低酸素脳症とはなんなのかわかりやすく解説

低酸素脳症をわかりやすく言うと、

酸素不足で脳に障害が起きる病気

のこと。

何らかの原因で脳への酸素供給が不足すると、様々な脳障害が発生する。

酸素不足の時間が長ければ長いほど症状は重症化し、死に至る場合もある。

具体的には、以下のような症状が出る。
(下へ行くほど重症)

  1. 注意力・判断力の低下(酸素不足1~2分前後)
    (意識が散漫になる。)
  2. 運動能力の低下(酸素不足2~3分前後)
    (スポーツ・体操・自転車の運転など、全身運動がぎこちなくなる。)
  3. 四肢や指の愚鈍化(酸素不足2~3分前後)
    (ボタンをとめたり、箸を使うなどの指の動作が困難になる。)
  4. 意識障害・混濁(酸素不足3~4分前後)
    (幻覚を見たり錯乱したりする。) 
  5. 昏睡状態(酸素不足5分以上)
    (意識を失い、眠った状態になる。)
  6. 脳死
    (脳の全機能が停止する。)
  7. 呼吸停止心停止
    (呼吸が止まる。心臓が止まる。)

1~2の場合は比較的軽症なので、時間が経てば回復する。

3は、リハビリすることで回復可能。

4~5になると、脳の機能の一部が停止または欠損し、重大な後遺症が残る可能性がある。

6や7は、もはや人の死である。

 

低酸素脳症は、全国的にはそれ程珍しい病気ではないが、2017年7月21日に低酸素脳症で緊急入院した、当時の新潟県加茂市の女子高校生(野球部のマネージャー)が、同年8月5日に死亡したことが発覚。

野球部に問題があるとしてニュース報道されたため、世間を騒がせる結果となった。

そのため、低酸素脳症のキーワードが大手検索エンジンで検索され、当時のキーワードランキングの上位に登場したことがある。

 

・低酸素脳症になる原因

低酸素脳症になる原因は多々あるが、
主に以下の原因で発症する例が多い。

  • 呼吸機能の障害
    (喘息・溺れる・走り過ぎ・首絞め・服毒(シアン化物 青酸カリ))
  • 循環器系の障害
    (心臓停止・心筋梗塞・血栓による血流障害など)
  • 重度の貧血出血多量
  • 脳への衝撃
    (脳挫傷などの脳の損傷)
  • 一酸化炭素中毒
    (石油ストーブや練炭などの不完全燃焼)
  • 低血糖症
    (低血糖により脳が正常に機能しなくなる。)

 

他には、胎児や乳児に起こる低酸素脳症もある。

主な原因は、

  • 母親のタバコの吸い過ぎ
  • 母体への薬物投与
  • 母体が病気(風疹など)にかかる

など、母体からの悪影響で発症するケースが多い。

 

なお、染色体異常でも低酸素脳症を発症する可能性がある。

この場合は、母体側が用心しても起こり得る、先天的な要素であるので予防は難しい。

 

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・後遺症と余命

重度の低酸素脳症を患った場合、
一命をとりとめて危機を脱したとしても、以下の後遺症が残る可能性がある。

  • 認知症
  • 言語障害
  • 手足の痙攣や麻痺
  • 歩行障害
  • てんかん
    (ミオクローヌスてんかん重積状態)
    (不随意運動によって、てんかんが引き起こされてしまう状態)

いずれも、日常生活に大きな支障をきたす重篤な障害と言える。

脳は”人間そのもの“といっても過言ではない、最重要の臓器であり器官である。

そんな重要な脳が損傷を受ければ、人間としてだけでなく生物としての機能も失われるのは当然のこと。

特に認知症やてんかんは、
その人の余命を短くするのに十分な後遺症である。

まともな日常生活をおくることが困難なので、健常者よりも余命が約20年ほど短いと言っても過言ではない。

低酸素脳症にならないような、
穏やかで健全な生活をおくることこそが、一番の予防方法と言えるだろう。

 

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