高い知恵や知識の集合体
のこと。または、
経験、知識、理解に基づいて健全な判断と決定を行う能力
のことを指す。
英知には、理解力、洞察力、判断力、創造力、直感力、問題解決能力などが含まれ、単なる知識や情報の蓄積ではなく、それを実践的に応用し、新しいアイデアや発見を生み出すことができる能力を示す。
英知は、人間の経験や学習、洞察、直感などから得られるものであり、知識としてだけでなく、しばしば人格としても発揮される。
英知を持つ者は、複数の視点から物事を見ることができ、何が重要で何がそうでないかを見極め、その人が望む目的(幸福な未来など)を長期的に獲得できるように行動を取ることができる。
故に、英知は思考と行動の質についてのバロメーターの概念と捉えることも可能。
・英知と知能の関連性
英知は知能と同じものではないが、二つは関連している。
知能は、学習、推論、問題解決の能力の高さを表すバロメーターである。
一方、英知は思考と行動の質について注目される概念である。
何を知っているかだけでなく、「どのようにその知識を実践するか」を重要視するのが英知である。
・英知の重要性
英知が重要な理由は以下のとおりである。
1.人生を上手く渡るための能力
英知は、私たちが生きる複雑で不確実な社会を生き抜くために必要な能力である。
日常生活において、人には情報、意見、選択肢が常に降りかかり、何を信じたらよいのか、何をすべきなのか判断に迷ったり分からなくなったりすることがある。
そういう局面において、英知は、嘘の情報や不要な情報を選別し、本当に重要な情報だけに労力を集中させるのに役立つ。
2.個人の成長と充足
英知は、個人の成長と充足を促進させる。
英知に基づいた行動をとると、外部の圧力や衝動に惑わされることがなく、自分の価値観や目標に合わせて行動を選択することができるようになる。
これにより、その人個人の人生の目的や満足感を高めることが出来る。
3.社会との調和と協力
英知は、社会の調和と協力を促進させることができる。
独断や攻撃的な言動ではなく、理解と共感の精神で他者に接することで、周囲の人たちとの良好な関係を築き、平和的に問題を解決することが可能になる。
このことは、異なる文化や視点が衝突する現代社会において特に重要である。
・英知の育成方法
英知の育成方法として、以下のものが望ましいとされている。
- 好奇心と開放的な態度を養う。
多様な視点と新しい経験を求め、自分の考え方や信念に積極的に挑戦する。 - 過去の自分の経験を振り返り、そこから学ぶ。
「何がうまくいったか?」
「何ができなかったのか?」
「他に何ができたのか?」
こういった脳内での情報の反芻は、将来の意思決定に役立つパターンと洞察力を養うのに役立ちます。 - 共感と思いやりの心を育む。
他人の意見に同意できなくても、他人の視点から物事を見るようにする。
これにより、他人の考え方が分かり、他人とのつながりを深め、不必要な衝突を避けることが可能になる。 - 知恵を体現するメンター(師匠)やロールモデル(お手本になるもの)を探す。
そういった人物の言動や書物などから学び、必要なときに模範として指導をしてもらう。
・英知は最も重要な目標のひとつ
結論として、英知を身につけることは、私たちが人生で追求できる最も重要な目標の一つであると言える。
賢明な考え方を養い、賢明な選択をすることで、私たちは自分自身の生活を向上させるだけでなく、より調和のとれた豊かな世界に貢献することができるのである。
しかしながら、それを実践できるかどうかは、国の在り方そのものや、個人の置かれている環境に左右される。
したがって、最も重要な目的でありながらも、英知を正しく得ることができない人たちがいることも、避けようがない事実である。
関連項目
なし