある。
- 膨大な量のデータの管理
- 異なる機器同士の接続と通信速度の維持
- セキュリティ面
の3つである。
様々なモノがインターネットに繋がり、莫大なデータ量が端末やサーバーに蓄積されていくことになるため、データ管理のための設備投資が必要になってくる。
また、膨大な量のデータを日本各地で行うことになるため、通信速度に影響が出てくる可能性がある。
異なる規格の機器同士の接続の問題もある。
で、最も重要なのは、セキュリティ面である。
インターネットに繋がることによって、モノの遠隔操作が可能になるため、第三者による機器の乗っ取りや個人情報の漏洩が懸念される。
例えば、スマートスピーカーが乗っ取られると、その家の個人情報が駄々洩れ状態になり、勝手に買い物されたり、PC作業中に家の電源を急に消されたりなどの被害が起きる。
また、自動車の制御が可能なスマホが乗っ取られた場合、意図的に交通事故を起こされたり、自動車を簡単に盗まれたり、自動車に人が乗ったままの状態で、知らない場所へ連れていかれて、そのまま拉致・誘拐が可能となってしまうという非常に危険な側面がある。
ゆえに、IoTを支えるには、ブロックチェーンに見られるような強力なセキュリティが必要になる。
IoTのさらなる発展には、データ管理の設備投資とともにセキュリティの発展も欠かせないのである。
余談だが、IoTという言葉は1999年が初出と言われており、その提唱者は、無線IDタグ※やセンサーの専門家であるケビン・アシュトン氏である。
(※ICチップに記憶された情報を、無線通信によってデータの読み込み・登録・削除・更新などを行う自動認識システムのこと。)
関連項目