無料で食事ができるシステムがある
未来食堂(みらいしょくどう)の通称
のこと。
未来食堂とは、東京都千代田区一ツ橋にあった定食屋。
未来食堂の「ただめし券」システムが話題となり、未来食堂は、いつしか「ただめし食堂」と呼ばれるようになった。
本当にタダ(無料)で食事を提供していたにも関わらず、黒字経営という驚きの経営実態が噂となり、2017年9月中旬ごろに、当時の検索キーワードで急上昇した。
なぜ、無料で食事を提供できたのか?
食事が全部完全にタダというワケではなく、普通に食事をすれば、もちろんお金がかかった。
メニューは日替わり定食1品のみ。
価格は900円(当時)。
それでも、無料で食事を提供できた理由として、「お手伝い」と「まかない※」と「ただめし券」の3システムがあった。
(※従業員が店から提供される食べ物のこと。)
未来食堂の仕事を約50分間「お手伝い」すると、「ただめし券」を1枚もらえる。
そのただめし券を使えば、
1回だけ無料で食事ができる。
その食事は、いわゆる「まかない」扱い。
もらったただめし券は、自分で使ってもいいし、店の入り口にある専用のボードに貼りつけることも可能だった。
もちろん、ただめし券を持ち帰ることはできない。
専用のボードに貼りつけることで、他の食うに困った人にプレゼントできたワケだ。
また、ただめし券で食べた人が、今度は店のお手伝いをすることで、更にただめし券をもらってボードに貼りつけることも可能。
この繰り返しで、見ず知らずの来店者に、ただめし券をシェアすることができた。
つまり、誰もがタダで食事ができたワケではなく、
- 未来食堂の仕事を一定時間以上お手伝いした人だけが、
「ただめし」にありつける
というシステムだったワケだ。
どうして黒字経営ができたのか?
未来食堂が黒字経営が出来た理由は、
ズバリ、
- 客の回転率
にあった。
基本的に立地条件が良く、日替わり定食が美味しかったため、来店客数には困らなかった。
また、メニューが日替わり定食一つだけなので、いちいち注文を取る必要がない。
その分、注文に時間が取られることがなく、仕事の回転率が上がる。
厨房で来客の人数分、次々と調理を続けるだけでいい。
ウェイターやウェイトレスは、
出来上がった料理を順次客に運ぶだけでいい。
注文を間違えることもないので、トラブルも少ない。
更に、「ただめし券」システムで、「お手伝い」する人がいるため、固定の従業員がそれ程必要ない。
つまり、人件費がかからない。
店が赤字経営になる大きな理由の一つとして、人件費がある。
その人件費を「お手伝い」で大幅にカットできるため、非常に利益効率の良い経営システムになっていたワケだ。
「ただめし」システムで困った人々に喜ばれ、しかも、好立地条件で日替わり定食が美味いので、普通にお客が大勢来る。
なるほど、黒字経営になっていたワケだ。(笑)